「退屈だにゃ〜」
見渡す限り砂ばかりと言う風景の中、
何度目になるか分からない呟きを漏らす。
日がな一日この風景を眺め続けるのが日課なのだから、
そんなボヤキも上げたくなるものだ。
広大な砂の大地にそびえ立つ偉大なる「ファラオ」の遺跡を守護するお役目(キリッ
「な〜んてお題目を抱えていてもやっていることはただの見張りだからにゃ〜」
もしこんな独り言をアヌビスちゃんに聞かれたらお仕置きコース直行だろうな。
そう思いつつも退屈を持て余す口から漏れるボヤキを止める事が出来ない。
まあ、あの子はいつも遺跡の中で忙しそうにしているから聞かれることはないだろう。
しかしよくよく考えて見ると本来ならアヌビスと、
あたしことスフィンクスは遺跡の中と外を守る対の存在で本来対等な立場のはずだ。
「それなのになんであたしはただの見張り見たいな扱いを受けていて、アヌビスちゃんは遺跡の総管理者みたいになっているにゃ? どうして差がついたのかにゃ!」
「そりゃ日ごろの行いの差だろう、昼休みの時間だぞ」
気だるい独り言に後ろから返事が返ってくる、おお、この麗しの愛しい声は。
「ご主人様〜待ちかねたにゃ〜♪」
愛しのダーリンであるご主人様にダッシュで駆け寄る、ネコまっしぐらである。
……え? 「ファラオ」はどうしたって? あーあー、聞こえないにゃ〜♪
「大体アヌビスさんと扱いを同じにするなら仕事も同じにしなけりゃいけないんだぞ、あの綿密極まりない予定表だのマミーの管理だの計画書作成だの、あれをやりたいと思うのか?」
「う……やっぱり見張りでいいにゃ……」
「うーん、ご主人様の料理は何時食べても美味しいにゃ〜♪」
昼休みのあいだ見張りを請け負うマミーたちと交代し、
あたしたちは遺跡内部の夫婦の部屋で昼食を食べていた。
「砂漠でパスタが食べられるなんてこんな贅沢中々ないにゃ」
ご主人様は元冒険者。
今は冒険は引退しているが(と言うよりあたしが引退させてしまった)
たまに町に出かけてはそのころの知り合いから珍しいものを買ってきたりしてくれる。
「まあ水さえ使えるんだったら、大したことじゃあないんだけどな」
この遺跡は地下に水脈があるので内部に巨大な沐浴場を作れるほど、
とは言わないが、困らない程度に水を使うことは出来る。
「それでも十分にすごいにゃ〜」
本当にご主人様は凄いと思う、料理だけでなく色々なことが出来るし何より博識だ。
冒険者の嗜みと言っていたけれど、
あたしの出す問いかけもあっさりと解いてしまうのだ。
どんな質問をしてもすぐに答えられてしまって、ちょっと悔しかったな。
まあその後ヤったことも凄かったんだけどね。
……思い出したらまた欲しくなってきちゃったな♪
「ねぇ〜ん、ご主人様ぁ〜ん♪」
まさしく猫なで声でご主人様に擦り寄っていく。
「うん?おいおい、今からじゃ昼休みは終わっちまうだろ?」
「少しくらい大丈夫にゃ、ちょっとだけ、一回だけだからお願いにゃ〜ん♪」
「……だ〜め、またアヌビスさんに怒られちまうぞ」
むう、こうなるとご主人様も頑固だ、……かくなる上は!
「ねえ、ご主人様はあたしのこと……好きかにゃ?」
「なんだよいきなり? そんなの決まって……ッ! お前まさか!?」
「にゃっふっふ〜、もう遅いにゃ、これであたしに襲われるか、自分から襲ってくれるかの二つに一つにゃ、襲ってくれてもいいのにゃよ?」
そう、これは『スフィンクスの呪い』だ。
問いかけに答えられなかった者を強力に魅了するこの呪いにかかれば、
どんな鈍感系ハーレム主人公だろうと一発でメロメロにできるのだ。
答えられちゃったら自分に帰ってくるのが玉に瑕、いや、それもまた良しなのだ!
「まったく、しょうがない奴だな」
ご主人様はふぅとため息をつくと、覚悟を決めたような顔で答えてくれた。
「どうなっても知らんぞ? ……大好きだよ」
「ふ、フニャ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン♪」
ああ、自分の呪いながら強力すぎる。
答えを聞いた瞬間、体に電流が走り、胸がキュ〜ンと締め付けられる。
ただでさえ大好きなのに、
それが更に上乗せされるように好きと言う感情が高まっていく、
あ、だめだ、もうがまんできな〜い。
「にゃぁぁぁ、ご主人様ぁ、ご主人様ぁ〜」
ご主人様に飛び掛り、自慢の肉球をぷにぷにと押し付けながら服を脱がせていく。
「お、おい、落ち着け、せめてベッドに」
「いやにゃ! 我慢できないにゃ!」
口では落ち着けと言いながらも、
ズボンを脱がすとあたしの大好物は元気に飛び出てくれた。
「にゅふふ、ご主人様はこれが大好きにゃ〜♪」
肉球でプニプニしてあげながらご
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