ギルとの結婚式から、だいたい半年が経過した。
ギルの両親との挨拶も無事に終え、今では私の屋敷で共に暮らしている。
最初こそ魔界じゃないかと反対された物だったが、お腹にいる子供の為にも魔界で暮らす方が環境的にも適しているのだという医者の助言を得て、どうにか説得するに至った。
今となっては、魔界での生活にもすっかり慣れてくれたようで私も嬉しい。
「んぅ……ぎるぅ…」
「あいだっ!!」
「…っ!? す、すまない、つい…」
どうやら寝ぼけて彼の腕に噛み付いてしまったらしい。
血こそ出る程ではなかったが、噛み跡はしっかりと残っている。
驚いて眼が覚めた事もあって意識はすっかり覚醒した。
「最近多くなって来たね、それ…」
「うぅ……すまない…」
お腹にいる赤ちゃんの事もあり、私達はすっかりご無沙汰なのだ。
吸血がほとんど性行のスタートダッシュのように使っていた私にとって、ご無沙汰と言う事は即ち、吸血衝動に襲われやすい状態にある事も意味していた。
屋敷に帰ってきた頃は、魔力にあてられがちなギルの相手をしていた事もあり、経口摂取とは言え精を口にしていて衝動は抑え込まれていた。
だが、最近になってくると、どうにもギルの肌を見る度に喉が渇いて呼吸がし辛くなってしまう。
「生まれてくるまでの辛抱だから、頑張ってね」
「う、うむ…」
ギルがお腹を撫でてくれるだけで、幸福感に身体が弛緩してしまう。
表情まで弛緩してしまいそうだったが、ギルにそんなみっともない姿を見せる訳にはいかない。
そりゃ、性行に臨んでいる時は蕩けきった顔をしたりもしていたが、あれは「ああいう状況だからこそ」する顔なのであって、いつでもしていい顔という訳ではないだろう。
いつでもそんな顔をして生活している者がいるなら、病院へ行くべきだろうと思う。
「ご主人様がたー、朝食の準備が出来ましたよー?」
「おお、ピュアか…おい、ピュア?」
「はぁい?」
食事の準備が出来たとピュアが私達を部屋まで呼びに来たのはいい。
メイドとしての仕事を珍しく真っ当にこなしているのだから、本来なら褒めてやりたい所だ。
胸の谷間に溜まった、精液さえ見なければ。
「準備が済んだのは何分前だ? 答えて見よ」
「んひゅぅ! いっ…いひひひゃんまえへふぅぅぅ!」
ピュアが逃げられないようにしっかりと抱きしめ、腰に回した両手でピュアの尻尾を弄る。
コイツの性感帯が尻尾の付け根なのは、とっくの昔にお見通しなのだ。
そしてちょっとお仕置きしてやれば、あっという間に吐いてくれた。
「それまで貴様は、何をしていた?」
「だ、だんにゃひゃまといっひょにあしょんれ…」
「遊んでいた? ほぉう、どんな遊びをしていたのだ?」
言うに事欠いて遊びと来たか。
まあ確かに「遊び」なのだろう。
ピュアは名前の通り、まだ幼い子供のように純粋な所がある。
夫を見つけてからは淫らな方向へ進化しつつあるようだが。
「しょ…しょれはぁぁ…」
「ご主人様、ピュアをどうか許してやってください」
「ふむ、シュリヒトか」
シュリヒト
ピュアの夫であるインキュバスの男だ。
名前を体現したかのように素直な男で、実によく働いてくれている。
遊びの多いピュアより断然よく働いてくれているのだが、ピュアの仕事まで引き受けていたのを知ってからはピュアにもきちんと仕事をさせるように言ってある…はずなのだが。
「一つ聞きたい事があるのだが」
「はい、何でしょうか」
「お前、先程ピュアと何をしていた?」
「あ、ダメ!」などと言っている時点で黒なのは確定だ。
何をしていたのか聞きたい故、ピュアには私の胸に顔を突っ込んで黙って貰う。
窒息するような事は無いだろうが、はてさて…
「ピュアとは「あさのいちばんしぼり」をしておりました」
「ほほぅ…? お前、その言葉の意味を正しく理解しているのか?」
「はい。ピュアは私が朝起きた時にいつも、口や胸を使って私の男性器を…」
もういい。
…何故そんな「これからが良い所なのに」みたいな感じの顔でしょんぼりする?!
もしかしてこの話題が卑猥で恥ずかしい物なのだと理解していないのか?!
ピュア…恐ろしい子…
「…そ、それより、食事にしないかい? お腹空いちゃったよ」
「そ、そうだな! ほら、行くぞ皆」
「ぷぁっはぁ! はーい! ごっはん〜ごっはん〜!」
ギル、ナイスアシストだ。
本当ならばピュアのようにご褒美をやりたいところだが、下手をすると私の方がムラムラしてしまう。
お腹の子の為にも、今はまだ我慢せねば。
さあ、食事の時間だ。
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今日の食事も美味であった。
が、それよ
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