「んうっ・・・はっ・・・あっ・・・」
暗い魔界の夜空の下、月明かりに照らされた一つの黒い影が見える。
夜の街に溶け込むような長い黒髪、一糸まとわぬ一人の少女。
そして少女の足元に黒い球、それは少女の全身へと、無数の黒い触手を絡ませ、犯し続けている。
『魔界でも滅多に見ないと言われる魔物、ダークマター。『闇の太陽』と恐れられし魔物。
魔界を空から見下ろし、地上で行われている、ヒトと魔物の淫らな行為を観察し続け、自身も快楽を貪り続ける・・・。』
とかそんなカッコいい状況かと思ったけど、そういうわけではなさそうだ。
「うっ・・・!!あっ、あぅ・・・っーー!!」
触手が彼女の一番奥深くを貫き、同時に少女は絶頂に達する。
びくびくっ、と身体を震わせ、荒い息で前のめりに球体へと倒れ込む。
秘所から触手が引き抜かれると、小さく音を立てて潮が吹き出した。
「はぁ・・・はぁ・・・・・・・・あー・・・うー・・・」
球体に身体を預け呼吸を整えると、うらめしげな目線で地上を見下す。
「うがーー!!!毎日こんな触手で自慰したって、なんにも満たされないよー!!!!うぐっ、ひっく・・・男ぉ、男をよこせぇ・・・」
悲しき心の叫びが魔界の夜空にこだまする・・・。彼女は泣きながら身体を起こすと、再び触手にまたがる。そしてまた、満たされない夜を過ごすのであった―――
―――かつてこの土地には平和な町があった。少し前、その町に大量のサキュバスが押し掛け、町は一夜にして魔物の巣窟となった。
もはや日夜関係なくヒトと魔物が交わるような場所になったそこでは、大量の魔物の魔力が溢れかえり、ひとつの性欲の塊、新しく魔物を生み出した。
彼女は、そうして生まれたダークマターだった。
本来なら、魔界を照らす太陽、この地も大いに栄え、ヒトと魔物が溢れかえっているだろう。
だが、この町には誰ひとりいない。ただ、一人の少女と、黒い球体だけが存在する町だった―――
―――朝、魔界の分厚い雲の隙間から薄い日の光が届く。
魔界の空でぷかぷかと浮かびながら睡眠を取っていた彼女が、むくりと身体を起こした。
一つ大きく伸びをすると、まだ開き切っていない目をこすりながら、ぺちぺちと球体を叩く。
球体を起こしたのだろうか、ぷかぷか漂っていた球体はぴたっ、と止まり、高度を一定に保つ。
少女はしばらく、ぼーっと遥か彼方を眺めていたが、何かを諦めたように下を向き、地上へと高度を落とした。
向かった先は町の農民が使っていた畑。無人の町で食糧がぽんぽんと手に入るわけがない。彼女自身が作っているのだ。
「・・・畑・・・もうちょっと広くないとお腹空くかな・・・広げよっか・・・」
そう独り呟いてからぺちぺちと球体を叩くと、球体は触手を伸ばして農具を取り、畑を耕し始めた。
球体はまた別に触手を伸ばすと、今度はニンジンやらじゃがいもやらの収穫も同時に行う。
「んー、今日のご飯は野菜スープかな?」
再び独り言。無人の町での聞き相手と言えば、下の球体ぐらいか。
少しの期待を込めて球体を見るが、球体が返事もするわけもなく黙々と作業を続ける。
拗ねたような、それでいて諦観気味な表情でため息をつくと、ばたん、と球体に倒れ込み目を閉じる。
「うー・・・やっぱまだ眠い。黒いの、作業続けててね・・・おやすみ・・・」
そう言って、少女は眠りについてしまう。
静かに寝息を立てる少女をのせた『黒いの』と呼ばれた球体は、特に文句を言う様子もなく布団代わりに触手をかぶせると、畑仕事に戻ったのだった―――
―――暗い、闇の底で目を覚ます。
自分は誰か、ここはどこか、何もわからない。
ただ、胸の奥から感じる、強い欲求。何かを求めて、自然と体が動く。
足元には、黒いヘンな球体と、触手。
周りからは、魔物の嬌声と、男性の荒々しい声が聞こえていた。
辺りが真っ暗になり、別の光景が浮かぶ。
自分も混ぜて欲しい、そうサキュバスに言ったが、聞いてもくれない。
邪魔だから、と家から追い出される。家の中からサキュバスの艶めかしい声が聞こえだす。
少し、自分が生まれるのが遅かった。町の男は全てサキュバスを始めとする魔物が抱え込んでしまっていた。
「ダークマターが旦那を横取りしようとしている」いつしかそんなウワサが流れ、気がつけば一人ぼっちになっていた。
生まれてすぐの自分は、ただ男性(の精)がどういうものかを知りたかったのに。
再び暗闇、また別の光景。
町の外で何かあったらしい。町のサキュバスや、他の魔物たちが、男を連れ一斉に町から逃げ出す。
理由を聞いても、誰も相手をしてくれない。訳も分からず茫然としていると町に取り残されてしまった。
そして、魔界に大量の騎士やら勇者やらがなだれ込んできた。
今まで男毛が
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