「あれ……?どこだここ…!」
俺の名前はオレンジ・カラージェイ
カラージェイ家という代々冒険者の家系に生まれた男だ。俺には何人もの兄弟がいるが俺は三十一男。ちなみに16歳だ。
「ここはどこだよー!?」
今日は俺の誕生日、カラージェイ家の人間は16歳になったら一人前の男子と認められ、冒険者として家を出る。
俺は今日という日を楽しみにしていた。16歳になって冒険者になったら、色んな場所にいって、色んな景色を見て、世界中を旅するのだと。
そしてさあ旅立ちの日だと家の敷地から一歩外に踏み出したその瞬間!
景色がいきなり変わったのだ。
空には動物やお菓子の形をした不思議な雲が浮かび、広い草原にはまるで子供がクレヨンで落書きしたかのような建造物があちこちに立っている。
後ろを振り返ってみると我が家はすでに無く同じような景色が広がっていた。
「マッジでどこだここー!」
夢かと思ってほっぺをつねってみたが普通に痛かった。
知らない世界をたくさん冒険してみたいとは考えてたけどいきなりこんな訳の分からない世界にほうり出さないで欲しい。
難易度ベリーハードだ。
俺はとりあえず宛もなくさ迷ってみる事にした。
「うわぁ…見れば見るほど奇妙な世界だな〜」
まるでおもちゃ箱をひっくり返したような世界だ。
いや、この和やかな雰囲気で油断を誘い、実はもの凄く恐ろしい場所なのかもしれない。気を引き閉めないと!
俺は歩きながら現在の装備を確認した。
銅で出来た剣。お鍋のフタっぽい盾。一週間分の食料や回復薬が詰まったリュックサック。
うん、心許ない装備。心配だ。
早いところ人が住んでる場所を探したい。
そうやってしばらく歩いていると……
「あーーーー!!」
「!?」
空から馬鹿でかいソプラノボイスが俺の耳を直撃した。
すげぇうるさい声。
「いたー!いたー!人間!人間さんーだー!」
俺の真上で何かが騒いでいる。
何だと思い、バッと上を向いてみると何かが高速でこっちに向かって飛んでくる……いや!これ落ちてる!何かが俺に向かって超高速で落ちて来てる!ちょ…待て待て待てって!危ない!うおおお!?
俺は思わず盾を頭上に抱えてしゃがみこんだ。
「うぎゃあんッ!!?」
ガッツーン!!といった衝撃と共に盾にぶつかった何かが絶叫をあげながら草原にドテェェと転がった。うわすげぇ…衝撃で盾がへこんだよ。よっぽど勢いよくぶつかったんだな。
衝撃が強すぎて俺の膝もビリビリしてるわ。
「一体何がぶつかってきたんだ?」
「キュ〜…」
盾に強くぶつかってきた“ソレ”はビクビクしながら倒れていた。
……てかこれ…もしかして魔物?
ぶつかってきた“ソレ”は手にはピンク色の大きな羽が生えていた。そして足の先は鳥みたいな爪になっている。
うつ伏せで倒れているので顔は見えないけど間違いなく人間ではないよな。
……鳥型の魔物の名前は何だったかな?兄ちゃん達が言っていたのは確か…ハーピー…だったかな?
「おーい、ハーピー(仮)大丈夫か?」
「キュ〜…」
お父さんには魔物は悪だ!見つけたら直ちにぶち殺せ!って言われてたんだけど…流石にこれは可哀想だ。
俺はとりあえずハーピー(仮)を仰向けになるように転がした。
「よいしょ…うわっ…!?」
「う〜ん…」
仰向けにした事でハーピー(仮)の全身があらわになる。
……何て言うか、凄くかわいい。そしておっぱいが凄く大きい。たしかハーピー属は基本的におっぱいが小さい魔物だっておっぱいが大好きなホワイト兄さんが言ってたんだけど……なんでこんなに大きいの?
おっぱいはこんなに大きいにもかかわらず、身長は小さめだ。
比較的小柄な身長の俺よりもさらに小さい。おっぱいは大きいのに……
……そしてこいつ、何でこんな露出度が高い格好をしてるんだ?
大きな胸は先っぽがぎりぎり見えない程度。しかもその胸はまるで見てもらいたいのか強調するようにぐるっと一周リボンが巻き縛られている。
スカートもはいてなく、はいてるのは小さなパンツだけ…って!パンツから太ももに向かって汁?みたいのが大量に伝ってるんだけど何だこれ!?……もしかしてぶつかった拍子にお漏らしでもしたのかな?
「う〜ん…痛いよー…」
ハーピー(仮)は頭に大きなタンコブを作ってうんうん唸ってる。
なんにせよこのまま放っておく訳にはいかないよなぁ…
「えっと、たしか回復薬があったはず……」
俺はリュックの中から父さんにもしもの時に使えと貰った回復薬を取りだし、ハーピー(仮)の口に流し込んだ。
「ほら、薬だよ。飲みな〜」
「う〜ん…薬…?苦いよ〜……」
「苦くても飲め!回復薬だ。」
「うぅ〜ん……」
ハーピー(仮)は回復薬をくぴくぴと飲んでいく。
まるで赤ん坊だな。
それから数十分
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