「お兄ちゃん・・・・お母さん・・・・いま・・・会いに・・行く・・・ね・・・」
黄昏の空が丘全体を映し出している中、街から少し離れているこの場所に立つ桜の木の下で、一人の少女の命の灯が掻き消えた。
「・・・・(あぁ、お兄ちゃん。私、私ね・・・・?)・・・?!」
いくら時間が経過しようとも、苦しみから解放されずしかもふと気がつけば苦しみから解放されていた少女は、おそるおそる目を開けた。こんな筈は無い。自分はさっき此処で死んだ筈だと思いながらもうっすらと目を開いた。
「あれ?私、どうなってるの?これ・・・ひゃん!デカッ!てか私?!」
目を開いて、それが自分の命が消える直前と同じ黄昏に染まる夕日だと分かった少女は、驚きを隠せずにいた。その内、無意識に動かしていた小さな妖精に良く見られるような薄い羽根を気にしてしまうと、羽の動きが止まった。そしてそのまま重力に引かれて落下した少女は、何か柔らかい物の上に落ちた。何かを確かめた少女は驚いた。そこには、自分よりも遥かに大きな人の姿があった。その胸には[被検体77]と書かれている。このワッペンは、この少女が生前にいたとある施設の番号タグだ。それを目印に、この動かない少女が自分だと確信した。
「・・・・そっか!私死んだんだ♪」
まるで他人事であるかのように納得してしまった彼女は、軽快なステップで元自分の体の周りを飛び跳ねると、自分が生きている実感に浸って余計に嬉しくなってしまった。
「そっかぁ!やったぁ!生き返ったんだ♪やった・・(バンッ」
「・・・・・やったか・・?何だったんだ?いきなり木から湧いて出て・・」
嬉しくてステップを踏みながら周りをグルグル回っていた少女[ナナ]は、尚も喜びに浸っていた。しかし、何処かから銃声が聞こえてナナは倒れた。その直後に、一人の青年が茂みから飛び出して来た。彼の名はヨハン。この近くに住んでいる見習い猟師だ。彼の腰には今日の収獲である兎や狸が動かなくなってぶら下がっている。
「もぅ♪危ないじゃん♪お兄ちゃん♪」
「なっ!死んでなかったのか?!」
まるで銃弾なんか受けて無かったかのように、ナナは飛び起きるとヨハンに飛びついた。飛びつかれたヨハンは、撃ち殺した筈の相手に抱き付かれているのだから驚かない訳が無い。
「お兄ちゃんお兄ちゃん♪私ね?・・・・お兄ちゃん・・私にはお兄ちゃんが・・・あれ?お兄ちゃんはお兄ちゃん?えっ?あれっ?」
「はぁ?俺は君の兄貴じゃないよ。」
何度もお兄ちゃんと連呼していたナナだったが、彼女の意識の中に一人の自分に似た男の子の顔が浮かんだ。その瞬間、笑顔で一杯だった顔は何処かへ消え去って、代わりに疑問を沢山抱えた様な表情に作り変っていた。ヨハンは、何度も兄と呼ばれる事に多少のくすぐったさを感じつつも、否定していた。
「お兄ちゃん・・・・私と子供作ろっ♪」
「ちょっ!いきなり過ぎ・・ムグッ・・・・」
謎を抱えた表情をしていたナナだったが、その表情は一瞬で消え去った。そして、彼女の心の中を支配したのは魔物娘としての本能だった。ヨハンは、こんな何処の魔物とも知れない子と交わりたくなんか無かった。と言うより、彼にはH自体の経験が無かった。つまりは童貞だ。しかし、彼の貞操など考えても居ないナナは、慌てるヨハンの唇にキスをした。
「んぅ・・・ハフッ・・・お兄ちゃん、好きだよ・・・」
「・・んんっ!・・・プハッ!・・何なんだよいきなり!て言うか何が言いたいのか分からな・・んぅ・・・」
濃密な(一方的に)キスをしたナナは、顔を思いっきり紅潮させて気持ち良さそうな顔をしていた。ヨハンは唇を離されると、意味不明な行動に出ている彼女に幾つも疑問をぶつけようとした。しかし、彼はナナが無意識に掛けていた拘束魔法[バインド]に気が付かずそのままもう一度深いキスで襲われた。
「ンムッ・・・・ピチャッ・・・プハッ♪お兄ちゃん、おっきくなってるよ♪」
「そ、そんな事ある訳・・・うわっ!って!銜えるなぁ!てか縛られてる?!」
激しく熱い(一方的に)キスをしてヨハンの口内を犯して行ったナナ。しかし、今の彼女に[ナナ]としての意識は存在しているとは言えなかった。今の彼女を押し動かしている感情、それは[魔物娘]としての本能だった。それは、眼に光が無い事を見るだけで簡単に分かった。ヨハンは、ナナに自分の棒をズボン越しに撫でられて腰が抜けてしまった。そして足元に崩れ落ちてしまったヨハンは、そのままナナにズボンをずらされて銜えられてしまった。そのタイミングになって初めて腕を縛られていると分かったヨハンだったが、既に遅かった。この状況では助けも呼べないだろう。
「アハッ♪お兄ちゃんの肉棒・・・美味しそう・・・入れちゃうよ?ここ・・・」
「や、やめろ!考え直
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