第12期:ハーピーたちの歌声が告げる


今期の格言

私たちはみんなひとりだ。
個って云うのは『これ以上分けることが出来ない』という意味。
逆に言うなら、分けられてるのだから自分の個性は他人に理解されない…
という意味でもある。けれど生きてみると、思っていたよりも
周囲からの影響は大きい。何より、自分が生きていると自分で知るために
自分以外の人間が必要不可欠だということが分かる。
だけどそれは怖いことでもある。
今まで総て自分の物だけだった安らぎも、痛みも…
独りでなくなったとき、総体と共有されるものに変化するからだ。

……それでも。

それでも、自分の痛みや苦しみが誰にも知られずに
積もっていく恐怖に比べれば、些細なものに違いない。

―アイ=サン




魔王歴179期…エルフ大陸の一角で大きな勢力を保っていたトメニア王国は、
隣国ヴァルハリアの電撃的な侵攻により、国土を一瞬にして粉砕された。
そしてトメニア王国の持つ豊かで広大な領土はヴァルハリア教国の物となり、
今や大陸中で揺るぎない巨大帝国となってしまった。
智鶴率いるダークエルフにとって、あまり好ましくない状況であるが
こういう時こそ、慎重な立ち回りで何とか優位を確保したいものである。

「そんなわけで、次の攻撃目標は翠緑の護り手で決まりね。」
「う〜ん…トメニアとの戦いが終わったばかりなのに、もう次の戦いのことか…」
「エミィも平和が一番だと思いますが、今回は時間がありませんから。」
「あのライオンハート、本当に自重してくれないものかしら。」

もはや将来的にヴァルハリア教国との衝突は不可避であり、
その上開戦時期はライオンハートの気分次第というとんでもない状況で、
智鶴たちはとてもゆっくりしている暇がなかった。

「そろそろ本格的に開発に着手したいのに、上手くいかないものねぇ。」
「あら、ルーツィエ。労働者なら足りてるはずよ。
どさくさに紛れて旧トメニア領から2ユニットほど拉致してきたし。
あ、でもマナノード(魔法の元になる資源のようなもの)の活性化は
早くやっておきたいところね。」

ザリーチェは、ルーツィエが珍しく内政に真剣になってると思っていたようだが…

「違うわよザリーチェさん。私が開発したいのは…ちーちゃんとエミィちゃんのからd…」
「ちょわっ!!」

ザリーチェはハリセンを取り出した!
偽天使流奥義『ハリセンキック』炸裂!
ルーツィエに99999999のダメージ!

「ちょっ!?いきなりヒドイ…!あと今の攻撃ハリセン関係ないよね!?」
「だまらっしゃい!あなた指導者なんだからいい加減公私の区別つけなさい。」
「ま、まあまあ二人とも…喧嘩しないで。」
「エミィの身体…開発されちゃうんですか…?な…なんか、ちょっと楽しみです♪」

そんなわけで、ダークエルフ国の愉快なメンバーは今日も平常運転のようだった。





「さあ今日も張り切って仕事するよ!」
「いい心掛けね智鶴君。本当はルーツィエやエミリアとずっとイチャイチャしたい
年頃なんでしょうけど、めんどくさがらずに仕事するのは偉いわ。」
「う…ま、まあ……否定はできないけどね…」

ザリーチェに茶化されながらも、プレイヤーのお仕事再開。

「いきなりだけど、来客が来てるみたい。それも…南の新大陸からね。」
「南の新大陸!…それってルミナさんが言ってたすごい大きな大陸のことかな!」

どうやら、数ターン前に出したブラックハーピーの偵察隊が、
ちょうどエルフ大陸と中央大陸の間の海峡で偶然出会ったらしい。
その相手の偵察隊のハーピーがここまで来ていたようだ。

「ちゃーっす!自分は『ヒルパス連合』から来ましたー!よろしくどぞー!」

―――――《他文明発見》―――――

・ヒルパス連合
指導者:リアナ&ロイズ 女性 種族:ケンタウルス
amp;デュラハン 属性:魔
志向:攻撃/侵略 固有志向:騎兵ユニットに初期昇進『側面攻撃T』
外交態度:不満はない
国教:特になし

リアナからのメッセージ
「ようこそ!私たちは筋さえ通れば金次第で何でもやってのける命知らず!
不可能を可能にし、巨大な悪を粉砕する、私たちヒルパス連合!」
ロイズ
「私達は、道理の通らぬ世の中にあえて挑戦する。頼りになる神出鬼没の、
騎馬民族傭兵国家。助けを借りたいときは、いつでも言ってくれ。」



「な、なんかまた…すごい国が出てきたんだけど……」
「騎馬民族の連合体…ヒルパスね。見てわかるとおりライオンハートに勝るとも劣らない
戦闘集団ね。義理堅いのはいいんだけど、相手するとなれば相当厄介よ。」

まず中央大陸での最初の出会いは、現在スコアトップを走る最強の国家…ヒルパス連合。
攻撃志向に侵略志向(全ユニットが強力な昇進を持つ)と、戦争しかできない…
いやむしろ、戦争
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