「あ、ごめんねまたせちゃって・・・」
「ん、いやまあ、大丈夫だけどよ・・・」
誰にだって、忘れたい過去がある。
例えば、中学生の時に自分は世界を救うヒーローだと思い込むこととか。
例えば、好きなあの子のパンツを持って帰ってしまったりとか。
「で、話ってなんだよ」
「あっ、・・・うん、あー・・・、あのね・・・びっくりしないで聞いてくれるかな・・・。」
「おっ、おう・・・」
とりあえず、きりが無いわけだが・・・。
自分のは、特にたち悪いと思う・・・。
「あのね・・・僕ね・・・君が好きなんだ・・・」
あれは、忘れもしない中学三年の秋。
俺は男に告られた・・・。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!俺はノンケだああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「うっせぇぞ尾田ぁぁぁぁ!!!」
スコーンと、景気のよい音と共に、眉間にチョークが着弾した。
本当に着弾と表現したほうが分かりやすい、剛速球を当てた数学教師の高橋
(通称高やん)は鬼も逃げ出すような表情で、ゆっくりと近づいてきた。
「おだちゃあぁん、きいぃみは、なんなのかなぁぁ??、また俺の授業を、ぶち壊しにしたいのかなぁ??」
「はっ、はいいいぃぃぃぃぃ!!」
青筋が二本立ってる上に、その青筋が破裂しそうになっている。
同時にごきごきと、指を鳴らす。
ブチギレているのがよくわかる。
「あっ、あーえとその・・・、ごめんなさい!!」
「次やったら、どうなるかは、わかってるなぁ?」
「りょっ、了解!!」
「よろしい、なら座れ!!」
「イエッサー!!」
周りからは、クスクスとこらえ笑いがおきていて。
それと同時に、非常に木っ端恥ずかしい気分になって、一人真っ赤になっていた。
まったく、ひどい夢を見たものだ・・・。と尾田 健介は思った。
ことの元凶は、中学三年の秋。
親友だった、四之宮 景に告白されたことだ。
朝登校してみると、下駄箱に見慣れぬ便箋、封を切ると、体育倉庫で待つとだけ書かれていた。
そして差出人には、四之宮とだけ書かれていて、びっくりしたものだ。
行くか行かないかと、うだうだ考えていると、いつの間にか放課後になっていた。
仕方が無いので、覚悟を決め、いざ行ってみると・・・。
お互い受験生という立場で、何でこのタイミングでと言うこともあり一番印象に残り、一生ものの心の傷になったわけだが・・・。
「はぁぁぁぁぁぁぁっ」
いまさらになって、記憶のかなたに置き去りにしてきたはずの恥ずかしい記憶が、何故だか今になりぱっくり開いたわけで・・・。
とにかく、ため息しか漏れないのだ。
(よりによって、何で今更・・・・)
とにかく毎日毎日、この悪夢が襲い掛かってくるわけで、うかうか寝られない
というわけで、夜更かししてすごすわけだが、やはり昼間の授業で、力尽きて、また悪夢を見る。教師に(特に高やんに)怒られる。
以下エンドレス。
(・・・無限ループって怖くね?)
高校生の体力だからまだなんとなく大丈夫だが、マジで、洒落に何なくなってきているので、そろそろ病院でも行くかと思っている。
(・・・、四之宮か・・・)
告白事件があってから、なんだかんだで口を利かなくなった。
高校は同じ心神学園だけれども、クラスが違うため滅多に会うことが無い。
つまり、あれが最後の会話だったわけだ・・・。
(おおう、・・・何と言うか・・・嫌な分かれ方だな・・・)
別に別れちゃいないが・・・、そういえば、全然逢っていない。
行こうと思えば、いける距離、しかし相手は・・・
(・・・でもまぁ・・・まぁたしかに、可愛いと言う部類は、入っていたよな・・・。)
元が中性的な外見のため、よく女と間違われていたためか。
遊びで他の町に行くと、よくカップルと誤解されていた。
そのときの四之宮は、やけに嬉しがっていたが・・・。
(・・・あれ?、そういや俺って、何て返事したんだっけ?)
そういえばなんて答えたか、なんて思い出せなかった。
何せ、状況が状況だったので・・・。
そんなことを考えていると、授業終了のチャイムがなった。
「しっかし、おまえも不運だよなぁ!!」
「ほっとけ!!」
昼休み、学生たちでごった返す食堂と言う名の戦場で、戦利品であるカツ丼定食をたべながら、健介は向かい側で、そば定食を頼んだ鎌田 樹に絡まれていた。
「毎度毎度、あの調子で騒いでいたら、その内高やんに取り殺されるんじゃねぇか!?」
「そうならないことを切に願うよ・・・。」
いつものように、悪夢にうなされ、飛び起きて叫ぶようなことをつづけているもんで、何時しか、クラスの名物のようになっていた。
そんなわけで、事の顛末みんな知っている、と言うか吐
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