魔王城における重要指名手配者5名

No5
・名称
卑怯王クージア=ハン(51)
amp;ルーマ(31)
・罪状
反魔物領・親魔物領を問わない略奪行為、遺跡の盗掘
違法な奴隷売買
・主な目撃情報
砂漠地帯の街道やオアシス
・特徴
クージアは砂漠地帯各地を荒らし回る盗賊団の頭領です。

最大の特徴は魔界銀制の武器を使って集落や隊商を襲撃していることであり、これは物資を根こそぎ奪った後、残った人員を奴隷として売買するべく無傷で捕縛するためです。

更に彼の傍らには伴侶のクー・シーであるルーマが常に控えており、警備が手薄な襲撃対象の選定や追っ手の探知、大規模な砂魔法を使っての撹乱を行っています。

反魔物・親魔物を問わず奴隷売買を通じて彼らと関わりのある者は多く、そのせいで彼らを捕獲するのは困難を極めています。例えば、ある反魔物国家が大規模な捜索隊を差し向けた際、彼らはある親魔物国家の高官を煽って探索隊を襲撃させ、その隙に逃げてしまいました。(ラタトスクとしてその手際に賞賛せざるを得ません)

彼らの奴隷売買を通じて伴侶を得た魔界娘も多く、重要指名手配に慎重な声もあったことは事実ですが、
彼らのせいで砂漠地帯の物流に深刻な停滞が起こっていること、
取引先に非道な人体実験を行う反魔物国家の研究施設が幾つもあったことから早急な対処が必要と判断され、重要指名手配者リストに登録されました。

No4
・名称
狂精霊学者アベル(22)
・罪状
各地の精霊魔術ギルドへの精霊爆弾テロ
擬似精霊への虐待行為
・主な目撃情報
最近ボローヴェ近郊で時折謎の爆発音が聞こえるとの情報が上がっており、付近に潜伏している可能性あり。
・特徴
彼は科学者から精霊使いに転向した異色の魔術師であり、出身地である中立国家マチェロ=イツァの精霊魔術アカデミーにおいて数百年に一人の天才と称えられていました。

しかし、自然科学の知識を活かして作成した自我を持たない擬似的な精霊を自爆特効可能な兵器として運用するアイデアを提出、それが否定されると擬似精霊を爆発させアカデミーを破壊し、そのまま姿を眩ませました。

その後、自分のアイデアの素晴らしさを実演すると称して各地の精霊魔術ギルドへ予告状を送り、然る後に疑似精霊を自爆させてのテロ行為を繰り返すようになりました。

アカデミー時代、彼は知人に対し「純精霊であれ魔精霊であれ心を持つ者を道具扱いしてはならない。だから心を持たないただの道具として疑似精霊を作った。」と語ったといいます。
自我を持たない疑似精霊にも男性を愛し男性から愛される権利があるのは明白であり、その機会を与えずただの兵器として使い潰す彼の罪は極めて重いと言えるでしょう。

なお、既に幾つかの主神国家が彼のスカウトに、更に半魔物精霊魔術ギルドが彼の殺害に動き出しているとの情報が上がっています。
一刻も早く彼の破綻した精神を正し、彼と彼の生み出す疑似精霊達を救うべく、皆様の協力をお願いします。

No3
・名称
辻斬りキヨミツ(35)
・罪状
遊廓にて人間の女性と毛女郎、更に偶然その場に居合わせた男性合わせて十数人を殺傷。
公になっていない被害者も多数居る模様。
・主な目撃情報
ジパングのヤマシロ地方の遊廓、郊外の山林
・特徴
彼はジパングの侍であり、旧魔王時代に作成されたある妖刀を所持しています。

皆様ご存知の通り、現在そのような妖刀はカースドソードとなって大半が無力化されていますが、彼の持つ妖刀には極めて強力な呪いが込められていたらしく、持ち主を操り人間・魔物を問わず殺傷する力を未だに保持しています。

妖刀はいずれ無力化されるとはいえ、それまでに発生するであろう被害は看過できるものでは無いため、重要指名手配者リストへ登録されました。
なお、妖刀だけではなく彼自身の剣術の技量も凄まじいものであるため、接触の際は十分注意が必要です。

No2
・名称
解放者グラゼーラ(16)
・罪状
エンジェル及びヴァルキリーの浄化。
ダークプリーストによる布教活動の妨害。
・主な目撃情報
反魔物国家バチカノープル各所。
護衛及び訓練役として常に複数の勇者が側に居るとの報告あり。
・特徴
彼女は主神によって見いだされた勇者の一人です。
勇者としての戦闘能力はそこまで優れているわけではないものの、彼女は蓄積された魔物の魔力を浄化する能力に長けており、完全に墜ちる前ならばエンジェル及びヴァルキリーすら元の状態まで浄化できるとの報告も上がっています。

彼女及び護衛役の勇者の手によって多数ダークプリーストが殺害されたこと、更に彼女に浄化されたある堕落直前のヴァルキリーが錯乱して伴侶の男性を殺害するという痛ましい事件が発生したことで、事態を重く見た堕落神から彼女の捕獲するための正式な協力要請が魔王様夫妻に送られました。

[3]次へ
[7]TOP
[0]投票 [*]感想
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33