海で人魚に助けられて《シー・ビショップ》

俺の名前はブルー・カラージェイ
カラージェイ家という代々冒険者の家系に生まれた男だ。俺には何人もの兄弟がいるが俺は七男だ。ちなみに歳は22。

海賊の王様に、俺はなる!…とまではいかないが、俺は海が好きだ。まだ俺がガキだった頃は絵本に描いてある海を見てひどく興奮していたものだ。冒険者になって、毎日船に乗って色んな海を冒険をするのが俺の夢だった。

大人になって冒険者になり、そこそこの腕が立つようになり、俺は夢を叶える為に船を買った。
大きくて立派な船だ。
これに乗って俺は今から世界中の海を冒険する。
準備は完璧だが俺にはひとつだけ不安な事があった。それは…

「俺は泳げない…」

別に変な木の実を食べた訳でもないのに俺は水に浮かばないのだ。船乗りとして泳げないのは致命的だが、海に落ちなければどうって事ない。
この為に俺は大金をかけて物凄く大きな船を買ったんだ。巷では俺のあまりに大きな船を見て、人々は皆、絶対に沈まない船だと言った。
完璧だ。俺は腕っぷしのいい船乗りを何人も集め船に乗り込んだ。いよいよ夢が叶うんだ…!

「しゅっぱぁつ!!」

ボー!と大きな音を立てて俺の自慢の船、『ダイナミック号』は出航した。
そして数時間後…

「キャプテン!大変です!なんか船の底に穴があいていたみたいで、間もなくこの船は沈みます!」
「なんだってえ!!?」

俺の船は呆気なく沈んでしまうみたいだ。
どうしよう、絶対沈まない船だと慢心して救命ボートとか用意していない!

「キャプテン、まだ港町まで近いんで今すぐ海に飛び込んで泳いで戻りましょう!」
「いや…あの…!俺泳げないんだけど!」
「はあ!?マジっすか!なら仕方ない、成仏してください。」
「待て待て!勝手に殺すな!あれだ、お前俺を背負って泳いでくれ!」
「嫌です!キャプテンにしがみつかれて溺れるとかシャレにならないんで!さようならキャプテン、まだ数時間しか共にしてませんでしたけどあんたは尊敬できる人でした〜。」
「ちょ…待て!なんだその棒読み!ああ!マジで待って!置いてかないで!」

ドボーン!ドボーン!と次々に俺のクルー達が海に飛び込み泳いでいく。もうかなり傾いた船に乗っているのはもはや俺だけだ。

「な…なんて冷たい奴らだ!キャプテンを置いていくだなんて…って、やばい!やばい!船!どんどん沈んでる!うわああ!」

死にたくない!夢を叶えずして死ねるかぁ!
だけどもうダメだ!沈む…死ぬ…!

「確か服を着ている状態だと沈みやすくなるんだよな?なぁ?」

俺は少しでも助かる確立を増やす為に着ている服を全部脱いだ!オークションで買った海賊っぽいキャプテンハットも迷ったけど捨てた。
そして俺は…!ダイナミック号と共に…
海に沈んだ…!

「ゴボゴボゴボゴボゴボゴボー!!」

俺は必死に手足をばたつかせたが体はどんどん沈んでいく。水の中で目を開ける事なんて出来ないし水面がどっちにあるのかも分からない。

「ゴボゴボ…!」

息が苦しくなってきた。ああ…でも大好きな海の中で死ねるんなら本望かもな…
俺の意識はそこで途切れた…




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「っか…り…」

誰かの声が聞こえた気がする…

「…っかり…しっかり…!」

誰かに抱き締められている感覚がする気がする…

「んっ!んんっ!しっかり…!んっ!私が…あんッ…今助けて…んく…!あげますから…ね!」

気持ち良い…ここが天国ってやつなのか?
俺はぼやけた意識のままゆっくりと目を開けた…

(美しい…)

俺の目に映ったのは青い髪の毛をした、それはそれは美しい女性であった。

(女神様?)
「ああっ!目を開けてくれました!良かったぁ…!」

ギューッと抱き締められた。抱き締められるなんていつぶりだろうか…凄く…心地いい…
意識が覚醒してきた俺を次に襲ったのは下半身から脳に伝わってくるとんでもない快感だった。

「ゴボッ!?」

下半身…というかちんこからだった。ちんこが何か暖かくて柔らかい、それでいてギュウギュウ締め付けてくる何かに挟まれているのだ。

「ゴゴボ!ゴボゴボ!?」
「あらら!パニックにならないで!はい、お口の中の水を吸い出しますねぇ。ん…」
「…ッ!?」

目の前の女性に唇を奪われた!

「ん…ジュルルル…ジュルジュル…」

俺の口の中に入っていた海水が吸い出される。
だんだん今の状況が分かってきたぞ!
俺はどうやらこの娘に助けられたみたいだ。それでこの娘は魔物だ。何故なら下半身が魚だから。多分マーメイドの一種。マーメイドが人間に友好的な魔物だと言うのは有名な話だ。だから助けてくれたのは分かる。
ここまでは理解出来た…だがまだ分からない事があるんだ…

何故俺のちんこは彼女の中に入っているのだ!?

ちんこで
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