とおいとおい昔の記憶。
「ねぇ・・・にーちゃん」
「ん?、なんだ?・・・」
珍しくその子がいっしょに、寝たいなんて言うから。
いっしょの布団にくるまった。
そうしたら、何だか泣きそうな顔をして見つめてくるのだ・・・。
「あした、かえっちゃうんだよね・・・」
「うん・・・・、もう、おやすみがおわるからな・・・」
「もう、ここにはこないの?」
そう、うるんだ瞳で聞き返す少女。だから、思わずいってしまった。
「だいじょうぶ!!おとなになったら、かならずきてやるからな!!そうして、おまえをおよめさんにする!」
「ほんとうに?、ほんとうに○○○をおよめさんにしてくれるの?」
本当は泣いて欲しくなかっから、そしてちょっと背伸びしてみたかったから・・・。背伸びしてこいつに格好つけて、安心させたかった・・・だから・・・。
「うん、おれは、おまえをおよめさんにする!!!、ぜったいに!!!」
そう言ったんだ・・・。
「OH、ジーザス・・・」
何だろう、すごく恥ずかしい・・・。
あれだ、中学の頃の黒歴史を、何かの途端に見たり、聞いたりするのと同レベルの恥ずかしさだわさ。
もう、なんか、穴があったら入りたい、そんな気分。
「・・・・。てか、何ぞ今更、あんな夢・・・。」
心当たりは、ある。と言うか、それしか検討が付かないんだがな・・・。
(心神町か・・・。)
心に神様がいると書いて、心神町。
人口は一万人程度、主な特産物はトマトといちご。
住宅よりも、農地面積の方が広いという何というか、絵に描いたような田舎だ。
電車は通ってないので行くとしたら駅から出ているバスか、自家用車のみ。
とてもじゃないが、住むにはちょっと不便すぎる。
でも、嫌いじゃなかった。
美しい山があって、人情にあふれてて。あと、水道水がびっくりするほどうまい。
そんなのどかな町。
初めて、来たのは小学生くらいだった。・・・と思う。
いかんせん、本当に昔のことだから色々と曖昧だ。
でも、しっかり覚えてるもの、それは・・・。
「って、このままいったら堂々巡りじゃねえか・・・」
と言うか、何でこんなことしか覚えてないんだ俺・・・。
そうやっていたら、いつの間にか、見覚えのある風景が見えたので、バスを降りた。
「うん、やっぱ田舎だわ。」
はしり去っていくバスをの音を聞きながら、そう呟いてしまう。
こっから、先はバスが折り返すので、歩きになるのだが。
「五キロとか、ないわぁ・・・。」
親せきの家まで、そのくらいの距離なるわけだが・・・。
うーんどうしたものかね・・・。
「・・・まぁ、行くっきゃないわけで・・・。」
とにかく、スポーツバックを肩にかけ、歩きだした。
青々あと茂る若い苗が、水を引いた水田に、均一に植えてある様はいつ見ても美しい。
その風景が一面に広がる中、農道を歩くのは田舎ならでわの、醍醐味と言えよう。
と、遠くから、エンジン音が聞こえる、見ると軽トラがこちらに向かってはしってくる。
特に珍しくもないが、なんとなくその車を見てしまった、ドキッとした。
長細い切れ目、短い白髪。透き通るような白肌。
おおよそ、ほとんどの人が見たら美人と言うだろう、そんな女性が運転席にいた。
(大和撫子とでも言うのか?)
たぶん違うが、軽トラが通り過ぎて行くまで、彼はずっと見とれてしまってい
た。
「あら〜、いらっしゃい〜」
大和撫子を見た後は、特に何もなく、気が付けば親せきの家の前にいた。
のんびりとした口調で、出迎えたのは、父方の祖母だ。
「おばぁちゃんも、お変わりなく・・・。」
いや、変わる筈がないよな〜と、彼女を見てしまう。
ぴょこぴょこと動く頭についている耳。
七本あると言うもさもさの尻尾。
祖母は、稲荷と言われる魔物なのだ。
彼女たちは、我々人間より(個体差があるが)寿命が長い。
その上ある程度成長すれば、そこで成長を止めるので老いることがなく、いつまでも美しいままなのだ。
(たしか、俺が子供の時に、三ケタだったような・・・)
今、何歳だ?
「チラッと失礼なこと考えましたね〜」
とさりげない殺気を、乗せた笑顔を向けたので、
すかさず、フォローする
「いっ、いえ!!、あのっ、お美しいままで何よりです!!」
「あら〜、今時そんなこと言ってくれるのは、あなたくらいですよ〜」
と、にこやかに笑う祖母。やべぇ・・・、タマとられるかとひやひやした。
「昔は、あの人もね〜かわいい、かわいいって、めでてくれたんですけどね〜」
と、祖父の愚痴が始まる始末。やばいこのペースで喋らしたら日が暮れる。
「でもね〜まだまだ、お布団の上ではやさしいんですよ〜」
と、思ったら、のろけだった。ごちそうさまです。
「でね〜、・・・あら〜?」
もうどうにでもな〜れと思った時だった。
不意に、祖母の言葉
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