エッチがこんなにイイなんて《マンティス》

俺の名前はビリジアン・カラージェイ
カラージェイ家という代々冒険者の家系に生まれた男だ。俺には何人もの兄弟がいるが俺は二十三男だ。ちなみに歳は18。

「うわあああっ!!」
「ブオォォォォオオ!!」

薄暗い森の中…俺は巨大な豚っぽい動物に追いかけられていた。巨大な体に大きな牙。そしておっかないあの顔…
どう見てもお友達になれそうにない見た目をしている。巨大な豚っぽい動物はドスドスと大地を揺らしながら俺を追いかけてくる。

「だ…誰か!助けて!」

ズバッ

「…え?」
「ブオオォォ…!」

もうダメだと思ったその瞬間…俺の目の前で巨大な豚っぽい動物が倒れた。
その体は綺麗に真っ二つになっている。

「ひ…ひいいい!?」

俺は一瞬で真っ二つになった豚っぽい動物を見て腰を抜かした。
そしてよく見ると豚っぽい動物の前に誰かが立っているのが見えた…一体いつの間に?
全身緑色の鎧っぽい体で、その腕には切れ味の良さそうな刃物がついてて…頭には触角がついている。こいつは…まさか…!

「魔物だあああ!!」
「……ん?」

俺が大声を出した事で豚を切り裂いたこの魔物に見つかってしまった。
馬鹿か俺は!
…ヤバイ!襲われる…!
だが魔物は一瞬俺に視線を合わせた後すぐに豚の方に向き直りその腕についている刃物…鎌だな。それで一瞬のうちに豚をブロック状に切り刻み、そしてその肉のかたまりを持って魔物は森の奥へと消えていってしまった。

「はあ…びっくりした…」

正直もうダメかと思った。あの鎌で俺もさっきの豚みたいに切り刻まれるかと…
しかしあの魔物、俺の事なんてまるで視界に入らなかったかのように豚だけを持って帰ったな。
結果的に助けてもらえたのかな?
俺は冒険者。今日はこの森の中に冒険に来ていた。そしてさっきのあの豚の化け物。ヤツに襲われたんだ。んで、なんとか逃げてたらさっきの寸劇、真っ二つだ。

「あの魔物…俺を助けてくれたのか?いや…豚の肉が欲しかっただけか。」

どっちにしろもう帰ろう。触らぬ神に祟りなしだ。それに森は暗くなったら一気に危険度が増す。
暗くなる前に帰らねば。



そして
森は暗くなった。

「迷子になっちゃった…」

やっぱ慣れない森なんかに入るんじゃなかった…
まわりは木…木…木…
森だもの当たり前だ。

「どうしよう…お腹もすいた…喉もかわいた…」

しばらく歩き続けると川に出た。

「うお!やったぁ!」

俺は一目散に川の中へと顔をつけると川の水を勢いよくゴクゴクと飲みまくった。

「う…うめぇ!」

何時間かぶりに飲んだ水は最高だった。
それにきっとこの川を下っていけば森を抜けられるだろう。

「ん?」

川の上流の方に誰かいる…
誰かと思い見てみればさっきの鎌を付けた魔物だった。しかも…!

「う…うわわっ!?おっぱ…!おまん…!」

彼女は裸だった。素っ裸で川の中に入り水浴びをしていたのだ。さきほどの鎧っぽい体ではなく綺麗な肌色をしている。やはりさっきのはただの鎧だったのか?あ…でも腕の鎌はそのままだ…

「ん…」

うわ!しかも彼女、川の上でチョロチョロとおしっこしてる!?俺今その水飲んじゃったんですけどっ!!
しかし触らぬ神に祟りなし。裸を覗いた事がばれて逆鱗に触れてしまっては怖い。あの鎌で斬られちゃう。
俺はソ〜っとその場をはなれた。

朝になり、俺は無事に森を出る事ができた。
そしてたどり着いたのはとある村。よし、しばらくこの村を拠点にしますか。とりあえず俺は宿屋に泊まり体を休める事にした。



それから何日かたって。
俺は森で迷子になった事も忘れ、今日も村の子供達に剣の使い方を教えていた。すると…

「魔物だー!魔物が出たぞー!」

村人のAさんの叫び声が聞こえた。魔物だって?
俺はすぐさま叫び声が聞こえた方へと駆け出した。

「大丈夫ですか!?」
「あ!ビリジアンさん。ま…魔物が!」
「出たな魔物め!って、え?き…君は…」
「ん…?」

村人Aさんの前に立っていたのは先日俺が見かけた魔物だった。相変わらず手には鋭そうな鎌が…

「男…一人貰う…」
「ひぃぃ…!」

魔物はAさんの襟首を掴むとグイッと持ち上げた。
Aさんよりこの魔物の方が身長は低いがAさんは腰が抜けたのか宙ぶらりんだ。

「び…ビリジアンさん!助けてぇ!」

Aさんの悲痛な叫びに俺は前に出た。だけど助けてって言ってもこの魔物俺より絶対強いし…
でもAさんを見殺しにする訳にはいかない。
魔物は男が必要とか言ってたな。くそ、こうなったら…!

「お…男が必要なら俺を連れていけ!」
「ビリジアンさん!」
「鎌の魔物!Aさんの代わりに、俺を連れていけ!」
「ん…?私は別にどっちでもいい…でも確かに貴方の方が良い男みたいね。」

魔物はAさ
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