第6章:カンパネルラ電撃戦 前編


カンパネルラ攻略を目指す十字軍が最初に目指すのは
やや標高が高い平野に位置する、自由都市アネット。
前線基地のアレイオンからは最短距離で4日と
そこそこの距離がある。
さらにカンパネルラまでは直線距離でも二週間かかる。
この先、プラム盆地を抜けることを考えれば
相当な期間がかかることは想像に難しくない。

アネット攻略隊の先発として投入されたのは、
カーター率いる第三軍団だった。
進むべき道は高低差が大きく、幹線道路以外は
村と村をつなぐ程度の道しかない。
軍団規模で素早く行軍するには、幹線道路を通るしかない。


「カーター軍団長。この先に、ようやく開けた土地が見つかりました。」

カーターにそう報告するのは、緑の髪をツンツンに伸ばした男性騎士だった。
彼はユリス諸国連合所属のシモンという竜騎士の将軍である。

「そうか、ご苦労。今日はそこで野営で決定だ。
この先に平地があるとは限らないからな。」
「はっ、では全軍にそう通達しておきます。」

一方でカーターの意見に応じたのは、立派な赤髭を持つ重騎士だった。
こちらは帝国軍所属の将軍、ゼクト。
彼はカーターが帝国で将軍になってから常に右腕として活躍してきた。
多国籍軍を率いるカーターにとっては最も頼りになる将軍である。

「さて、シモン。アネットまでの行軍路をどう見る?」
「そうですね、このままいけば幹線道路を進んでいき、
明日の夕方頃にはアネット攻略の前線基地建設に取り掛かれるでしょう。
しかし、おそらく敵は何らかの形で幹線道路を封鎖してくる可能性が高いでしょう。」
「だよな。そう簡単にアネットまでたどり着けるとは思え…」

「カーターさんただいまー!」
「うぉう!なんだ、その声はミーティアか!?」
「ぴんぽーん!大正解!」

突如として何もないところから声がしたかと思うと、
その場に一人のフェアリーが出現する。

「軍団長、なんですかその妖精は?」
「こいつはユリアさんから紹介してもらった特別偵察兵だ。」
「どもっ!私はミーティアって言います!よろしくね!」
「え、あ、うん。」

やたらテンションが高いミーティアに押され気味のシモン。

出陣の前、ユリアが北の森に住むミーティアに別れの挨拶をしたところ
「だったら私も一緒に戦う!」
といって勝手についてきたので、どうせだからということで
特別偵察兵として生き生きと任務をこなしている。
彼女は妖精でありながら、若干の転移魔法と隠蔽魔法を使えるので
偵察兵としてうってつけだった。

「それよりもカーターさんにお知らせっ!」
「何か発見したのか?」
「この先の道で何か建設している部隊がいたわ。」
「ほう、どのへんだ。」
「うーんと、ここらへんかな?」

机の上に広げてあるアネット周辺の詳細な地図の
ある一か所をミーティアは指差した。

「幹線道路沿いの丘…ですね。それも道の両側に。」

シモンは等高線をみて即座に判断した。

「まるでおっぱいみたいだね。乳首でも建設してるのかな。」
「バカヤロウ!もっとましな例えが出来んのか!」
「落ち着けシモン。俺は結構的確な表現だと思う。」

顔を真っ赤にして怒鳴るシモンをカーターはなだめる。

「ですが軍団長…」
「真面目なのはいいことだが、少し心に余裕を持った方がいいぞ。
さて、話を戻すがこの二つの高台に陣を構えて、
高低差を生かした防御陣地を築くつもりなのは明らかだ。
柵と簡単な櫓なら一日で建設できる。」
「では今夜中に夜襲をして陣地を破壊するのは?」
「まあまて。まずは今日の野営地を確保して
そのあと将軍たちを集めて作戦会議だ。」


第三軍団30000人はやや開けた土地を危険がないか判断してから
野営の準備を進めた。
今日は司令部の幕舎を真っ先に張り
さっそく第三軍団の将軍たちを招集した。

内訳は
・カーター:帝国軍出身 軍団長 男性  ドS
・ゼクト:帝国軍出身 副軍団長 男性  赤髭
・シモン:諸国同盟出身 第一師団長 男性  緑髪ツンツンヘアー
・カシス:教会騎士団出身 第二師団長 男性  茶髪オールバック
・ミラリィ:諸国同盟出身 第三師団長 女性  常に伏せ目
・カステヘルミ:帝国軍出身 第四師団長 女性  年増
・ブロイゼ:帝国軍出身 第五師団長 男性  パンチパーマ 
・テア:帝国軍出身 第一師団参軍 女性  白い司祭の服装
・イーフェ:諸国同盟出身 第二師団参軍 男性  鉢巻してる 
・カレルヴァ:教会騎士団出身 第三師団参軍 男性 身長が一番大きい
・トステム:諸国同盟出身 第四師団参軍 男性  眼帯
・フェスティ:帝国軍出身 第五師団参軍 女性  黒髪ウェーブ

ミーティア「えー、ここからの会議は話がごちゃごちゃすると思うから、台詞の前に名前を付けてみること
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