今期の格言
「『雑草』という名の草は存在しません。どの草にも名前はあるんです。
そしてどの植物にも名前があって、それぞれ自分の好きな場所を選んで
生を営んでいるんです。人間の一方的な考えで、これを切って掃除してはいけませんよ」
――ジパング・天皇の回顧録より
「聖エロニア共和国陥落を祝って、乾杯!」
『カンパーイ!!』
カチャーン!
ダークエルフ国では、敵の一つだった聖エロニア共和国を下したことを祝って、
豪華な宴会が催されることになった。
初戦を華々しい勝利で飾ったダークエルフたちは、
どの町でも戦勝を祝い、この戦いを勝ち抜いた現人神、智鶴を褒め称える。
「智鶴様万歳!ルーツィエ族長万歳!」
「この戦いでようやく私も念願の愛奴隷を手に入れたわ……うれしい♪」
「今ならどんな国が相手でも負ける気がしないさね!」
そしてひときわ喜びが大きかったのはルーツィエとザリーチェ。
首都クロケア・モルスにある宮殿で行われる先勝パーティーには
リートゥスから取り寄せた魔界ワインをはじめ、
テーブルには今までにない豪華な料理が用意されていた。
ルーツィエの音頭で乾杯が叫ばれた直後、場にいるダークエルフたちは
さっそく遠慮なく飲み食いを始める。
その中で智鶴は………
「あら智鶴君、ワイン飲まないのかしら?」
「だって僕は未成年だし。まだお酒は飲めないかな。」
ザリーチェが智鶴にワインを勧めるも、
彼はまだ高校生…現実世界では未成年者の飲酒は固く禁じられている。
それが普通だと思っている彼はワインに手を付けようとはしない。
「ふふふ……ちーちゃん、飲まないなんてお姉ちゃんが許さないわよ♪」
「そうですよ智鶴様!おいしいんですから!」
「わぁ、ちょっ……ルーおねえちゃん!?それにエミィまで!?」
だが、そうは問屋が卸さない。さっそくルーツィエとエミリアが智鶴に絡んでくる。
ルーツィエはまだしも、エミリアはもともと自分が率いていた国を倒した記念の
宴会を楽しむのはどうかとも思うが、もう中身は智鶴によって魔に染まってしまった彼女は、
一口飲んだだけで酔いが回ったようで、赤ら顔で彼にせまる。
「ほら、観念して飲みなさいったら♪」
「あうあうあう……。」
結局断りきれなかった智鶴は、グラスを片手に意を決すると
グラスを傾け、ワインを一気に飲み干した。
自分がアルコールに強いかどうかも分からぬまま飲んだワインは、
いざ飲んでみるととても口当たりがよくまったりとした味がする。
思ったほど悪くない。いや、むしろ……
「おいしい……。」
「でしょう♪この世界ではまだなかなか取れない魔界産の果物を使った、
上等なお酒なんだから、まずいわけがないじゃない。」
「智鶴様〜!今度はエミィが口移しで飲ませてあげます〜!」
「その次はお姉ちゃんに口移しで飲ませてほしいな♪」
「うん、いいよ!みんなで一緒に飲み明かそう!」
『いやっほーうぃ!!』
「あらあら、意外と上戸のようね。」
智鶴のテンションが上がったことで、場の勢いがさらに盛り上がり、
全員飲めや歌えやの大騒ぎとなっていった。
「よーし!久々に私の自慢の歌声を披露しちゃおっかな!」
「いよっ!族長!待ってました!」
「私鍵盤を演奏しますね!」
「だったらわたくしがクラリネットを!」
ルーツィエは歌が得意で、直属の部下たちもその場で演奏を始める。
さすが創造志向の指導者だけあって、文化的な特技を持っている彼女。
初対面だと結構意外に思うかもしれない。
「ルーおねえちゃん!僕も歌うよ!」
「エミィも〜!」
こうして、初めはとても賑やかに進んでいった宴会だったが、
時がたって誰もが酔いしれてきたころになると、場の雰囲気が徐々に変化してくる。
まず、夫もちの者たちは宴会のさなかであるにもかかわらず次々と離席し始める。
彼女たちはすでに体からこみあげてくる熱い性欲に支配され始め、
ふらふらとした足取りで人目のつかないところにいくと、
そこで交わり始めてしまった。
それもそのはず、今回の宴会で出されたワインは『陶酔の果実』という
特殊な果物を抽出したもので、飲んでいくうちに
その名の通り陶酔するように情欲に支配されてしまう。
そうとも知らずに多量に飲酒してしまった智鶴は……
「んん〜…おっぱいふかふか〜♪」
「あんっ♪智鶴様ぁ……っ!智鶴様がわたしのおっぱいを…♪」
「あ〜!あなたずるい〜!私も智鶴様におっぱいもんでもらうんだもん!」
「私も……一度でいいから智鶴様と…キスしてみたかったんですぅ…♪」
「……あら、智鶴君。ユニットにまで手を出しちゃって、エッチなんだから♪」
いつもは性的な行為に抵抗を示す智鶴が、こともあろうか
同じ宴会場で飲んでいたダークエルフ軍最精鋭のユ
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