「うう〜体が渇く〜」
ここは砂漠の中に眠る遺跡内部の一室、
アヌビス様が率いるマミーの一員であるあたしは、
今日も誰も来ないこの部屋でひたすら体を蝕む渇きに呻いていた。
精の不足によるこの渇きはいくら水を飲もうとも、
たとえ全身に水を浴びようとも解消されることはない。
「早く〜、男の人が来てくれないかな〜」
遺跡を守るための兵士が侵入者を待ちわびていると言うのも変な話かもしれないが、
そこは魔物娘故に致し方ないと思うのだ。
「でもこの部屋じゃあな〜」
この部屋は遺跡の中でもどん詰まりにある空き部屋だ。
侵入者が遺跡に入ってきたとしても、
ここに来るまでに他の子に捕まってしまうだろうし、
入口からも中心部にも遠いこの場所に来る確率は低いだろう。
「アヌビス様にも〜、無理は言えないしな〜」
ここのアヌビス様はある程度は部下の意向も考えてくれる。
それであたしも部署異動をお願いはしたのだが、
この滅多に人の来ない部屋の警備は誰もやりたがらないらしく、
なかなか代わりが見つからないからと言われてまだ聞き入れてもらえていない。
それをあたしに告げる時、本当に申し訳なさそうに言ってくれるので、
あたしとしても強く言うことは出来なくなってしまうのだ。
……だめだな、一人でいると愚痴が多くなってしまう。
精がほしいと渇く体とぼんやりとして碌に働かない頭、
マミーになって以来、この感覚から開放されたことは一度もない。
男を手に入れた同僚たちのすっきりとした幸せそうな顔や、
休み時間にあたしたちとお喋りをしに来るスフィンクス様の惚気話が、
とても妬まし……いやいや、羨ましく思えてしまう。
この部屋にいる間中、この体を抱えてずっと一人、寂しいな。
どうせ誰も来ないだろうと部屋の隅で座り込み、ぼんやりとする頭に任せて、
あたしはついつい、うとうととうたた寝をしてしまった。
ゴトッ……ガコン!
……なんだろう、部屋の入口の音?
誰もいないはずの部屋に物音が響き、
目を覚ましたあたしは物陰から入口をうかがった。
「ふぅ……流石にもう追いかけてこないだろう」
あ……男の人だ……
彼を見た瞬間、全身の渇きが精を求めてあたしの思考を埋め尽くす、
彼の瑞々しい精の香りが鼻孔をくすぐり、飢えた体を突き動かす。
男の人だ……ああ……おとこの人だ……いい匂い……おいしそう……
あたしのかわきをいやしてくれる……オトコノヒト……オトコォ……
どうやら彼は、物陰にいたあたしには気が付いていないようだった。
背を向けている彼に、ふらふらと本能の命ずるままに歩み寄っていく。
「男の〜人ぉ〜」
「うわ? 誰だ!?」
彼の背後まで忍び寄ったあたしは、一気に彼を押し倒す。
「男の人ぉ〜精がほしいの〜ちょうだい〜」
「く……マミー? ……こんな所にまで!?」
抵抗する彼を無理やり抑えつつ、装備を外し、服を脱がせていく。
彼の体に触れている部分が心地良い……
服を肌蹴させた体から良い匂いがする……
ああ、たまらない、早く……早く精がほしい……
「うぅ……仕方ない、話に聞いたあの手で……」
急に抵抗をしなくなった彼に油断したあたしは、
こっそりと伸ばされる指に気が付くことが出来なかった。
「ッ!? ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁん!?!?!?」
突然、体中に電流のように流れる未知の快感に、
あたしは体を震わせ、口から漏れるままに大きく嬌声を響かせてしまう。
彼が手を包帯の隙間に滑り込ませて、
敏感すぎるあたしの肌に直接指を這わせていたのだ。
「わ……すごい反応だな、よぉし!」
「やぁぁ、まっ……てぇ〜」
彼はそのまま、あたしに巻かれた包帯をどんどん解いていく。
先ほどの不意打ちと、包帯を解く時に肌に擦れる手がもたらす快楽が、
あたしの体をビクビクと痙攣させて、碌な抵抗をさせてくれなくしていた。
「ひ……やぁ……ほーたい……とっちゃやぁ……」
「う、ひどいことしてるみたいでどきどきするな……ええい! 惑わされるな!」
動かない体なりに、
何とか敏感すぎる場所は晒すまいと、必死に抵抗して見せたけれど、
それによって隙が出来た部分はどんどん肌蹴させられていき、
とうとうあたしのおなかの部分の包帯は、全て取り払われてしまった。
「よし、これで」
「あ……は……あぁ……まってぇ……まっ……てぇ〜」
完全に肌を晒したあたしのおなかに、彼の指か伸ばされていく。
包帯の隙間からわずかに触られるだけでこれだけの快楽に打ち震えていると言うのに、
こんな状態で直接触られたらどうなってしまうのだろう。
そんな強すぎる快楽に対する恐怖が、震える体
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