ただの考察

ー 魔科学技術研究所本部 魔力総合課棟 ー


「みんな〜!ここは普通の魔力だけじゃなくて、精とかの魔力についても研究している研究所の中でも、凄い人がいっぱいいるところなんだよー!」

サキュバスのお姉さんが見学にやって来た子どもたちに施設の説明をしている。微笑ましい光景だ。

「ロリっ娘はぁはぁ。」

「ショタの帽子のゴムしゃぶりたいお。」

あれと同じではないよ。ってあそこの時計もう九時になりそうじゃあないか!?

「そろそろ時間だ。急がないと!」

今日、僕はここに赴任することになった新入りだ。ここの課の主任を手伝うことになっている。何でも人手不足とかが重なって決定したのだとか。このエリートの巣窟を僕が手伝うことになるなんて、世の中何が起こるかわからないものだ。

主任の部屋へ挨拶に行くと

「お前が新入りか!よし、データは受け取ってるだろ?早速実験だ!」

と言われて、仕事に追われてもう夜だ。

「それで主任、今日の実験って数値の計測だけでしたけど何の意味があったんですか?」

「ん?おお、そうか。お前は今日来たから、何するかは知ってても何の意味があるかは知らねーよな。」

そう、データにあったのは魔力反転現象の研究において発見した新たな魔力数値の計測だが、それだけで今日の熱の入り方はおかしいと思う。それこそ僕は知らない何かがあると思わされるほどに。


魔力反転現象
魔力の性質が反転する現象で、例を挙げると白蛇や雪女などがある。
白蛇の場合、水の魔力で満ちている彼女たちはその魔力を反転させることで、嫉妬の炎を生み出す。雪女の場合は、氷の吐息で男性が温もりを求める際、精を受けていないのに温もりを与えることができるのは、氷の魔力を反転させているからである。
この現象は、伴侶の心を得ようとする魔物娘のある数値が急激に上がるからとされ、エルフがダークエルフに転じるのにもこの数値が関わっているらしい。
ちなみに、伴侶をもった魔物娘はこの数値が高く、魔精霊の協力で実験した結果、イグニスが水の魔力を行使してみせた。本質は変わらなずイグニスのままであり、この数値は魔力の適応値であるとされている。

「まあ、今回の実験で計った数値は魔力の力その物の数値だ。つまり、あれの数値が高ければ高いほど、他の数値も軒並み高い。」

「え?それだけですか?」

「バカ野郎、こいつを見ろ。」

「これは?」

渡されたのはコピー用紙、どうやら魔力の数値のグラフみたいだが。

「それは、旧世代の状態に近付けた魔物娘の数値だ。」

「はあ!?」

「言っとくが、マジだぞ。」

「よく許可取れましたね〜。」

「魔王様にバフォメット様などなどが提示した条件を何とかクリアしてみせたからな。」

主任の根性に感服しながらざっと読み進めて行くと、驚くべき事が分かった。

「何なんですか!?この不安定な数値!これじゃあ」

「そう、そこまでは処置で安全だが旧世代の教団のデータから更に不安定であることが推測されており、本来なら常に命の危険があってもおかしくはない。」

「どうなってるんですか!?主任!」

「…………ここからは俺の推測だが、主神の定めた設定と魔物の生態が上手く噛み合わなかったのだろうな。推測された数値からのデータでは魔物の体内で魔力による破壊と再生が繰り返され、精神は魔力に毒されるため破壊衝動の塊になる。魔力をもつ生命体として旧世代の異様な寿命の短さ、上位種族でも大なり小なり影響が出るほどだ。
しかし、サキュバス種や精を糧とする魔物の数値は比較的安定してある。これは、本来魔力をもった生命体が精を必要とするからなのだろうが、主神の設定は人を喰らうものだ。人の血などから精を獲得できるとはいえ、魔力を介して得たものではないからな。劣化してちっとも足りないだろう。
だからサキュバス種が生まれた。生き残るために。
だから魔王様がサキュバス種より生まれた。今の設定を打ち砕くために。
魔王様の白は主神の定めた設定をゼロ(白)にして本来の何にも染まらない魔物としてのスタートを意味してるのかもな。
まさに運命と言う他ないだろ?
でなけりゃ、魔王様の旦那様が生まれる訳ないって。人間がどうやったって前魔王くらいにしかならんことはもう分かってんだから。
主神を下した魔王様は魔物だしな。設定で人間より上位とはなっているが神より下だなんてなってないし、それに今日の実験で魔物娘はヤリまくってるとそのうち神より上位になるのも分かったから、俺の推測の根拠もかなり出来てきたぜ。」

「何か……凄い話でした。って、それは魔王様に」

「報告してるさ。そしたらあの方は

『確かに、私と彼が生まれたのは運命なのかもしれない。私と彼が成した事はいずれは起きることだったのかもしれない。でも、
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