いざ、コアトルス帝国へ!

第十一話






ガタガタと揺れる馬車に乗りながら、俺たちは外道を走る。

「情けないわね…まさか御者もやったことないなんて…」

「祖国じゃ、それが一般的だったんだ」

そういうと、リンリレスは面白がるようにくすくすと笑った。

まったく…俺の国じゃもっと便利なものに置き換わってるだけだってのに…いつか見返してやる。

「焔、罪人の様子は?」

「む、ほとんど怯えているな。まぁ、これが当然の反応なのだが」

「まぁ、だろうな」

この馬車は二つ繋げてあって、御者台と寝台、そのすぐ後ろが鉄格子の護送車になっている。

というか、馬車の揺れ具合がひどい。サスペンションとかないのか?

まぁこの時代なら仕方ないか…。

「…」

「ん?どうした?」

なんかリンリレスが俺のことをじっと見てる。

「な、なんでもないわよ…」

「?」

俺が尋ねると、リンリレスは顔をそむけた。心なしか、頬が赤くなったような気がする。

なんなんだ?









村長が言っていた通り、休みなく馬を走らせた結果、コアトルス帝国には大体夕方くらいに到着できた。

巨大な城壁に囲まれた、RPG系のお城っていえばいいんだろうか?そんな感じの雰囲気を醸し出していた。

「身分証を」

「え」

門から中に入ろうとしたとき、門番からそういわれた。

え〜身分証か…。

「(主よ、冒険者の証を…)」

「(ああ…)」

腕輪を見せると、門番は急に顔をほころばせた。

「ああ、冒険者の方でしたか。今日はどんな御用で?」

「罪人の護送なんだが…連絡が来ていないか?」

「そういえば伝書鳩が来ていたな…わかった。」

数人詰所から出てきて後ろの護送馬車を外していった。

「馬車はこちらで預かりますので、『登録』をお願いいたします」

「『登録』?」

「あんたねぇ…登録しとかないと誰のものかわからなかくなるでしょうが!」

「ああ、そういう意味の登録か」

なるほど…こっちじゃそうやって預けるわけか…。

「まったく…あんた今までどうやって過ごしてきたわけ?」

「ん〜ずっといたのはあの村だったからな…」

というか、来てからまだ半年と経ってないわけだし。

「ああ、もう…。宿を探しましょ」

「まぁ、そうなるな」

寝床がないとまずいし、ってか、もうそろそろ夜か…。










なんとか宿を見つけたが、俺達が今間借りしている宿よりも値段が高かった。

三人で銀貨6枚だぞ?まぁ、今はそれなりに貯えがあるから大丈夫だけど。

さてと、

「で、どうする?観光でもしていくか?」

「当たり前でしょ?何のために来たと思ってるの?」

「いや、観光のために来たわけじゃないんだから…」

おい、村長の娘、それでいいのか?

「まぁ、観光するんだったら別に構わんが…いいのか?村長の娘がこんなところにいて」

「ええ、問題ないわ。あなた達についていくことにしたから」

「へぇ、俺達にね…は?」

「む、ついてくるつもりか?」

「まぁ、俺は別に構わんぞ?」

にぎやかな方が好きだし、問題は食費とか宿代だな…どっかに居を構えるか?

う〜ん…要相談だな。

「まぁ、とにかく今日は休め」

「は〜い」

「うむ」













翌日、外の喧騒で目が覚めると、まだ二人は眠っていた。

というか、ベッドが二つしかなかったから俺は床に毛布をひいて寝てたんだが、床が硬くて体が痛い。

「おい、お前ら起きろ。朝だぞ」

「みゅ〜…まだ眠い…」

「(
#728;ω
#728;)スヤァ」

「…」

まったく…。

窓から外を見る。もう陽が昇り切っていて、街に光が差し込んでいた。

街並みは石造りの家がほとんどだからだろうか、光で輝いて見えた。

「…ほら、早く起きろ。観光するんだろ」

「うにゅ〜…眠り姫を起こすのはなんとやらという〜…スカ〜」

…焔め…絶対起きてるだろ…。

ハァ仕方ない。

「まったく…困ったお姫様もいたものだな…」

チュッ

「ほら、早く起きろ」

「む〜仕方ないの…」

もぞもぞと起きだした焔はいいとして…

「こら、リンリレス。お前は一応村長の娘なんだから…」

焔に掛布団の端を持ってもらってひっぺ返してもらう。

「う〜寒い…」

「早く準備しろ。行くぞ」

まったくこの娘子は…。

リンリレスが準備を終えてから街に出る。

街はもう活気づいていて、心地よい。

「まぁぶらぶらとするか。まずは飯だな」

「うむ」

「は〜い」

…なんかリンリレスが素直になってるな…まぁ俺みたいなのと会ったことが刺激になったのか?

ま、今はそんなことどうでもいいや。

飯だ、飯。腹が減っちゃ戦はできねぇってな。

朝食をとってから適当に街を歩いて
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