今期の格言
二人が出会ったのは偶然。二人が結ばれたのは当然。
童話、魔王と勇者より―
「さあ智鶴……目を開けて。私達の世界にようこそ♪」
「ふにゅ………ん?あ、あれ?うわあぁっ!?羽が生えた人!?天使!?」
智鶴が意識を取り戻すと、目の前に一人の女性がいた。
漆黒の翼を持つその女性は、見た目自分と同い年くらいなのに
現実世界ではまずお目にかかれないくらいの美貌に、
出るところは出て締まるところは締まる驚異の体つき。
それに青白い肌がどこか背徳感を漂わせている。
「私は堕天使ザリーチェ。初めまして智鶴君♪」
「は、初めまして………。一体僕に何の用です?」
「うん、とりあえず周りを見てもらえるかしら。」
キョロ……キョロ……(やんっ、小動物みたいでかわいいっ!)
「え…!?ここどこ……!?少なくとも僕の部屋じゃないよね!?」
今自分が横たわっているのは寮にある自分のよりも何十倍も寝心地がいいベッド。
皇室並みに広いこの部屋は濃い緑の香り漂うこの部屋は木の壁で覆われている。
まるで大木の中に作られた家というにふさわしい。
「ここは君のいた世界と異なる次元にある世界。まあ言ってみればゲームの中ね。」
「え、じゃあここは……!あれでも僕が買ったゲームには
お姉さんみたいな天使はいなかったような気がするんだけど?」
「ううん、ゲームの中と言っても正確には君がやってるゲームシステムで動く世界。
私達が住むのは『図鑑世界』っていうの。人だけじゃなくて魔物も住んでるのよ。
一遍に話すと混乱するかもしれないから一つづつ話していくわね。」
「う、うん……」
さて、智鶴が呼び出されたのは人や亜人、魔物などが住む世界。
詳しくは省略するが、魔物が魔物娘となった図鑑世界の世界観を説明していると思って下さい。
「なんか凄いところに来ちゃったな僕。
要するに、僕はこの世界に入ったプレイヤーになって、今ここにある文明で勝利を狙えばいいんだね?」
「うん♪そーゆーこと。あなたにはダークエルフたちを導いてもらいたいの。
当然、あなたの見に危害が及ばないことは保証するし、途中でやめる以外だったら何をしてもOKよ。
今この文明にはあなたのような異世界の知識を持つ人物が必要なの。引き受けてくれるかしら?
私も微力ながら全力でサポートするわよ。」
「……わかった。初心者の僕なんかでいいなら頑張ってみるよ!」
「わぁ!ありがとう智鶴君!」
ぎゅーーーーーーっ!!
「んむっ!?んむむうぅぅっ!」
「あ、ごめん。苦しかった?」
思わず智鶴を思い切り抱きしめたザリーチェ。
彼女の豊かすぎる旨が危うく彼を窒息させるところだった。
「じゃ、君が担当する指導者を呼ぶわね。
指導者はダークエルフのリーダー、ルーツィエよ。気が合うといいわね。
ルーツィエ〜〜!いいわよ入って。」
ルーツィエなる指導者はどんなものなのかワクワクする智鶴。
すると呼ばれて間もなく正面の扉が開き、一人の女性が現れる。
ザリーチェよりもさらに高い身長を持つ彼女は小麦色の褐色肌をしていて、
それが銀色の長髪を一層際立たせている。
彼女もまた現実離れしたとびきりの美少女で、
スレンダーなボディの中でちょっとアンバランスに大きな美乳を持つ。
全身を黒を基調にした革の鎧で包み長い手足はぜいたくに露出。
顔はちょっと釣り目に可愛い童顔と、これまた文句なしの容姿。
だが、智鶴にはそんな分析をしている余裕はなかった。なぜなら……
「失礼しま……………はうっ!?」
彼女は千鶴を見た瞬間、一瞬身体に電流が流れたように直立する。
「ルーツィエ。この子があなたを導いてくれる現人神様よ。仲良くしてあげてね。」
「あ………か…か……」
「?」
挙動不審なルーツィエの様子に首をかしげる智鶴。
その動作が引き金となった。
「かわいいーーーーーーーっ!!!!!!!!」
「う、うわああぁぁぁぁっ!」
ドサッ
突如豹変し、肉食獣の様な瞬発力を発揮したルーツィエは
ベットの上でキョトンとする智鶴に思い切り抱きついた。
「ああん、こんな可愛い子が私のマスターになってくれるなんて!
やだやだ可愛い可愛い!可愛すぎておかしくなっちゃう!
ちっちゃくっておめめくりっとしてておしりもきゅっとしてて
しかもまだどこもいじられてないいい匂いがして!
あーもーこの抱きごこちもたまらないのぉ!
私が肉布団になってだきまくらにしちゃいたい!ずっとそうしていたい!
んーーーーすりすりすりすり!」
「………(呆然自失)」
「はいはい気に入ってくれたのは何よりだけど一旦自重なさいルーツィエ。」
「くんかくんかくんか!」
「人の話を聞かんかい!!」
ザリーチェはハリセンを取り出した!
偽天使流奥義『ハリセンサ
[3]
次へ
ページ移動[1
2 3 4 5]
[7]
TOP [9]
目次[0]
投票 [*]
感想[#]
メール登録