「うん、今日は結構取れたな」
山菜を取りに山へ来ていた青年“ジョン”は背中に背負っていた籠を一旦地面に下ろし、
収穫具合を確認する。
中には籠いっぱいに山菜や薬草等が入っており、彼の言うようになかなかの収穫のようである。
「さてと、そろそろ帰るかな・・・」
目的を達したジョンが家へ戻る為、山を降りようとしていた、その時・・・
“くぅ〜ん・・・・・・・”
「・・・ん?」
―どこからか、何かの鳴き声が聞こえたような気がした。
「気のせいかな・・・?」
そう思い、再び歩き始めるジョン。だが・・・・
“くぅ〜ん・・・くぅ〜ん・・・”
その鳴き声はだんだん近くで聞こえるようになっていた。
「近くに何か居るのかな・・・?」
どうやら気のせいではなかったらしい。
「ちょっと気になるな・・・行ってみるか・・・」
気になったジョンは、その声のもとへ向かう事にした。
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「あっ・・・」
ジョンがしばらく歩いていると、罠に掛かった子供の狼を発見した。
狼の左の前足にはガッチリと罠が食い込んでおり、酷く出血していた。
「酷い・・・一体誰がこんな事・・・」
「くぅ〜ん・・・くぅ〜ん・・・」
どうする事も出来ず、足の激痛にただ鳴くだけの狼。このままでは、この子はいずれ衰弱して死んでしまう。
一刻も早く助けるべく、狼に近づいたジョンだったが・・・・
「グルルルルルルルルルル!!!!」
「うわっ!?」
かなり警戒しているようで、罠を外そうと手を伸ばした瞬間、全身の毛を逆立てて、威嚇されてしまった。
「大丈夫。僕は君を捕まえに来たんじゃないよ」
そう、これで怯んでいては手遅れになってしまう。ジョンは噛まれる事も覚悟の上で、再び罠に手を伸ばした。
「ガルルルルル!!!!」
―ガブリッ!!
「痛ッ!?待って!すぐに外してあげるから・・・ふんッ!」
ガキン!
腕を噛まれつつ、力を込めて罠を何とかこじ開け、外す事に成功した。
「よし!外れた!!」
「くぅ〜ん・・・・・・」
バタリ・・・・・・
罠が外れ、安心したのか、はたまた出血の為か、狼はそのまま気絶してしまったのであった・・・
「あっ!?君、大丈夫かい!?・・・大変だ!すぐに手当てしないと!!」
ジョンはそっと子共の狼を抱きかかえると、なるべく振動を与えないようにしながら、足早に麓の家まで戻ったのであった・・・
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「くぅん・・・」
「あ、良かった・・・目が覚めたんだね?」
手当てが済んで、しばらくして狼が目を覚ました。生きていた事にホッとするジョン。
だが・・・
「グルルルルルルル!!」
子供の狼は壁際に後ずさりながら、再び毛を逆立てて、威嚇を始めた。自分の身に何かされるのではないかと思っているのだろう。
「まいったなぁ・・・僕は猟師じゃないから、何もしないんだけど・・・」
ジョンが頬を掻いて困り果てていた、その時・・・
ぐぅぅぅ・・・・
「ん?」
子供の狼からお腹の鳴る音が聞こえた。
「くぅ〜ん・・・」
「ん?お腹が空いたのかい?よしよし、それじゃあ、食事にしようか?僕もまだ何も食べてなかったから」
そう言ってジョンは、キッチンに向かっていった。
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「う〜ん・・・何がいいかな・・・?」
ジョン自身は簡単なもので良いのだが、問題なのはあの狼だ。何を食べるかが分からないので、迷っていた。
「牛肉は前に街で買った分があるんだけど・・・一応ミルクは用意するとして・・・」
色々迷ったが、結局スクランブルエッグとトースト2枚、それとホットミルクにする事とした。
「・・・って、これじゃあ朝食のメニューじゃないか。まぁ、いっか」
苦笑いするジョンだが、狼の世話は一度もした事が無いのだから、仕方が無いのであった。
「お待たせ、遅くなってごめんね。はい、どうぞ」
ジョンは暖めたミルクの入った器を狼の前に置いて、テーブルにトースト2枚とスクランブルエッグが乗った皿を置いた。
「くんくん・・・・・・」
早速ミルクの匂いを嗅ぎ始める狼。やはりまだ警戒しているのだろうか?
「大丈夫だよ。毒なんて入ってないから。さぁ、冷めない内にどうぞ」
ジョンのその言葉を理解したのか、それとも空腹に勝てなかったのか、狼はミルクを必死に飲
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