「そんじゃ、また明日なぁ〜!」
「あぁ、それじゃ!」
こうして、僕の一日はまた終わりを迎えた。
後は家に戻って家事を終わらせたら宿題をして、それからお風呂も入って・・あとなんだっけ・・
「ハックション!うぅ〜・・・」
風邪でもひいたかな?
何だか誰かに噂されてるような気もするけど。
その時だった。
僕の人生を大きく変える出来ごとに出会ったのは。
「アルバイト、やってみませんか?!」
なんだろう、この子。
アルバイトごっこか何かか?
確実に仕事してるような歳じゃないよな。
それにここは雪も積もって寒いと言うのに彼女はなんだか顔が赤い。
「いや、アルバイトはちょっと…」
「……どうしても…?」
何故泣きだす!
それにしても可愛い。
なんでこんな小学生が僕なんかに声を掛けてくるのやら。
それにしても可愛い。
「だから、無理だって…」
どうだこの毅然とした態度。
親はこんな態度をしているか?
「…ヒクッ…エグッ…」
あっれ〜?
僕何か貴女が悲しくなるような事したっけ〜?
あぁ〜、アルバイト断ったことしか思い出せない。
「あぁ、もう分かったよ。するよ、アルバイト。」
「やったぁ!新入り君捕まえた〜!」
なんだよ新入り君って。
そんなこんなで、僕の人生は大きく変わって行くのだった。
――――――――――――――――――――――――――
「てんちょー!新入り君連れて来ました〜!」
来たのは意外や意外、本物のレストランじゃないか。
客もそこそこ居るし、何よりウェイターが女性しかいないのもどうかと思う。
まぁ、そう言う事に僕が精通している訳でもないが。
「でかしたチビっ子」
「ちっちゃくないもんっ!」
なんだこのコント。
それにしても可愛い。
「お前が新入り希望者か。まぁ、精々頑張れよ?」
希望はしてないんですけどねぇ!?
というかなんだこの人。
店長とか呼ばれてたけど、実際はどうなんだ?
「それじゃ〜ね?まずは自己紹介からして?」
それにしても可愛い。
「あ、えっと…爲葉 光定って言います…」
「よろしく」
「よろしくね、光定くん?」
「よろしく!えぇと、えぇと…」
「爲葉です。」
「えとえと……ダメ破君!」
何か間違っている。
でも可愛いから許す。
「それじゃ、まずはそこのチビ…」
「ちっちゃくないもんっ!」
「……仁賀の仕事見て覚えろ。」
「は、はぁ…」
それにしてもこの店長、どう言う事だ?耳は尖ってるし冬場なのに日焼けしたみたいに肌は黒いし。
確か授業で受けたっけ、その特徴を持つのはダークエルフと呼ばれる種族だって。
て言うか確か僕の通ってる学校の教頭もダークエルフだったよな?
「あ、美弥ちゃーん!何が欲しい?パフェでも作ろうか?」
今度はさっきも挨拶してくれた人だ。
今度は普通の人だ、よかっt…なっ!?
カチャカチャ・・・・
アレ絶対刀だよね!?
しかも音からして本物っぽい?!
まぁ、本物の音なんか聞いた事無いけど。
しかも衝撃の事実!
彼女、良く見たら普通の人じゃない、店長と同じで耳が尖ってる!
あれ?でも、別に肌が小麦色な訳でも無い。
授業で聞いたっけ、あれはダークエルフに良く似た種族のエルフだって。
そういや僕のクラスの担任もエルフだったっけ。
「あぁ、琴音か。そうだな、パフェ作ってくれ。」
「はぁい!美弥ちゃんの為なら喜んで〜!」
あれでいいのかよ店長。
ともあれ、アルバイトの勉強でもするか。
「えっとね?このコップはスープ用のだからね?これは上の方に…上の方に…んぅ〜!」
背伸びしても一番上は愚かその下の段にも届かないとは。
こうして困っている仁賀ちゃんは可愛い。
「おーい、仁賀コレ4番テーブルに持って行けー?」
おっ?こっちの人は男の様だ。
ただ、なんか目つき悪いなこの人。
「あん?新入り、何か言ったか?」
「いえ、別に何も…」
「あっ、皇さん手伝って〜!」
あっ、足滑らせた。
「よっと…」
なんてスピードだ。
一度扉を開閉してから仁賀ちゃんを受け取るまでに全く隙が無い。
「あ、ありがとう皇さん…」
「さっさと運べよ?冷めちまうだろうが」
あぁ、そういう意味で助けたのか。
「は、はい!」
慌てて走って行く仁賀ちゃんも可愛い。
「おい新入り、お前気付いてるのか?」
「えっ?何にですか?」
「餌場に放り込まれたんだぞ?俺も、お前も!」
そう言えばなんだかココってウェイターも店長も他の人も魔物娘ばっかり…
あれ?男の人って僕とこの人だけ?
あれ?なんかヤバくない?ていうか僕ら絞られる運命にあるの?
「まぁ、俺は友人関係の事もあって、絞られたり喰われたりはないけどな?」
つまり遠まわしに「ようこそ注文の○い料理店へ」って言ってますよねぇ!
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