十五分の休憩を終え、
『チーム・ポニテ』と『チーム・シスターズ』は
全員が段ボールの中に代用ストーンを入れて待機していた。
両陣営とも自信に満ちた顔をしている。
ファーリル「じゃあ全員そろったところでルール説明をするよ。
今回は独自ルールとして4エンド(区切り)まで。
さらに1エンド中に投げられる回数は4回までとするよ。
フリーガードは最初の1投のみだ。」
リサ「フリーガード?」
フレイヤ「要するに、最初に投げるものだけは、
邪魔されずに置くことが出来るんだ。」
リサ「うーん、わかったようなわかんないような。」
フレイヤ「やってみればわかるさ。」
エル「公式のカーリングルールを全部半分にしたのね。
ま、時間がないからしょうがないけど。」
ファーリル「じゃあまずは先攻と後攻を決めるよ。
エルとフレイヤさんはじゃんけんしてね。」
二人『ジャン!ケン!ポン!」
エル:パー
フレイヤ:パー
二人『あいこでショ!』
エル:パー
フレイヤ:チョキ
フレイヤ「よし!かった!」
エル「どうやら私たちが先攻みたいね。これはちょっと不利よ。」
サン「どうしてですか?」
エル「カーリングはその性質上、後から投げる方が大抵は有利なの。
先にいい位置にストーンをおいても、後から弾かれればどうしようもないわ。」
フィーネ「なるほどね。」
リサ「じゃ、あたいらは遠慮なく相手のストーンを弾き飛ばせるな!」
フレイヤ「いや、さっきも言った通り1投目はフリーガードだ。
そういうことが出来るのはその次からだ。」
ファーリル「分からない人は自分で調べてね。
それじゃ早速試合開始だ。」
カーター「なお、審判はこのカーター・フォン・シーツリヒターが務める。
不正行為をした奴は容赦しないからそのつもりで。」
フレイヤ「いやいや、カーリングの審判に鞭は必要ないだろ。」
〜〜第1エンド〜〜
エル「フィーネ。とりあえず最初は適当に投げてみなさい。」
フィーネ「わかった!」
フィーネは管理室から持ってきたガムテープを思いっきり滑らせる。
エル「二人とも、とりあえずストップって言うまで擦りなさい!」
レミ&サン『はい!』
二人はエルの指示に従って、停止命令が出るまで擦り続けた。
その結果、ガムテープは円の前ギリギリのところで止まった。
エル「やっぱりゴムだと思ったより滑らないわね。」
フィーネ「だ、だめだった?」
エル「ううん、大丈夫!そこでいいのよ。」
フレイヤ「とりあえずあのガムテープが邪魔になることはないな。
リサ!こっちもどれくらい滑るか確認するため思いっきり投げろ。」
リサ「よっしゃー!いっけー!」
リサもまた、食堂から調達した醤油さしを滑らせる。
フレイヤ「アリアさん、ユニースさん!擦って!」
アリア「よし!」
ユニース「了解!」
リサの投げた醤油さしは、少しカーブしながら
円の左後ろあたりで止まった。
フレイヤ「ナイスだ!リサ!」
リサ「どんなもんよ!」
ファーリル「あ、一つ言い忘れてたことがあった。」
エル「何よ今更。言うことはあらかじめ整えておきなさいっ!」
ファーリル「円筒形の物は、倒れたらストーンから除外されるからヨロシク。」
フレイヤ「なんだと!?」
カーター「そういうものは倒れたら転がるから採点上厄介なんだよな。」
レミィ「司令官!これはチャンスです!
私たちのストーン(ガムテープ)は安定してるから
倒れる心配はないです!」
エル「どうやら安定性重視で選んだのは正しかったようね♪」
フレイヤ「うーむ…、扱いやすい物を選んだのだが、
裏目に出てしまったようだな…」
アリア「大丈夫よフレイヤさん!次のストーンは安定性がありますから!」
チーム・シスターズは、サンが2投目に徳用木工ボンドを放って
見事にガムテープを巻きこんで円の中心に近づけた。
この時点で、得点権はシスターズに移った。
カーター「カーリングの得点は、円の中心に近いチームにだけに入る。
さらに、青い円の中にあるストーンが追加得点の対象だ。
この辺は複雑だから、各自で確認してくれ。」
次のチーム・ポニテのユニースは、なんと冷蔵庫に入っていた
2リットルのペットボトルの飲料水をストーンとしてはなった。
ペットボトルは、ガムテープと徳用木工ボンドにわざと当たって
二つを中心から引き離すとともに、自身はより中心に近付く。
得点権は再びチームポニテに移る。
エル「ふーん、ユニースもなかなかやるじゃないの
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