第7話 兄を思う気持ち

リーフとの初体験を学校の裏庭で済ませてしまったネルは、そのまま人に気づかれない様に自宅へ戻ると、顔を赤くして玄関で座り込んでしまった。

「・・まだ・・取り切れないよ・・お兄ちゃんの感じ・・」
自分を抱えるように両手を抱えたネルは、そのまま視線を下に向けた。そこは、リーフの大量の射精によってほんの少しだけ大きくなったように見える下腹部だった。半分は花弁で隠れていて見えないが、自分の体の事は分かっていた。感覚的にも、下腹部の辺りに違和感を感じている。

「はぁ・・お兄ちゃん・・恋しいよ・・お兄ちゃん・・」
リーフと一緒に居られないと思うだけで少し涙目になったネルは、そのまま暫く玄関で顔を赤くさせてしゃがんでいた。

「・・とりあえず・・部屋に行こう・・」
誰に言うでもなく呟いたネルは、やっと玄関を動いて自分の部屋へと入った。そこは女の子らしい、はたまたアルラウネらしい内装の部屋だ。その部屋の隅のベッドに寝転がったネルは、暫くそのまま動かなかった。

「うぅん・・やっぱり・・会いたいよ・・お兄ちゃん・・」
寝転がって、体をゴロゴロと転がしていたネル。その時、腕にまたもやあの生温かい蜜がネルの腕に触れた。

「まただ・・ひゃぅ!」
蜜を押さえようと吹き出し口を撫でると、体中に快感が走った。それもそうだ。吹き出し口と言う事は、学校に居た時にはリーフと繋がっていた場所。すなわち膣なのだから。そしてその快感に囚われてしまったネルは、その行為が病みつきになって何度も撫で始めた。

「ふぁ・・んぅ・・んっ・・あっ・・」
何度も自分の大事な場所を自分で撫で上げたり逆撫でたりしていたネル。すると、暫く続けていて段々と体の奥から一際大きな快感が湧き上がって来た。

「はぁっ・・んぁ・・お兄ちゃん・・お兄ちゃん・・イッちゃうよ・・」
一際大きな快感に縛られたネル。そしていつの間にか、リーフの事を想いながら行為に興じていた。

「ああっ!・・イクッ・・イクよ・・お兄ちゃん・・あぁぁぁっ!」
暫くはリーフが居なくとも行為に徹していたネル。しかし此処でいよいよ限界が来て体を少し震わせると、秘部から大量の蜜を吹き出した。そして慣れない気持ちよさから体が疲れて果ててしまったネルは、そのまま眠りに着こうとした。

「・・・あっ!後始末しなきゃ!ティッシュ!ティッシュ・・」
体力的に疲れて眠りに着こうとしたネルだったが、足に自分の噴いた蜜が触れたのを感じて慌てて部屋の何処かに有るであろうティッシュを探し始めた。それは直ぐに見つかって、あっという間に引っぱり出したネルはそれを拭きとろうとした。しかし、窓を叩く音が聞こえて動きを止めた。

「〈アルラウネさ〜ん!開けて下さいです!〉」
窓の外に居たのは、ハニービーと呼ばれる種類の魔物だった。大分昔のウラルの話によると、私たちアルラウネの淫蜜はハニービー等の蜜を必要としている魔物には高く売れると聞いていたネル。そしてその予想を捨て切らないまま窓を開けたネルは、ハニービーの少女と向かい合う形になった。

「ありがとうです!ちょっと貴女に用事が有るですよ!」
可愛らしい口調で話して来たハニービーの少女は、直ぐに自分の名前を「ハビィって言うです!」と元気よく自己紹介してくれた。

「それで用事なのですが、アルラウネな貴女の蜜を貰いたいです。有るですよね?こんなに蜜の匂いがプンプンするですから。」
予想通りな質問に、ネルは少し勝ち誇ったような気持ちになった。そして、鋭くも蜜の匂いまで突き止めたハビィは、窓から部屋の中を見渡してあっさりとネルが始末し損ねていた自慰の後を発見した!

「あれがそうですね?貰って行くですよ?」
そう言って窓を乗り越えて入って来たハビィは、早速蜜の採取に掛かった。恥ずかしくて止めて欲しかったネルだったが、蔓を伸ばそうとしても自慰の直後で力の抜けているネルではそんなことも出来なかった。

「ありがとうです!お礼は・・・そうですね。私の有り金全部です!貰っちゃってください!」
そう言ってハビィは、腰から下げていた鞄からお札の束を取り出すとそれを力の入り切っていないネルの足元に置くと、明るい笑顔で飛んでいってしまった。断ろうとしたネルだが、まるで疾風の様なハビィのスピードに鈍足なネルが付いて行くことなど到底無理だった。

「あれ?後始末の手間・・省けちゃった!」
自分に部屋に視線を戻したネルは、先程まで始末に困っていた蜜が跡形もなくなっている事に今更気が付いた。そして足元の札束を拾い上げたネルは、ハビィに心の中でお礼を言うとそれを自分の机の中へと押し込んだ。そして段々と力も戻って来たネルは、部屋でいつものように植物たちに水を与え、自分も少しばかりその水を飲んだりしてリーフの帰りを待っていた。
10/10/15 18:42更新 / 兎と兎
[1]作者メッセージを読む

[5]戻る [6]次へ
[7]TOP [9]目次
[0]投票 [*]感想[#]メール登録
まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33