第二話
「新入り、いつまで休んでんだ?」
「すいませんでした!すぐに行きます!」
眠りから覚めた少年…ハヤテ・サーティス・キリュウは出稼ぎのため、村から離れた商業都市まで来ていた。
出稼ぎと言っても現代で言うところのバイトに近いものであり、仕送りもしようとしていたが、母親から必要ないといわれ、単純にお金を貯めていた。
「いらっしゃいませ〜。」
少年は今15歳、青春真っ盛りであるが、それよりもお金をためることの方が重要だった。
「ご注文はお決まりでしょうか?」
メモ用紙に料理名を書き込みながら、少年はあわただしく店の中を動き回っていた。
彼は優しい顔つきで、少し長い金髪を首の後ろのところで纏め、背は175cmほどだった。
性格は温厚で、いつも笑っている。
彼は夢に見るほどまでにあのことを鮮明に覚えていた、そのためある程度お金が貯まったらワイバーンを御するほどまでには強くなろうと心に硬く誓っていた。
そのため、午前中のアルバイトが終わればすぐに町の育成所まで足を運び日々剣の修行に励んでいた。
「お疲れ様でした。」
アルバイトが終わり、彼は店を出ると、すぐに育成所へ足を運んだ。
この町は商業都市といってもそれは表の顔で、裏路地に行けばスラムが広がっていた。
しかもこの町がある国家は魔物に排他的であり、例えそれが騎竜になりえるワイバーンのようなドラゴンや刑部狸といった商業目的で来るものでさえ排除しようとしていた。
ただ、その管理は杜撰で刑部狸などは簡単に国に入ってきて商売をする者もいる。
「お〜い。」
「ん?ああ、フリッツか。」
ハヤテに話しかけたのはフリッツ・フォーゲル・インリアスという育成所で出会った貴族だった。
彼は金髪を肩ほどまで伸ばして先端をウェーブさせており、何処か鼻につく物言いをする少年だった。
「君も今からいくのかい?」
「ああ、毎日行かないと体が鈍るしな。」
「そうかい、まぁせいぜい僕ほどの使い手になるまで精進してくれよ?」
「ははは…いつか越えて見せるよ。」
実際フリッツの剣の腕は相当なもので指導してくれる本職の騎士を唯一倒している。
しかし、剣の腕だけが良くても性格が錘とって、育成所で友人と呼べるのはハヤテしかおらず、よく孤立していた。
「早く行こう。」
「そうだね。」
二人は育成所に向かった。
育成所では最初に兵法を学んでから実戦演習を行い、その後模擬戦を行っていた。
ハヤテもフリッツに負けるといっても育成所の中ではフリッツの次に強かった。
そして数時間後、ハヤテとフリッツは帰路についていた。
「あ〜また負けた。」
「だから言ってるだろ?僕に勝つなんて君には無理なのさ。」
「さぁね、それは分からないよ?」
「ふふっ…。」
最初の方こそフリッツは馬車で送り迎えが来ていたが、ハヤテという友人ができてからは基本的に歩いて帰っている。
「じゃ、この辺で。」
「ああ。」
貴族領と平民領に分かれている所で二人は別れた。
この商業都市にはスラム街、貴族領、平民領と城壁の中で区分けされており、平民は貴族領には行ってはいけないことになっていた。
「さ〜て、帰るとするか。」
平民領にある家に帰ろうとすると俄かに雲行きが怪しくなってきた。
「…こりゃまずいな。」
ポツッ。と彼が言うと雨粒が落ちてきてすぐに猛烈な雨が降り出した。
「っべー、通り雨だといいんだけど!」
彼は屋根が多いスラム街の方へ入っていった。
スラム街と一口に言っても危険なのはほんの一握りの人々で、他の人々は基本的に無害である。
しかし、彼が今日この時間にスラム街に入ったことで、彼の運命は大きく変わり始めた。
彼が雨の中走っているとかすかだが悲鳴が聞こえた。
「おいおい…。」
彼が声のする方へ走ると今まさに女性が数人の男に強姦されようとしていた。
「何やってんだ?」
「あん?兄ちゃんなんだ?コイツの彼氏か?」
見ず知らずの女性は何か麻痺薬でも飲まされたのか、身動き一つせず、ただその目だけは開かれていた。
女性の服は大部分が破かれており、女性の秘部や乳房はあらわになっていた。
「まぁそこで彼女が犯される様をじっくり…」
親分らしい男が言い終える前にハヤテはすぐそばにいた子分らしき男に殴りかかっていた。
「ひでぶ!」
子分の一人を殴り飛ばすと、他の子分達がハヤテに襲い掛かってきた。
口々に罵詈雑言を吐いてくる子分達を軽々とあしらって気絶させると、親分の目の前まで来た。
「その子を解放してもらおうか?」
「ちっ!ふざけやがって!」
男はナイフを抜きハヤテに向かって突きを繰り出してきたが、ハヤテは男の腕を脇に挟むと、振り返りながら男の腕を肩に乗せ
[3]
次へ
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想[#]
メール登録