あなたは、ちょっと意地悪な提案をして来た。
コーヒーの苦い匂いが立ち込める朝に、優し気な日の光が立ち込めて、テーブルを囲む私たちを包んでいる。
そんな陽気な日に、一体どんな不吉な話をするのだろうか。
不安に駆られて、分かりやすく動揺する私にあなたは、柔和な笑みを浮かべながら言った。
「ポリネシアンセックス、って知ってるかい?」
異国情緒あふれる言葉の響きなので、きっと、とんでもない激しいプレイを強要されるのだろう。
繋がれて、愛し合えるのならば何でもいいので、とにかく聞くだけ聞いてみよう、と知らないと回答。
あなたはそれを聞くと、そうか、なんて嬉しそうに語気を弾ませて頷く。
サスペンダー姿にズボンと白シャツのあの人は、農作業で忙しくしているにも関わらず、毎日のように求めてくる。
私としては、休んでもらいたい気持ちがあるものの、楽しそうにしている姿を見ると、どうしても躊躇ってしまう。
なので、家だけはゆっくりと穏やかな暮らしを築けるように、私が支えていました。
今回の話は、あなたの提案でそんな暮らしに変化を齎そうということで、この日から五連休を取って二人っきりで楽しもうという話だった。
「でもいいの……?」
畑で苅穫した収穫物は、街に売りに行っている物で、生活費にもなっていた。
お得意様なんかも付いているので、心配だ。
しかし、彼は楽観的に生きている訳でもない。
「大丈夫さ」
実は、今度から畑の一部を貸し出して、共同で栽培していくことになったようで、月に五日ほど一気に休みが取れるように話し合いをしたそうだ。
私は安心した。
でも、そんな五連休をどう過ごすのだろうか。
あなたが言うには、ポリネシアンセックスと云うものがあれば、そんな暇を潰せると言うのだが、その内容はよく分かっていない。
ここで教えられたポリネシアンセックスの説明ですが、一般的には五日間のセックスで、挿入は一回しか行えず、四日間は愛撫です。
挿入する日は所定の日付の最終日で、それまで高め合います。
寝るときは抱き合いながら寝ます。
挿入するときは一時間ほど愛撫し、挿入してからも30分は繋がったまま静止し、ここでも弄り合います。
挿入後の注意はまだまだ存在し、勃起しなくなったり濡れなくなったら動いても構わないのですが、動くときは激しい動きではなくスローで。
なるべく、まったりとした雰囲気を保つように心がけましょう。
……と、こんな感じ。
一日目。
あなたに後ろから抱き着かれながら椅子に腰かける私(ドローム)。
ただ腕を回しているだけで、何もしてこない。
たおやかとは程遠い、このわがままボディを前にすれば歯止めの利かなかったあなたが、目をつぶって黙っている。
鼻息が耳朶と首筋を通り抜けて、擽ってゆく。
首筋に唇をあててキスをし、立て続けに耳を甘噛みした。
ノームの名残として残ったこの耳は、長いだけあってとても敏感であり、私は身体を跳ね上がらせた。
こんなにも焦らされたのは初めてで、そろそろ襲ってしまいたいのだが、それを察知したあなたによって押さえつけられながら、あと四日と耳元で囁かれた。
家事も食事も済ませて一息ついたところで、あとは寝るだけとなった頃、ベッドの上では、二人の熱い営み…のための御膳立てとしての前戯が行われていた。
手の甲を撫で、指の一本一本に対して繊細な動きで触っていく。
ワインのコルクを丁寧に扱うように。
肩から胸にかけて手をスライドさせ、胸筋を柔らかく解して行くように圧迫する。
指圧される乳房は、あなたのゴツゴツした指を吸収するように沈め込み、形をなくしていく。
こねくり回された。
逞しい腕と熱い胸板を伸縮させながら、テントを張っている姿を見ると、あなたも随分とやせ我慢をしていたようで安心した。
身体を反転させられながら、手は腰からお尻に移っていった。
臀部は、まるでメンチカツの衣を落とす工程の肉を打ち付け合わせる姿によく似ており、挟ませるのが好きなんだな、と再確認しました。
二つの山を寄せたり、離してみたり。
上下に左右を弄んでみたり、押してみたり。
しかし、私は濡れていた。
あなたは、手を恥丘からワレメに移動させ、中に指が入らないよう細心の注意を払って愛撫した。
あんなに太い指が器用に細い溝を撫でて行く。
もう、これ以上待てなくなった私は、あなたの手を無理やり突っ込ませ、指が二本入ったところで、蜜が溢れて止めどなく流れるのを感じながら動かなくなった。
今日はここまでで、焦らしたまま終わるのだ。
あなたは、シーツの端を掴みながら私に覆い被さり、猫とじゃれるように子どもっぽい声を出しながら抱擁し、シーツの中で二人っきりの空間が生まれた
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