魔物娘お悩み相談室


担当−サテュロス

君の担当になったサテュロスだ。よろしくどうぞ。で……どうしたんだい? そんな疲れた表情をして。


え? 「悩み相談しに来たんだから疲れてるのは当たり前だ」って?
……ふふっ確かにそうだな。でも疲れているならスーツなんかで来ないでラフな格好で着てくれてかまわないぞ?


なるほど。仕事の帰りにそのまま来たのか。
……それでどんな悩みがあるんだい?


ふむ、その仕事についてストレスが溜まっているのか。ならばいい薬があるぞ。
……そう、これだ。


「これはワインじゃないか」って? ふふっ、ご名答その通りだよ。


……お酒は薬じゃないだろって顔してるね。まぁ騙されたと思って飲もうじゃないか。


ん? 私も飲むのかって? 当然じゃないか君だけ飲んで私だけ飲まないなんてこと出来るわけないだろう?


……勤務中? いやこれも仕事の一環だよ。一緒に飲んで君はなんでも話せばいい、話すだけで楽になることもあるもんだよ?


……まだしっくり来ていなさそうだね……まぁいいから飲もうじゃないか見た限り君は飲める口だろう? なぁに他の人も今はあんまりいないんだ、じっくりゆっくり話そうじゃないか。




――――よしよし。予想以上に溜まっていたみたいだな。男でも泣くのも悪いことじゃないぞ、泣いたらつらいことも一緒に流れるさ。


時間?あぁ。気にすることはないさ。ここには案外担当する者が多いもんでね、君一人とじっくり話していても問題ないんだよ。


……え、「流石に帰る?」……そうか
――唐突だが、君には恋人はいるかい?いないかい?


そうか!いないのか!……いや、とり乱してすまない。
なら、今日は私の家にこないか? おいしいワインはまだまだあるぞ?
それに帰っても独りなんだろう?


……いや、悪いなんてことないぞ? むしろ大歓迎なんだが、何か他に用事があるかな?


え? また愚痴ってしまうって?
ふふっ、私も最初、君はただ愚痴を言いに来たのかと思ったぞ? でも君の言ってることは至極全うなことだ、君の言ってることに間違いはないと言って良いと思う。
それになにより……君はとても頑張っているようだからな、そんな頑張っている人間を責める方が悪いと私は思うが。


……よしよし、まだまだ溜まっているようだな。ほら、続きは私の家に着いてから話そうじゃないか。たくさん飲んで、たくさん話して、たくさん泣いて、たくさんセ、ごほん、まぁスッキリしようじゃないか。


……仕事? ははっ、これで上がりだよ、言っただろうここには結構人がいるんだ、それに、君の心が癒えるまでついてあげなければならないからな。


……さ、立てるかい? 私の家はここから近いんだ、ほら、早く帰ろうじゃないか。



担当−ウシオニ


お、随分とお若いお客さんだねぇ、どうしたんだい坊や?ふふっ。


……え?「坊やじゃない成人してる」って? ……ふふっ、そーかそーかごめんなぁ? あまりに見た目が若そうに見えてなぁ。まぁあたしから言わせたら皆坊やなんだがねぇ?


あはは、そんな顔するなよ。まぁまぁ、落ち着いてさ? あ、お前の担当になったウシオニだよろしくな。
……それでどんなことで悩んでるんだい?


えぇ? 人と話すのが恐いって?
ふふっ……あっはっはっはっは! いやぁごめんなぁ? 人と話すのが恐くてあたしと話すのは恐くないってかい! 傑作だなこりゃ! あっはっは!


そんなに笑うなって? あっはっはっは! だってさ、人間は恐くて言うのに、あたしには「坊やじゃない」って初対面でぶつかってくるんだぞ?そんなやついないぜ! ふふっ、気に入ったぜお前!


ほらほら! またそんな顔するなよ? な? ちゃんと聞くからよ。……そんで人と話すのが恐いってか、到底そんな風にはみえないけどなぁ。


あぁ、なるほど。嫌われるのが恐いってことか。まぁそりゃ難しいことだなぁ。皆に好かれるってのは無理だろうしそれを維持するのは大変なことだろうしなぁ?


……『頭ではわかってる』ってか、ま、そうだわなぁ。うーむ。
――あたしの話して悪いけどさ、ほらあたしはこんな見た目だろう? それだから嫌われるのが日常茶飯事なんだよ、だからこそお前みたいに普通に接してくれるヤツがいると…嬉しくてな。そう言うヤツもいるんだってな。だからよ。お前のこと嫌いなヤツもいるかもしれないが、お前のこと好きなヤツもたくさんいると思うぜ?


『嫌われるような見た目してない』って? ふふっありがとな。そこのフォローはいいんだぜ? お前が気を遣う必要なんてないぞ? お前が相談に来たんだからよ。


……び、美人だって? ははっ、なにみていってるだよ。な、なんだよ調子狂うな……


……な、なぁ提案なんだが

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