1.序説
我が夫(以下、単に夫と記す)は、不器用ながらも、強い身体と優しい心を持つ誇るべき男あるが、何処か性に対して抑圧的な面を持っている。
例えば一例として、日の昇っている明るい内はどれだけ私達への情欲が沸こうとも平静を装い、それを私達にぶつけようとしない(※1)。これはつい最近まで常に薄暗く濃密な魔力の満ちる王魔界で暮らしていた為、こうしてその外での生活を始めてから発覚した事である。
これは、ひとえに今まで夫が歩んできた人生を思えば仕方のない事かもしれない。現状ではそんな夫の様子を察し次第、やや強引にこちらから誘う事にしている。
しかし、夫のこの抑圧感を克服させる事はより良い性生活、ひいては夫婦生活を築いてゆく上での課題として、現状最も分かり易いものであろう。
故にいくつかの性的アプローチからなる療法を試み、一週間区切りでそれらの結果を記録してゆく事とする。
これから積み重ねてゆく記録が我ら夫婦のこれからの性生活の向上のみならず、同様の悩みを持つ魔物とその伴侶の助けとなれば幸いだ。
2.実験
実験(療養)内容、結果は各項目を参考の事。
2.1……壁穴フェラ
こちらの姿が視認できず、双方向のコミュニケーションが不可能な状態での行為。即ち排泄感覚の行為を繰り返す事で、性行為に対する心の抵抗を取り除こうとする試みである。
条件
・一辺が2.5mの立方体の部屋を用意し、その一面の床から85cmの高さに10cm四方の穴を開ける。
・夫が私の研究所に立ち寄った際に情欲が沸いた場合はその穴に陰茎を通し、壁越しに口内奉仕を行う事で、私の口を受け皿とした精液便所として利用して貰う。
・実験は主に明るい時間に行う。
・夫には実験だという旨を説明し、協力して貰う。
結果
・問題点から挙げると、まずこの方法は実行できる場所が限られる。私の意思である程度構造を自由に組み替えられる研究所の内部だからこそ即座に本実験の為の部屋が用意出来たが、例えばデートの出先でこのように都合の良い穴がある部屋(もしくは穴を開けても良い部屋)を見つける事は困難を極めるだろう。
また、夫はハーレム持ちで有る(※2)為、一度に奉仕出来る人数が限られる事も問題だ。接触する場所を極端に少なくした事から起きた弊害である。
・しかし、こちらの姿を視認させず、心遣いも身体を動かす必要もない排泄感覚の性行為というアプローチ自体は間違っていなかったようだ。
これは実験だ、という心理的な建前もあった為か、夫は昼の間でも、私の研究所を訪れた際は積極的に私の口内を壁越しの精液便所として利用するようになった。
また、他のハーレムの者達からも、夫に明るいうちから性行為に誘われるようになった、という声が聞かれるようになった。
・療法の第一段階として、その効果は上々であったと言える。
また、お気に入りのランジェリーを着用しての交わり時に匹敵する射精量から、これから先も定期的にプレイの一環として続けてゆく事を決定した。
2.2……タケリダケ+魔界ハーブ+チャーム
王道である。衝動に身を任せさせ、それが受け入れられる経験を重ねる事で心の抵抗を取り除こうとする試みである。
しかし夫は埒外の精神力によって上記の催淫効果をある程度無効化する事が出来てしまう為、徹底に徹底を重ねる。
条件
・夫には事前に実験の内容を知らせない。
・500倍濃縮タケリダケエキスを使った料理を作り(※3)、夫に食べさせる。
・直後に夫とハーレム全員を、あらかじめサイレント・ラヴを焚いておいた寝室へと転移する。
・最後にリリムや元勇者を含むハーレム全員で一斉にテンプテーションを行う。
結果
・凄かった(※4)。
・リッチであり、経箱に魂を移している筈の私ですら、記憶が曖昧になるほど滅茶苦茶に犯された。徹底し過ぎたかもしれない。
2.3……赤ちゃんプレイ
上記2.1の実験とは逆に、性行の際の夫の装いに視覚的効果を加え、さらに性行時にお互いに役割を与える事によって、夫の甘え下手の改善を試みる。
条件
・夫に成人サイズのベビー服を着用させる。
・夫は赤子、私は母親という役割の元、性行為を行う。おしゃぶりやガラガラ、哺乳瓶等の小物の使用も視野に入れる。
・その役割上、夫には常に赤ちゃん言葉を喋ってもらう。
・夫には実験だという旨を説明し、協力して貰う。
結果
・成人サイズのベビー服を片手に持った私を見た瞬間、何かを察したような夫が全力で逃げ出した。
・そのまま半日ほど、ベビー服を着せようと追いかける私と逃げる夫の戦闘が繰り広げられた。結論から言えば、激闘の末にベビー服が夫の刀に切り捨てられてしまった為、本実験は実行できてい
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