今期の格言
味方からでなく、敵から学んだのだ。街の周りに高い壁をめぐらせる事を。
―アリストファネス
(注:今回の格言は本家ゲームより抜粋)
フォクシミアン共和国首都…待宵郷(テンシャンクー)にて。
「どうやらあの子は無事にあの国にたどり着けたみたい。上手くいってよかった。
でもこれはまだ始まりに過ぎない。蜘蛛の糸はつながった……
切れないように慎重に手繰り寄せて…私の希望はそこにある。」
フォクシミアン共和国首長アイ=サン、
彼女は銀色の体毛を持つ九尾の妖弧であり、その体内に秘める魔力は
非常に膨大である。お淑やかな性格の中にも凛とした様子を見せる彼女は、
一癖も二癖もあるこの国の住人のリーダーとしてふさわしいだろう。
そんな彼女が率いるフォクシミアン共和国は、中央大陸のほぼ真ん中…
険しい地形の中に若干開かれた丘陵地帯にたった一都市ぽつんと存在する。
他の国と違い首都しか持たないこの国は、中央大陸の激戦区の中
何度も何度も隣国からの侵攻を受けてきていたのだが、
アイ=サンの指導の下、そのすべてを難なく撃退するという
まるで上級プレイヤーが中に入っているのではと思われるような
凄まじい生きざまを見せてくれている。
と、そこに……
「た、たいへんです里長様ー!たいへんたいへんたいへんたいへんたい!!」
「…落ち着きなさいキーニ。大変なのか変態なのかわかりませんよ。
大方、またどこかの国が攻めてきたのでしょうか。」
まるで必殺シュートの勢いで蹴られたサッカーボールの如く
部屋に駆け込んできたのは、ワーラビットのキーニ。役職は伝令。
「そ、そそそそれが!攻めてきたのはフリーダムトーチの軍みたいですーーーっ!」
「…………おかしいですね。宣戦布告は受けていないはずですが。」
これが、後々まで続く中央大陸大乱戦のきっかけになると、誰一人思っていなかっただろう。
…
視点は戻って智鶴率いるダークエルフ国。
「エルフを攻めるわよーっ!」
『おーっ!!』
「愛用鞭の手入れはオッケー?」
『おーっ!!』
「一人残らず調教するのよっ!」
『おーっ!!』
「あはは…ほんっと、元同族を攻めるとは思えないテンションの高さだね(汗」
「別に殺しに行くわけじゃないんだから問題ないんじゃないかしら。」
兵士たちを鼓舞するルーツィエを近くで眺める智鶴とザリーチェ。
まるで他人事のようであるが、今回予定される戦いが今後を左右する
ことはちゃんと理解している。
ダークエルフ首都クロケア・モルスと翠緑の護り手首都エヴァーモアは
お互いスタート地点が非常に近かったため、今では文化圏が隣接、
さらにルーツィエもイクシーも創造志向持ちなので、
国境線が激しくせめぎ合い領土問題が深刻化している。
その上翠緑の護り手の領土は、ダークエルフ国と
現在の仮想敵国であるヴァルハリア教国に食い込む形をしているので
ヴァルハリアに対する備えとしても早めに攻略したいところだ。
「じゃあ智鶴君、私はちょっと用事を済ませてくるからルーツィエをお願いね。」
「え、いいけど…どこか行くの?」
「ちょっと南の大陸までね……。心配しなくてもいいわ、
戦勝パーティーまでには戻ってくるから。」
一方のザリーチェは、前回の最後に出会った文明…フォクシミリアン共和国のことが
非常に気になるらしく、自分で様子を見に行くことにしたらしい。
それと同時に、スコアが非常に高く動きが活発なヒルパス連合についても
いろいろと知っておかなければならない。
「ちーちゃーん、準備できたー?」
ルーツィエが智鶴を呼ぶ声が聞こえる。
「あ、うん。僕はもう準備万端だよ!今行くね!」
「ふふふ、いってらっしゃい智鶴君。相手は主力が長弓兵だから、
くれぐれも正面からの殴り合いはさけるのよ。」
「お留守番はエミィにお任せなのですよー。
ですけど、なるべく早く戻ってきてくださいね、智鶴様♪」
「うん!いってくる!」
こうして、首都に集結したダークエルフ軍は、翠緑の護り手に向けて矛先を向ける。
と、その前に…
「外交画面開いてっと。」
どこからともなく翠緑の護り手の外交画面を呼び出す。
「む、なんだ…ルーツィエか。」
「ふっふふふ〜お久しぶりね姉さん。相変わらず不景気そうな顔してるわね。」
「余計なお世話よ。」
外交画面を開くなりあからさまに不機嫌な態度を示してくるイクシー。
現在の態度は「いらだっている」なので当然の反応か。
「あなたの顔は当分見たくない、要件は簡単に済ませなさい。」
「そう、じゃあそんなわがままな姉さんのために手短に一行に要約するわね。」
では皆様お待ちかね。ルーツィエと一緒に叫びましょう。せーのっ
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