「へえぇ、人化術上手いんだね、よく化けたものねぇ。
……でもそんな格好でこの中央教会に何を探りに来たのかしら?
加筆修正される前の聖書元本…はたまた非人道的な研究の資料…
それとも中央教会にいるいい男の情報…みたいな?」
「えっと…私達は別に………」
「……よく分かったわね、私たちが魔物だって。」
「ちょっとヴィオラちゃん!?」
「ノワちゃん、もう正体を隠しても無駄みたい。」
「そ、素直で結構。」
寝癖全開の奇妙な女性は相変わらずやる気なさそうな体勢で、
上階から私達を見下すように話しかけてくる。
私たちが魔物だと分かってもかなりの余裕があるみたい。
彼女もまた相当自分の力に自信があるんでしょうね。
むしろ、私たちが魔物だと知って慌てたのが対峙している教団の奴らと、
一応味方してくれてる四人の司祭さんたちだ。
「ま…まさか……同志だと思っていた方々が魔物だったなんて…」
「信じられん!邪悪な気配が一切感じられん!」
まあ邪悪な気配はできる限り抑えてるからね。
「インテグラ様!本当にこやつらは魔物で……」
「信じられないなら、本人の身体に直接聞いてみればいいじゃない。」
「なーるほど、それもそうですなぁ。くふふ……」
「あんたはどさくさにまぎれて何言ってんのよ…」
「衛兵!この二人を拘束せよ!」
『はっ!』
「結局そうなるんだ。」
「いいんじゃない、変に搦め手使われるよりも対応楽だし。
じゃ、ばれちゃったことだしもう変装する必要ないわね。」
私とノワちゃんは変装のために着ていた修道服を脱ぎ捨てて………
バサッ バサッ
「この世に闇がある限り、光も消えぬというのなら。
残った光も私がすべて、淫堕の光に変えて見せよう。
秀麗なる魔界のプリンセス!ヴィオラート参上!」
「夕日が沈み、月が空を支配する時、それ即ち私の世界。
紅に染まる美しい夢をあなたに。でも大蒜だけは勘弁してね。
気高き吸血鬼、ノワール・カース・ヴィケット参上♪」
ジャジャーン♪ ←(ユング君が空気を読んで効果音提供)
「そして即座に魔法障壁展開!」
「え、なんで?」
ブバアァァァァァッッ!!!!
「またかよっ!!」
私たちが変装を解いたことで、緊張に満ちた場の空気が一気にピンク色に変わる。
ユング君が突っ込んだ通り、今にも攻撃してきそうだった衛兵たちは
全員一斉に大量の鼻血を吹きだした。ええそれはもう
致死量いったんじゃないかと思うぐらいにね……
ふふふ…私ったら本当に罪な魔物よね♪
おまけに味方だった四人の司祭さんたちも、
その場でローブの上からでも分かるくらいアソコをギンギンにして、
鼻血を垂れ流しながら意識だけフリーズしてるみたい。
「あらあら、私達を捕まえるんじゃなかったんですかぁ?」
「ム・リ・よね♪こんな可愛い女の子に乱暴するなんて♪
まあ別の意味で乱暴したくなる気持ちは分かるけどね。」
「おぉ…おおぉおぉ……なんといううつくしさ……」
「うおっ!しゃぶりつきてぇ…」
「おっぱい、おおきいおっぱい…」
ユング君以外の男性は全員無力化&発情。
本能に従って私のとこまで這い寄ろうとする人もいれば、
我慢できずにその場でズボンとパンツを脱いで自慰行為を始める人もいる。
なかなかの地獄絵図ねこれは……
女の子が発情してこうなるならかなり燃える展開なんだけど、
八割方おっさんしかいないこの場では
「……キモイ。」
と一人正気のユング君が呟いたとさ。
うん、さすがにここまでになるとは私も思っていなかったわ。
恐るべし!私の美貌!
邪魔な人たちは無力化したわ。次は二階から高見の見物を決め込んでる
彼女―たしかインテグラって呼ばれてたわね―に目を向ける。
「はぁ…はぁ…まさに魔性の美女………小生しんぼうたまらん…」
「あっちはあっちで危険なことになってる!?」
「こんな女性ばっかりか…」
彼女もまた鼻血をだらだらと垂らし、下の階に水溜りならぬ血溜りをつくってる。
もはや図書館の床は大処刑でもあったんじゃないかっていうくらいの惨状だった。
ユング君が呆れるのも分かる気がするわ。
…どうしよう、このままだと話が進まないんだけど。
――――数分待機――――
「えっと、そろそろいいかしら小生さん。」
「ああ…これはすまない。小生としたことがうっかり取り乱してしまったようだ。」
「正気に戻ったついでに髪の毛も整えたら?みっともないわよ?」
「いやよめんどくさい。」
そんなこんなで、私たち三人はインテグラがいるフロアに移動して、
彼女と直接話し合うことにしたわ。
今はもうちゃんと話が出来る環境が整ってるけど、
この子ったらやたら私の胸を揉もう
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