第9話 カクシゴト

謎のメモ用紙をリーフが落としたのを拾ったネル。タイミングを見計らって電話を掛けて、その相手が女性で、しかも聞き覚えのある。そう、あの時に一歩間違えればリーフの初めてを奪っていたかもしれないアラクネ、ラニィだと分かったネルは心の中にそのラニィに対する嫉妬心と、リーフを自分の物にしたいと思う独占欲だけ持ってリーフの部屋へと向かった。

「・・お兄ちゃん・・」
そして、ネルは直ぐにリーフの部屋に到着した。元々そこまで広くないのだ。直ぐに到着してしまう。そして、リーフは走らせていたペンを止めてネルの傍まで歩いて来た。

「・・ネル?どうしたの?気分悪い?」
ネルの顔を覗き込んだリーフは、ネルの顔色が優れていないと一目で分かった。ただ、その原因は他の場所にある。気分が悪い等の一般的な物とは違う。もっとどす黒い物にネルは顔色を悪くしていた。

「お兄ちゃん・・アレ・・した後にまた誰かとした?」
リーフに顔を覗きこまれたネルは、リーフにギリギリ聞こえる程度の小さな声で呟いた。

「な・・何言って・・」
「ホントはシチャッタンダヨネ・・あのお姉さんと・・」
リーフはもちろん否定しようとしたが、ネルがそれを片言になりつつある声で遮った。その声にはいつものような明るい声色は一切含まれていなかった。

「だって・・お兄ちゃんの体・・あの女の匂いがするもの・・」
「ちょっと待て!俺がラニィといつ・・!?」
「ほぅら、やっぱりシチャったんだ。私を放って・・」
「違うっ!そんな事してなんか・・」
「嘘だっ!!」
リーフが必死に否定を続けていたが、ネルはそれを認めようとはしなかった。心の中ではそうあって欲しくないと思っている筈だ。しかし、リーフの挙動が考えを裏切っておらずこれは予想通りだとしかネルには考えられなかった。尚も否定を続けようとしたリーフだが、ネルはその可愛らしい声から出るとは思えないような大きな声でリーフの口を一言で閉ざした。

「嘘はいけないんだよ?お兄ちゃん。それでね?私考えたの。お兄ちゃんがまたあの頃みたいに優しいお兄ちゃんに戻ってくれる方法。」
ゆっくりと自分の胸を撫で下ろしたネルは、リーフの隙を突いて四肢を全て蔓で縛り上げて磔にした。以前の様に勢いを付けるだけで千切れるような細さでは無い。相当に太い蔓を使っている。

「それはね?お兄ちゃんが私だけの物になる事なんだよ?」
そう言ってネルはリーフと同じ高さになるように自分も蔓で持ち上げると、リーフの体を撫でまわし始めた。昨日までは快楽と言う言葉すら知らなかったネルが、今は本能を頼りにリーフを恋している。

「さて、お兄ちゃん。またシヨウ?一緒にキモチヨクなろうよ。」
もはや本能の赴くままに自分の義理の兄を犯そうとしているネル。その時リーフはネルの瞳を見てただでさえ開けないでいる口が、息が止まるほどの痛みを感じた。その瞳は、焦点が何処かへ飛んでいって瞳孔が開いているように色の境目が見えない。しかも目尻には零れんばかりの涙が溜まっていた。

「お兄ちゃん・・ワタシ・・お兄ちゃんの事・・スキダヨ?」
片言になりつつもリーフを見つめたネルは、蔓を使ってリーフの服を器用に脱がせた。一瞬だけ、四肢の内の片方を外していたので反撃も出来た筈のリーフだったが、ネルがその間ずっと壊れた涙目で見つめているのを見て、まるでサキュバスが駆使すると言われる魅了の魔法を受けたかのように体の自由が利かなかった。

「お兄ちゃん。これからも・・ズット・・ずっと・・イッショダヨ?」
そう呟いたネルは、衣類全てを脱がされたリーフの唇に自分の唇を重ねた。そしてそのままリーフの口に舌を潜り込ませたネルは、熱いキスをリーフと交わした。その間、ネルとリーフの粘膜が接触する嫌らしい音は家の中全体に伝わっていた。

「んむ・・あむ・・んっ・・はぁっ・・」
リーフとどれくらいの間舌を交わらせただろう。かなりの時間舌を絡ませたネルは、暫くして名残惜しそうな顔をして口を離した。すると、二人の口からは粘膜が作り上げた白い糸のような物が橋の様になって二人を繋いでいた。

「ふふっ・・お兄ちゃん。マダマダダヨ?」
口から糸の橋が掛かったのを見たネルは、そのままリーフともう一度キスを交わした。

「(くっ・・このままじゃ・・心が・・死ぬ・・)」
ネルに何度も舌を絡まされ、段々と頭の中がフワフワとしてきたような感覚に陥っていたリーフだが、体には力も入らず、思考能力もだんだんと失われてきた。

「はぁ・・オニイチャン。あの女が汚した此処・・キレイにシテアゲル・・はむっ・・」
ネルが、またさり気無くリーフの口の中に淫蜜を流し込み、呼吸に余裕が無くなったネルは一度口を離した。そこで自分も息継ぎをしたリーフだが、ネルは今度はキスで肥大化しているリーフの大きく
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