使い魔に使われて

だぁれもいない草原
空にはまん丸お月様がこっちを見てる
本当はお兄ちゃんからはなれたくないんだけど、今日はとくべつな『お話』があるからここまで来たの
ちょっとおうちの周りじゃ出来ないような、大切な『お話』なの
ふふっ♪
早くお兄ちゃん来ないかなぁ

「ミィ、お兄ちゃんではなくマスターと呼べ、と言ったのを忘れたのか?」

あっ!お兄ちゃんだぁ!!
おーーい!
こっちこっち♪

「こんな所にわざわざ呼び出してどうするつもりだ?
ピクニックなら今度の週末に行ってやるって約束だったが
どうせお腹空かしてるんだろ
さぁ、美味しい料理でも食いに行って家に帰るぞ」

う〜ん
ミィもお腹ペコペコだなぁ
でもぉ、ミィはおいしい料理よりも、お兄ちゃんを食べたいなぁ♪

「エッチは前にしただろ?」

でもぉ〜っ
契約上でのエッチなんかじゃイヤっ!!
ミィはお兄ちゃんのお嫁さんとして、毎日でもエッチしたいの!
それにね、上のお口だけじゃなくてね、下のお口にも欲しいなぁって

「はぁ・・・
俺はミィに厳しくし過ぎたのか?
それとも甘やかしすぎたのか?
確かに最近は仕事で忙しかったから、少しは寂しい想いをさせてたかもしれないが・・・
・・・うん、そうだな
ミィの気持ちはよく分かった
だから晩ごはんを食べながらでも話をしよう
だから、さぁ・・・ほら」

ぅう、お兄ちゃんが優しそうに手をこちらに差し出してる・・・
本当だったら両手をぎゅってしてもらってお兄ちゃんに抱きついて帰っちゃうところだけど、ここはグッと我慢しなきゃっ!!
そのために今まで頑張ってきたんだもんっ!
今グッと我慢すれば、あの手だけじゃなくてお兄ちゃんが手に入るんだから

「ほら、ミィ?
早くしないと置いてくぞ」

あ、待って、お兄ちゃん!
あの手紙に書いてあった事、覚えてるよね?
『お話』しようって?

「あぁ、ちゃんと覚えてるよ
だけど、こんな所でこんな時間でお話しなくても良いんじゃないか?
綺麗なお店でゆったり座ってお話したほうが楽しいぞ?」

違うの、お兄ちゃん!
お話じゃないの、『お話』がしたいの!

「あぁ、分かってるって
お話、だよな?」

そうだよ・・・ミィはね
お 兄 ち ゃ ん と『お は な し』 が し た い な ぁ

「ミィ?
・・・どうした?」

今までずっと少しずつ貯めてきた魔力をいっぺんに引き出していく
っ!?
これっ・・・す、スゴい・・・な、なにこれぇ・・・!?
ふぁっ・・・ぁ・・えはっ・・・あっ・・・はぁっ・・・はぁぁぁぁ!
体中が、すっごく気持ちよくなって・・・体中が・・・あ、ふぁぁあああ
!!!

「ミィ!?
・・・んなっ!?
魔力が暴走したのか?」

はっ・・・ぁあ・・・んっ・・・あふぅ・・・
はぁ、はぁ・・・お兄・・・ちゃん、ミィね・・・アークインプにね・・・なっちゃったんだよ?
それでね・・・今、すっごくえっちな気分なの
ねぇ、お兄ちゃん・・・こっちに来て・・・『お話』・・・しよう?

「っな!?(クラッ
足が勝手に・・・ミィの方に、ふら・・・付く?
魅惑の魔法・・・クソッ!
『我、シュタイン・アンデルセンの名の下に使い魔ミィとの契約・第3条・第2項、緊急時における使い魔の一時的物理的拘束・能力および魔力の封印を施行する!!』」

キャッ!
な、なにこれぇ、クサリがからまって・・・うごけな・・・ふぁっ!?そ、そんなところに・・・まき付いちゃ・・・ふぁぁああああっ!!

「すまんな、ミィ
だがこれも良い機会だ、ゆっくり頭を冷やすといい
契約主も魔族と契約する以上、これくらいの護身法が無ければ・・・ん?」

ん、むぐぐぐぅ、うみぁぁぁぁあぁぁあああああっ!!
ミシ・・・ミシ・・・バチィッ!!!
バラバラバラ・・・・

「な ん・・・だ とっ!?
契約の鎖がっ・・・砕け散った!?」

エヘヘへ〜〜♪
きっとミィのお兄ちゃんへの想いが通じたんだねっ!!
さぁ・・・お兄ちゃん・・・こっちに、来て?
ミィ、もうここがこんなにグチャグチャなんだよ?
ほら・・・グッチャグチャなのが良く見えるでしょ?
ココでお兄ちゃんをすっごくキモチよくシてあげるからさぁ・・・

「マズイな・・・俺の体もそろそろミィの放つ魔力に当てられかけてる
いや・・・ここは一かバチかだっ!!
『我、シュタイン・アンデルセンの名の下に使い魔ミィとの契約の解除を宣言する!!』」

ダ〜メッ♪
ミィから逃げようだなんて、そんなことさせないよ?
もし逃げたとしても、ミィが絶対に探し出してあげる
だって、ミィはお兄ちゃんの使い魔だもん♪
どこにいたって、ケーヤクのお陰ですぐ分かっちゃうよ?

それでね、もしお兄ちゃんが見つかったら・・・そしたら・・・ウフフッ♪

「契約解除すら拒否された!?
嘘だろ
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