「村の方々の安全を考慮し、賊から村を防衛します。隊を4つに分け、内3隊は村の防衛、残り1隊は賊のアジトと思われる岩山の麓へ向かい首謀者を叩きます。よろしいですね?」
一晩かけて編み出した結論。誇りある戦士団として人々を守る。それを俺は決断した。
「・・・了解した」
「それが決定ならば従いますわ」
「異論はない」
「へへ、腕がなるぜ」
「任せてください!」
「我等に」
「任せて」
「おけ」
皆は口々に了承の意を示してくれた。俺を信用してのことなのだろう。ならば俺もその思いに応えなければならない。無論、最初からそのつもりだ。
「防衛チームはバルニさんとリエンのAチーム、ゴルドさんシルバさんブロンさん達でBチーム、レオルナさんとシェイラさんのCチームとします。それぞれ村の北側・南西・南東エリアを担当をお願いします。俺とクレアさんは首謀者の確保に出撃します」
各々の特長、相性を考えて導き出した組み合わせだ。最善なのかどうかは分からないが、後は皆がなんとかしてくれるはず。俺はそれを信じた。
「最後に皆さん、かならず生きて帰りましょう!散開!」
「せいっ!」
向かってきた男を斬撃と蹴りを織り交ぜて繰り出し迎撃する。
賊はまだ数人程残っている。彼らは俺をターゲットにしたようで、一斉にこちらへ向かってきた。だが、群がっているのならばこちらとしても狙いやすい。俺はシールドエッジに魔力を込めた。
「・・・!サンダーホイール!」
そして地を這わせるようにして武器を投げる。俺の手を離れたシールドエッジは電撃を纏い、鼠のようなすばしっこさで賊達を弾き飛ばした。彼らは大きく吹っ飛び、地に落ちて痙攣したあと、そのまま動かなくなった。傷は浅くはないだろうが、死んではいないはずだ。だが、しばらく足止めさせるには十分過ぎるだろう。
「レック!無事か?」
森の奥からクレアさんが馬の体を駆りながら戻ってきた。村を襲撃するであろう賊達に鉢合わせしてしまったため、追われる羽目になった。数が多かったので二手に別れて相手をしていたのだ。
「大丈夫です。今片付きました」
そうか、と短く答えると目的地の方角へと歩きだした。
すこし行くと岩山の麓に着いた。すぐ近くに洞窟があった。恐らくはそこがアジトなのだろう。俺はクレアさんと共に洞窟内へと乗り込んでいった。
「おや?見慣れない方々ですね」
洞窟の奥は円形の大きな空間となっていた。そして、そこには白いローブに白髪の壮年の男がいた。
「私達はグランバートル戦士団の者だ」
「今、村を賊が襲撃しているのです。その指揮官を捜索しているんですが何か存じませんか?」
俺のその問いに男は笑顔を浮かべるだけだ。だがその笑顔は隊長みたいな、さわやかな笑顔じゃない。張り付いているような不自然な、まるで仮面のような笑顔だった。
「そうかそうか。戦士団の方々か」
笑顔を浮かべたまま、穏やかに笑った。
「ならば、私の敵だ」
突然声色を変えると、男は俺に向けて火球を放った。不意打ちされるかもしれないと予想は出来ていたので、ガードは十分間に合った。
「出なさい。09(ゼロナイン)」
その声に応えるように、男の傍らに火柱が上がった。それは徐々に小さくなり、人型の輪郭を形作っていく。そしてそれは、赤髪の少年へと姿を変えた。その目は血走っており、小さく唸り声をあげている。その様子はさながら獣のようだ。
「人間・・・なのか・・・?」
クレアさんがぽつりと漏らした。俺はというと、あれについてなにかが引っ掛かっていた。
「行きなさい09」
「うがあああああああ!!!」
大きく咆哮すると09(便宜上こう呼ぶ)が炎を纏い、凄まじい速さで俺達に突進してきた。クレアさんはサイドステップで上手くかわしていたが、俺は怯んでしまいまともに食らってしまった。
「かっ・・・はっ・・・」
受け身も取れずに洞窟の壁に激しく打ち付けられた。肺の中の酸素が一気に押し出されたようだった。背中に響く激痛は、俺がまだ生きていることを報告してくれているが、その痛みゆえに気を失いそうだ。
「ぐうあうああ!!」
09が俺に第二撃を食らわそうとしている。
まずい。
このままではもろに貰ってしまう。次もあんなのを食らえば間違いなく、致命傷になってしまう。にもかかわらず、俺の身体は殆ど動くことが出来ない。先程の一発が思っているよりこたえてしまっているようだ。
そんな俺の様子を鋭敏に察知しているのか、09は躊躇いもせずに突進を繰り出した。
「せやっ!」バチン!
弾かれる音がしたあと、不意に何かが俺の肩を掴んで、乱暴に立たせられた。足はふらつき、背中は激しく痛み、状態としては決して良いとは程遠いが、一旦
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