負傷者
9名中2名(軽傷)
死亡者
なし
任務内容
不穏分子の捕縛
捕縛人数
15+30
合計45名
追記事項
首謀者と思われる壮年の男性の存在。おそらく中央教会の人間である可能性が高い。
下記との交戦によって戦士が疲弊しきってしまい男の捕縛は失敗。
身体を炎そのものに変換可能な人間を確認。上記の男の発言に「研究結果」「実戦データ」とのことから、教会で作成された新型兵器の類と思われる。
村の人間への被害は若干の家屋などの倒壊があったが、大きな被害はなし。
「ふふ、しっかり出来てるじゃないか」
帰還した後輩が提出したミッションレポートを眺めながら、僕は誰に言うでもなく独りごちた。
レポート内容は簡潔にまとめられ、被害の方も最小限といったところだ。
実力自体はないわけではないのだ。ただ、彼は謙虚すぎる。故に他者を立ててばかりで自らを推そうとしないのが問題だ。
彼の成長を願って任務を丸投げしてみたけど、なかなかいい方向に転んだみたいだ。僕も良いリフレッシュが出来たし。
「随分と機嫌が良さそうだな?」
廊下を歩いていると、不意にすれ違った男から話し掛けられた。振り向いて見えたのは後ろ姿だけだが、それだけでも誰かを特定するには十分すぎた。
背中当たりまでの長い赤髪。
その背中でX字になるようにして背負われている双剣。
「これはこれは。第一部隊長じゃないですか」
戦士団の中でも最も隊員が多く、戦闘力も最も高いといわれている第一部隊、その隊長だった。
冷静沈着。受けた任務は100%こなす。戦士団の中でも最強の男と呼ばれ、双剣を携えて獲物を確実に仕留める姿から「紅き獣王」の異名を持つ凄腕の剣士だ。
「お前の鼻につく態度は相変わらずだな」
常人ならば嫌味にしかならないが、彼が発すると嫌味ではなく嫌悪感からくる見下しだ。
あっちはどうも僕をよく思っていないようで、彼からはこのようによく突っ掛かられる。
尤も、あちら側としては忠告のつもりなのだろうが。
「自分の任務をほったらかして遊び歩くとは、お前はそれでも隊長の自覚を持っているのか?」
「そっちは隊長自ら前線に出る方針みたいだけど、こっちは後進の育成をメインに据えてるんだよ」
「部下に任務を押し付けるのが育成だと?」
「僕には僕なりの考えがあってのことだよ」
そこでふん、と一息ついて話を切る。そして顔だけをこちらに向け、
「やはりお前は気に入らん」
それだけを言うと、彼は歩みを進めていった。
「別に気に入られようとは思っていないさ」
あいつが姿を消してからぽつりと言う。
僕はただ自分の方針を貫く、それだけだ。
(さて、今度レックに飯でも奢ってやるか)
すっと思考を切り替え、可愛い後輩のことを思いながら、僕も仕事に戻るのだった。
[5]
戻る
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想[#]
メール登録