魔王の政権交代が始まって以来城下町の男不足は年々悪化の一途を辿るばかりであった。
戦争も親人間派や親魔物派の努力もあって今は軍縮に向けて動いている。
おかげで我々デュラハンは前線から都市防衛とか治安維持といった
安全な部隊へと部署移動されるようになったけれど・・・・
「・・・・・・どうしてこうなった」
この町に配属されて間もない私は、仕事を覚えるために過去の記録を読み漁っていた。
日誌に目を通すと、異常なぐらい性犯罪の比率が高かった。
全体の8割が性犯罪、1割が拉致や失踪とか冗談にしては笑えない。
しかも──
「入院原因1位が腰痛・・・・・・」
1日に60回射精した、後ろの穴でヤり過ぎて入院とかしょうもない理由ばかり。
ここまで来ると笑うしかない。
「冗談じゃないわ・・・」
交番の日誌だけでこの有様。本庁の資料にはどれだけ卑猥な記録が残されているのやら・・・
「私は無実です!!」
「どっちにしろアウトだ。大人しくしろ」
何やら外が騒がしい。顔を外に向けるとアヌビスが鴉天狗をしょっ引いて
この交番に向かっていた。
「どうしたの?」
「不法侵入の現行犯だ」
冷たくアヌビスは言い放った。どうやらこそ泥か何かを捕まえたようだ。
「了解。で、あんたは何をしたの?」
私は鴉天狗に質問した。
「私は何も罪を犯してはいません!
この犬が勝手に私を犯罪者呼ばわりしているだけです!!」
憤激した様子で鴉天狗は怒鳴った。
「嘘つけ! 許可無く学校の敷地内に侵入していたくせに!!」
アヌビスは鴉天狗を睨みつけた。
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「世界の裏側にある真実を撮るためなら問題ありません!」
あんたは何を言ってるんだ。
「とりあえず逮捕ね」
私は有無を言わさず鴉天狗に手錠をかけた。
「え、ちょっと──」
「いいわけは牢屋の中でたっぷり聞いてあげるから大人しくしてなさい」
私は備え付けの牢屋へと鴉天狗を放り込んだ。
「やれやれ・・・最近はあんな変態ばかり増えて困る」
アヌビスは物憂げに呟いた。
「そんなにひどいの?」
私は彼女に尋ねた。
「うむ。この前はアラクネが空を飛んで男狩りをしていたくらいだからな」
「は?」
私は思わず間抜けな声を出してしまった。
「糸をこう・・・何と言ったか・・・パラシュート見たいにして時計塔から飛び降りて
空から襲った事件があって騒ぎになったんだが、知らないのか?」
「いや全然。最近ここに来たばかりだから詳しい事は知らないわ」
きっと『親方! 空から女の子が・・・』みたいなやりとりがあったのだろう。
「そうか・・・まぁこんな具合で治安が悪化しているからあんたも気をつけた方がいいぞ」
「お気遣いどうも」
アヌビスはすたすたと去っていった。
「思った以上に深刻ねぇ・・・」
この町の現状を知っておかないと私も危ないかもしれない。私は再び日誌を開いた。
闇の月 15日
執筆者 アリアナ
本日午後4時過ぎ、コカトリスを逮捕。罪状は威力業務妨害及び強姦罪。
露天地区にて宣伝活動中のアガサ・アーント氏に金縛りをかけ、強姦。
容疑者は禁欲生活と過度の虜の果実の摂取にて理性を喪失。犯行に至る。
被害者との和解により不起訴。
闇の月 24日
執筆者 キャロル
午前3時商店街地区にて不審者の通報を受け、ホルスタウロスとその交際相手を逮捕。
容疑者は隣家の男性と関係があり、露出プレイ中に男性が悪戯目的で通報。逮捕に至る。
公務執行妨害の現行犯として男性から搾精を執行。
太陽の月 6日
執筆者 シャルトリューズ
本日午後2時、水道橋地区における床屋にて強姦事件が発生。
理髪店を営むマンティスが客に発情し、客のスタンレー氏に強姦を決行。
容疑者は「ムラムラしてやった。後悔はしていない」と供述。
犯行後、スタンレー氏の親族と調停を仲介。和解に至る。
風の月 11日
執筆者 バーニス
中央地区8番地にて火災が発生。出火原因は在住のブラーニー氏と同棲中の
イグニスとサラマンダーが暴走。過失にて寝室に引火した事。
この火災により消防活動従事者及び周辺住民の性欲にも引火。
強姦被害者79名、電撃結婚13組の被害が確認された。
前任のベネディクトはこの事件により寿退職。
「・・・・・・」
私は絶句した。いや、絶句せざるを得なかった。予想以上に酷すぎる。
この後も延々と性犯罪絡みの記録が続いており、正直言って読むのが億劫になった。
「まともに読んでいられないわね」
私は日誌を流し読みした。
すると━━
・勇者8人なら大丈夫だろうと思っていたら同じような実力のデュラハン2
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