23.いけない3P、イケないプレイ

娯楽都市シャルクの夜は長い。
それ故、色々な事が出来る。

「心の準備は?」
「大丈夫です」
「性欲は?」
「・・・色々抑えきれないです」
「よしOK」

夜8時。娼館前にて。
この日シロは、また一つ大人の階段を上る。



「こんばんはー」

二人が訪れた娼館は、古い宿屋を改装して作られたものあり、在籍している魔物娘は十人程度。
比較的小さめで歴史も浅いが、『カップルと娼婦の3P』というスタイルを提案したのは
この地方周辺では初めての店であり、それが功を奏して中々に儲けが出ているとか。
更に、元が宿屋と言うだけもあり、普通に宿泊する事も可能である。

「いらっしゃいませ。ご予約のエトナ様とシロ様ですね?」
「はい」
「おう」
「予約内容を確認させて頂きます。1Dayご宿泊プランで、お相手はサキュバスのメイちゃん。
 以上で宜しいでしょうか?」
「大丈夫ですよね、エトナさん?」
「うん、間違いない」
「ありがとうございます。こちらの番号札のお部屋へどうぞ。5分程お待ちいただければ、当店の娘が参ります」

受付の男から渡された番号札に記載された部屋へと、二人は向かう。
『12』と書かれたプレートが扉に張り付けられた部屋。そこが、プレイルームとなった。



「おぉ、何かそれっぽい」
「お風呂場丸見えじゃないですか・・・」

改装前から連れ込み宿だった訳では無いが、結構な魔改造が施された事は想像に難くない。
やたら大きいベッドが一台に、ガラス張りの浴室、淫猥なムード漂う明かり等々、
完全にそういった行為の為の部屋である事は明らかであった。

「ところでシロ」
「はい、何でしょう?」
「一応聞きたい。メイって奴指名した理由」

シロは当初、指名無しのフリーでも構わないつもりだったが、エトナの勧めもあり、
出勤リストから娼婦を指名した。しかし、その理由は明かしていない。
単純に聞くタイミングが無かっただけである上、知ったから何になる、という事ではあるが。

「エトナさん、身長どれくらいあります?」
「測った事ねぇから分からん」
「目測で大体172、3cmくらいだと思います。そして、僕はエトナさんの身長が、抱きつくのに丁度いいんです」
「サラっと嬉しい事を。アタシも、シロの身長が収まり良くて好きだぞ♪」
「あう・・・えっと、ですから、まずそれが一つ。それと・・・」
「まぁ、コレだろ」

ギュッと、シロの顔面に胸を押し当てる。
息苦しくない程度に力加減を調整しながら、ぐりぐりとこすり付け、顔全体を乳房で塗りつぶすように動く。

「Jカップだっけ? 相当自信あったけど、まさかココで負けるとは思わなかったわ」
「そも、ほへほひんほうあまっいいめあもめ(その、それと身長が合致してたので)」
「ごめん何言ってるか分かんない。けど可愛いから離さない」

極上の乳房の海に溺れ、欲情が限界まで高まる。
娼婦が訪れるまでの僅かな時間でさえも、二人は愛し合った。



コン、コンと、ノックの音が控え目に鳴った後、扉が開く。

「ご指名ありがとうございま〜す♪ サキュバスのメイです
hearts; 今日は皆で、い〜っぱい気持ちよくなろっ♪」

明るく悪戯っぽい笑みを浮かべながら、メイが二人の許へ近づく。
サファイア色の髪にルビー色の瞳、アメジスト色の軽くカールした、一対の角。
そして先端がハート形をした、翼と同じ黒曜石のような色をした尻尾という、
非常に典型的なサキュバスであった。
巨乳を売りにしているだけあり、エトナより一回り小柄な体躯でありながら、胸部のそれは
歪なまでに彼女の下着のような服を押し上げている。
そして。

「ってえぇっ!? こっ、子供っ!?」

驚きの声。
魔物娘が恋人であった例は腐るほど見てきたが、もう一人が幼い少年だったという例は今回が初めてだった。
年齢制限が無い以上、こういったケースが起きない訳では無いという事は知っていたが、
実際に遭遇するとは思っていなかったようである。

「今日は宜しくお願いします」

ベッドの上で深々と座礼するシロ。
彼はこんな時、こんな場所でも、礼儀正しい姿勢を崩さない。
そして、その隣にいるエトナは、その光景のシュールさに笑い声を漏らしている。

「あぁこれはどうもご丁寧に・・・って固い固い! 子供なんだからもっと素直になってよ!
 固くするのはおちんぽだけでいいの!」
「ええっと、その、そっちはもう・・・」
「あ、確かにギンギン。 もしかして君、インキュバス?」
「完全になった訳ではないですけど、半ばそんな感じです」
「ほうほう。それなら・・・手加減しなくても大丈夫そうだね」

種族の力も相俟って、彼女の微笑みは人、特に男を虜にする魅力を持っている。
ニマりとした口元から除く八重歯は、獲物を狩る牙にも
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