第2回 前編

エル&フィーネ『スーパー クレールヘンシスターズ!!はじまるよ!!』







エル「ごきげんよう諸君。俺がエルだ。」

フィーネ「ごきげんようみんな!フィーネです!」

エル「この番組は、連載小説『英雄の羽』を基礎にした特別外伝!」

フィーネ「パーソナリティはクレールヘン兄妹二人がお送りいたします!」



フィーネ「祝!!本編完全復活!!」

エル「なんとか元通りになったな。俺も嬉しく思うぞ。」

フィーネ「これも読者の皆さんのおかげです!本当にありがとう!」

エル「人気なくても勝手に再開するつもりだったけどな。」

フィーネ「そーゆーのは心の内に留めておこうよ…」

エル「ま、なんにせよカンパネルラ電撃戦の途中で途切れたからな。
   ひょっとしたら後編を楽しみにしていた読者もいるかもしれん。
   この場で改めてお詫び申し上げる。」

フィーネ「やり直しが決まった時はファーリルさんも
    『僕達第二軍団の出番は…?』って唖然としちゃってたね…」

エル「すまんなファーリル。
   今度『アーネンエルベ』でお茶を奢ってやるから。」

フィーネ「あ、いいなー!あそこの紅茶美味しいんだってね!」

エル「さて、今回も楽しくやっていきますので、よろしくお付き合いください。」

フィーネ「この番組はロンドネル公営放送により、参謀本部からお送りいたします!」





―――――『今日の戦友!!』―――――





エル「戦友……、つまりゲスト紹介のコーナーだ。」

フィーネ「今回からは冒頭からゲストを呼ぶから、賑やかになりそうだね!」

エル「さて、フィーネ。まだ第二回目にもかかわらず凄まじい戦友に来てもらったぞ。」

フィーネ「うん!私も聞いてる!楽しみで楽しみで夜寝れなくて昼寝しちゃった!」

エル「収録直前まで昼寝とはいい度胸だな。」

フィーネ「ちょ、ちょっと緊張をほぐそうと…」


エル「では、本日のゲストはヴァル=フレイヤさんです!どうぞ!」

フィーネ「うわー!キンチョーする!」




ガラッ


放送室に入ってきたのは、赤髪のポニーテールが特徴的な
革防具を基礎とした新米冒険者装備の女性だ。
前を見据える瞳には、どことなく強い意志が垣間見える。


カキッ、カキッ、カキッ、カキッ、カキッ、カキッ


だが非常に緊張しているのか、歩く際に手と足が同じになってしまっている。
その表情にも大きな期待と緊張が混ざっていた。



フレイヤ「え、えっと、グーテンターク(こんにちは)!
     いっひ…びーん、ヴぁる=ふれいや…(私はヴァル=フレイヤです)
     いっひ、びーん…あどべんさー(冒険者です。)
     いっひ、かむ、あす…しんぼり…(シンボリから来ました)」

フィーネ「なんか私よりも緊張してる!?」

エル「まあ落ち着け。
とりあえずここでは無理にユリス語使わなくても通じるからな。
まずは深呼吸、吸って…」

フレイヤ「すぅ〜〜…」

エル「吸って…」

フレイヤ「すぅ〜〜…」

エル「吸って…」

フレイヤ「す…っ……、…………、…って殺す気ですか!?
     吐かせてくださいよ!」

エル「うむ、緊張が解けてなによりだ。」

フレイヤ「緊張を解いてくれたんですか…、
     普通に深呼吸でもよかったような気がするんですが。」

フィーネ「にいさんはゲスト相手でも容赦ないね…。」

フレイヤ「い、いえ…こちらこそ相手がエルさんって聞いた時から緊張して緊張して。
     それにしてもまさか『戦略の母』と言われるエルクハルトさんに
     本当に会えるとは思いもよりませんでした。」

フィーネ「私も!フレイヤさんに会うのをすごい楽しみにしてました!
     サイン貰っていいですか!」

フレイヤ「え…さ、サインですか!?」

エル「フィーネ、収録が終わってからにしろ。
   せっかくのゲストを立ちっぱなしにさせるわけにはいかんだろう。」

フィーネ「そうだったね!
     じゃ、改めて自己紹介をお願いします!」

フレイヤ「分かりました。」



そう言ってフレイヤは、指定された席に着席する。



フレイヤ「みなさんこんにちは!私の名はヴァル=フレイヤと申します!
     シンボリ大陸世界のオステカ村出身の冒険者です。
     まだ新米ですが、これから頑張って一流の冒険者を目指したいと思います。
     趣味は読書で、エルさんのことについて書かれた歴史書も
     いくつか読みました!そして本物に会えると聞いてとても嬉しいです!」

エル「さて、本物に会った感想は?」

フレイヤ「放送作家さんから聞きましたけど…
     失礼ですが…男性…
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