35.それがオーガ

「エトナさん、呪文は・・・?」
「どーいう訳か、全然。
 もしかして、シロも内心ヤられたいんじゃねーの?」

シロは、明確に恐怖を覚えていた。

今のエトナは、いつものエトナじゃない。
見開かれた目、歪ませた口元、背筋が凍るような雰囲気・・・
それら全て、魔物娘、そしてオーガの象徴たるもの。

『目の前にいる男を(性的な意味で)喰らい尽くす』

呪文がかけられていなければ、出会ったその時にこうなっていた。
これは、普段の交わりではない。

「覚悟しろよ・・・無茶苦茶に犯してやる!」
「ひいぃっ!」

押し倒され、その勢いのまま、唇を奪われた。



「怖い・・・怖い・・・!」
「とか言いながら、こっちはギンギンじゃねーか。身体は正直だな」

生命の危機を感じ、種を残そうとする生物本能に従い、屹立した一物。
インキュバスになったシロのそれは、意に反して臨戦態勢となっていた。

「へへっ、シロは何にも考えなくていい。ただキモチヨクなってればいい。
 イリスのことも何もかも忘れるまで搾り取ってやるから」

エトナは完全に、気がふれていた。
余程、イリスにシロが犯されたことが腹に据えかねていたらしい。
しかし、それを考慮しても、放つ狂気は尋常ではなかった。

ずっと、目だけ笑っていない。息は荒い。
そして何より。

(怖い・・・怖いよぉ・・・!)

涙を目に浮かべ、明らかに恐怖を感じている表情のシロを前にして、一切の躊躇が無い。
脳はただ一つ『シロを犯す』ということ全てに塗られ、正常さを蝕まれた。

「気に入らねぇな、その顔。・・・一発抜けば大人しくなるか」

出てくる台詞も、様変わりしていた。
魔物娘の本能を抑える気は、微塵も無いらしい。

「とりあえず・・・フェラしとくか・・・んんんっ!!!」
「ひひゃぁっ!?」

シロの陰茎が目の前に来る位置まで移動したかと思えば、自身の喉奥に一気に突き刺した。
亀頭が口腔内に殆ど触れぬまま、喉責めを受けることとなり、唐突すぎる刺激に声が上がる。

何も考えていない。シロはおろか、自分もどうなろうと知ったこっちゃ無いと思ったのか。
長さも太さも普通の男の比ではない一物を、全て飲み込んだ。

「んぐっ! うげっ! んぐぐーっ!!!!!」
「ひぎぃっ!? ぎゃっ、うぎゃあああっ!!!!!」

いかにエトナが魔物娘とはいえ、インキュバス化したシロの巨根をいきなり飲み込むのは、
無茶や無理ですらない。無謀以外の何物でもない。
にも関わらず、誤嚥による反射すら無理矢理に押し込め、そのまま頭を前後に激しく振った。
本来は男側が強制する行為だが、エトナは自ら、イラマチオのような喉姦をシロに強いた。

(何で? 何でエトナさん、こんなになってまで・・・?)

泣きながら、シロは恐怖に苛まれていた。
陰茎を噛みちぎられると錯覚するほどに激しく、喉の中でのピストン運動を強制させる。
擦れ合う粘膜が生む気持ちよさで、無理矢理恐怖心を破壊しようとしているのか、
それともリミッターが解除され、自分をイカせるのが生命維持より優先度を上回ったか。
いずれにしても、異常でしかない。

それでも、エトナのディープスロートは最高に気持ちいい。
唯一口に入っていない陰嚢は固く引き締まり、放出の時を今か今かと待ち侘びている。
弱いところを責める、というものではない。『全てを責めている』のだ。

「エっ、エトナさん! 僕、もう・・・!」
「んぐうっ! んぢゅっ、・・・ぷはっ。・・・うん、イけ」

息が続かなくなり、口を離したのもつかの間。
再度、喉に肉棒を突っ込み、顔面をシロの腰に打ち付けるようにして・・・

「んんんっ!!!?」
「あぁっ、あっ、ああああああああああああああああ!!!!!!!!}

神経線維まで持ってかれるような、強い吸引を交えながらの搾精。
奥深く、深くに亀頭が埋もれこんでいる為、口内射精ではなく、喉内射精となった。

「んぐっ・・・んぐっ・・・!」

微かに震えるエトナの喉が、ドロドロの精液を嚥下していることを証明している。
『シロの身体から出たものを飲み込む』ことは、何も考えなくてもできることとなっていた。

「・・・あぁぁ・・・ふあ・・・」
「・・・んっ。ボーっとしてる暇はねぇぞ」

放出された精液を飲み干すと、今度はおもむろに立ち上がった。
力が抜けて仰向けに寝転んだままのシロを見下ろし、エトナが取った行動は。

「そもそもとして、こいつが諸悪の根源なんだよな・・・余計なこと考えさせて」

見つめるのはシロの股間。その玉袋の辺り。
インキュバス化したシロは、精液生産能力も人間を逸している。
その玉袋に、エトナは。



「・・・潰すか♪」



ゆっくりと、足を乗せた。

「ひぃっ!?」
「去勢しちまえば、気
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