魚の燻製に、ドライフルーツと乾パン。
保存食のストックが少し過剰になっていたので、消費する事にした。
「むぐむぐ・・・」
「んぐ・・・んん・・・」
黙々と食べ進める二人。
会話は無いが、食べる事に意識を注いでいるだけであり、険悪さは一切無い。
(相変わらず美味しそうに食べるな、エトナさん)
(何でだろ。シロが食べてるとこ、何でちょっとエロいんだろ)
二人同時に水を口にし、食事を終える。
「・・・ぷはっ。ごちそうさまっと」
「ごちそうさまです。さて、歯磨きしますか」
水の貯蔵量も十分。
飲用以外に使っても、何ら問題ない。
「それにしても、馬車そのものも凄いですけど、馬も上質なものを頂けましたね」
「考えてみれば、アタシらとこれだけの荷物引きながら普通に歩けるって相当だよな。
領主さんには感謝してもしきれねぇよ」
他愛のない会話を挟みつつ、歯を磨く。
数分かけて、きっちり口内をきれいにした。
歯の健康を保つことは勿論だが、二人にとって、歯磨きをする理由はもう一つある。
「んじゃ、どうするシロ?」
食後のエトナの問いかけ。それが意味する事は。
「食後の運動、ヤるか?」
食欲を満たすついでに、もう一つの欲も満たそうという誘い。
一応、シロも多少は考えるが、出てくる結論はほぼ毎回同じである。
「・・・お願いします」
まだ恥ずかしさは抜けない。
しかし、性欲の増す一方で、必要以上に遠慮する気持ちも徐々に捨てつつある。
「ふふっ、シロも大分、アタシ好みになったな♪」
「・・・あはは」
歯磨きの理由の二つ目。
食後の魅力的な誘いを受ければ、高確率で口付けを交わす事となる。
その時に魚やら肉やらの臭いがしては興が冷める。それを防ぐ為だ。
「で、今回の希望は?」
ベッドの中にて。
シロにかけられた呪文の発動条件は未だ定かではないので、情事の際、エトナはシロのやりたいようにさせている。
今の所、この形で呪文が発動した事は無い。
「口か? それとも胸? 勿論、いきなりマンコでもいいぞ?」
どれを選んでも、脳が焼け爛れるか、もしくは蕩けるかのような快楽による暴力が襲い掛かるのは明らか。
目の前に横たわる、メリハリの利いた艶めかしい肢体を思いのままに貪る事が出来るという、男としてこの上ない至福。
その権利を持つのは、たった一人の少年。
「その・・・えっと・・・」
胸の高まりが止まらない。
色々な事が頭に浮かんでは消える中、エトナの身体のある一部分に、シロは目を向けた。
(・・・綺麗)
「どうしたー? ・・・お」
エトナも気づく。視線の先は、股間のすぐ下。
日々の鍛練が生み出した、脚線美の上半分。
引き締まっていながらも、女性的な色気に満ち溢れた、肉付きの良い太腿。
そこに、シロは釘付けになった。
(ここ・・・ここでしてもらえたら・・・)
健康的であるのに、どうしようもなくいやらしい。
正負の魅力が凝縮された、エトナの脚。
下着で覆う必要も無い場所なのに、それは生唾物だった。
「あの・・・エトナさん」
心は決まった。
顔を真っ赤に染めながら、喉奥から声を絞り出す。
「この・・・ふとももに、僕のを、挟んで下さい」
短く、荒い呼吸。
羞恥に震えながらも、快楽をねだる甘い声。
犯罪的な、可愛らしさ。
「・・・了解っ!」
華奢で柔らかなシロの身体を抱きしめ、満面の笑みを浮かべる。
力加減をするのが遅れて、シロの意識が一時的に薄らいだが、
彼はもうその感覚すら性感になっていた。
「にしても、妙なとこ選んだな。まさか太腿とは」
「あはは・・・何か、すごい、惹かれたんで・・・ごめんなさい」
「謝るなって。むしろこんなとこでまで欲情してくれて嬉しい」
ゆっくりと、優しく頭を撫でる。
緊張をほぐし、安心感を与えるこの行為を、シロとエトナはとても好んでいる。
しかし、シロの様子が何かおかしい。
どことなく、複雑な表情を浮かべているように見える。
「・・・具合悪いのか?」
「えっ? いえ・・・あっ、その・・・」
「どうした?」
「えっと、その・・・お願いが」
「うん」
「もうちょっと、くしゃくしゃってしてもらえませんか?
その・・・少し乱暴にされた方が、エトナさんを感じられるんで・・・」
年端もゆかない少年からの、軽い被虐の要求。
それが生み出す背徳感は、エトナの脳細胞一つ一つに染み込むようにして、
いとも容易く、理性の箍を壊した。
「・・・っっっ!!!」
くしゃくしゃ、ぐしゃぐしゃと、頭を強く撫でる。
可愛い。大好き。大大好き。もう想いは止まらない。
水分をしっかりと含んだツヤのあるシロの髪を掻き分けるようにして、エトナは応えた。
(うん、やっぱり・・・こっ
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