『竜術』
それは3000年以上前に失われた幻の魔法。
ドラゴンには、この世界を構成する元素を操る力を秘めていて、
大昔にはその圧倒的な力だけではなく、個々が持つ魔力を操ることで
すべての生物の頂点に君臨していたといわれている。
だが、ドラゴンの持つ魔力を最も効率よく扱えたのは人間だった。
ドラゴンと人間が出合い、やがて竜術が生み出されると、
ドラゴンたちはこぞって優秀な人間を自分のパートナーとし、
一時期は現代のように人とドラゴンが当たり前のように寄り添って
生活を営んでいた時代があったほどだ。
だが、ドラゴンたちの繁栄に危機感を覚えた者たちがいた。
そう……主神をはじめとする高位の神々たちだ。
神々はドラゴンたちに人間を解放するよう通告したが、
すでにお互いの存在に依存し合っているドラゴンたちはこれを拒否。
ついに神とドラゴン勢力は全面衝突した。
その上、当時の第3代魔王もまた、自分たち魔物の下僕となる
『魔獣術士』を得るべく竜術士たちを攫い、
こちらもまたドラゴンとの全面戦争に突入することになった。
すでに魔王や神すらしのぐ力を持つに至ったドラゴンたちの長『竜王』。
その最後の竜王はドラゴンの中で飛びぬけて強力な種族『暗竜』だった。
戦の中で、主神の放った投槍の一撃を受けて、竜王の竜術士が絶命すると
怒り狂った竜王は力を暴走させて、世界の半分を壊してしまう………
結局、世界が一度崩壊した後に残ったドラゴンは1%にすら満たなかった。
現在のドラゴンはもはや自分たちが人間をパートナーとしていた時代が
あったことを覚えてはいないだろう。
いや、正確に言えば現魔王の時代になってからは人間と結ばれた
ドラゴンもちらほら見かけるようにはなった。
だが……お互いを愛するという最大の幸福を手に入れた彼女たちにとって
竜術はもう不要な物なのかもしれない………
―――――――――――――――――――――――――――――――――
「ん、んーっ!」
朝――太陽が東から顔をわずかにのぞかせたばかりの早い時間に
水竜アイネ・キュアノエイデスはもぞもぞと体を動かし目を覚ました。
水竜という名の通り、その容姿は全身くまなく水の色をしていて、
かかとまで届くほど長い髪の毛も、ドラゴンにしては珍しくくりっとした瞳も、
手足の随所に見えるきめ細かな鱗も、硬さを感じさせない尻尾も、
彼女の体全てがやさしい青色で統一されていて、
唯一頭に生えた二本の角だけは鋭い銀色をしている。
献身的で一途な性格はドラゴンというよりかはウィンディーネのようで、
今まで他人と喧嘩すらしたことがない。
そんなアイネは目覚めるとすぐに、自分の体が布団ではない
暖かい何かに包まれていることに気が付いた。
いや、気が付いたというよりもそこにあることを確認したといったほうが正しいか。
彼女の体は人間男性の体に丁寧に包まれていて、アイネもまた
自らの四肢を要所要所に絡めてお互いの肌が最大限に密着するような格好。
おそらく一晩じゅうずっとこの態勢のまま過ごしたのだろう。
アイネがすっと息を吸うと、お互いの体臭がまじりあった
何とも言えない甘酸っぱい香りが彼女の鼻腔を冒した。
「旦那様ったらこんな無防備な顔で寝ちゃって♪」
彼女に抱き着かれながら、まだぐっすり眠っている彼はスーラ・フォン・キュアノエイデス。
髪の毛はぼさぼさで、ヘラヘラしたようなしまりのない顔をした彼だが、
こう見えても彼はアイネの夫であると同時に………
失われたはずの竜術を操ることができる『竜術士』なのである。
「そんな顔見せたら……んっ、奥さんが発情しても知りませんよ♪」
ちゅっ♪
ドラゴンに限らず、魔物の妻相手に寝顔をさらすのはある意味危険だ。
その上、朝勃ちなぞしてようものなら(生理現象だから仕方ないが)……
こうして朝に弱いスーラはいつものように寝起きの妻に襲われることになる。
昨日の夜もお互いが満足するまで交わったにもかかわらず、
アイネの性欲は朝から盛んに燃え盛っていた……
……
「んっ……ぁっ、な…何?なんだか、きもち…いいような……?」
「んふふ♪朝ですよ旦那様、起きてくださいね♪」
スーラが眠りの底から意識を呼び覚ますと、
何やら下半身が柔らかいものに包まれて、凄まじい快感に襲われる。
それもそのはず。むき出しになったスーラの一物が
アイネの豊かすぎる胸に挟まれてしごかれているのだ。
おまけに先端部は器用に唇や下で嬲られている。
「どうですか旦那様、愛する妻の目覚ましパイズリフェラの感触♪
今日も旦那様の朝一番搾りたっぷり頂いちゃいますね♪
それっ、しゅっしゅ、しゅっしゅ♪ちゅぷ、ちゅぱっ♪」
「う……う〜ん、…アイ
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