「う・・・うん・・・?」
目が覚めるとそこは・・・
「ヴェルさん!」
「わ、ワルフ・・・?」
ワルフの泣きそうな顔の、目の前でした。
「うぅ〜・・・よかったぁ〜・・・」
安心したように抱きついてきた。ちょっと傷に響いて痛い。
「・・・ごめんね、心配かけて」
お詫びもこめて、優しく頭を撫でてあげた。
「丸一日、目を覚まさなかったから・・・もうこのまま寝たきりなんじゃないかって・・・」
「えっ、そんなに寝てたの?」
「お母様も、昨日出かけてから戻ってきませんし・・・」
「母さんが・・・?」
どこに行ったんだろうと考えようとした矢先、
ぐるるるるるぅ〜・・・
「・・・わぅぅ・・・///」
盛大に、ワルフのお腹が鳴った。もしかして何も食べていないのだろうか。
「・・・ご飯、作ろうか」
「すみません・・・///」
ちょっとまだふらふらするが、ちゃんと歩ける。
うん、身体に問題はなさそうだ。
「大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫そう。・・・ワルフも腕、大丈夫?」
「はい、もともと魔物は身体が丈夫なので」
「そう、ならよかった」
正直全然良くはないが。
次あのチビ見たら泣いて土下座するまで殴ってやる。
大人気ない?知るかそんなもん。
「はい、できたよー」
母さんほどうまくはないが、食べられるレベルではあるから大丈夫だろう。
念のため練習しておいてよかった。
「いただきまーす」
「いただきます」
今回の献立・・・パン(ジャムとマーガリンはお好みで)、目玉焼き、サラダだ。
・・・昨日(正確には一昨日)と一緒だねorz。
うん、普通。可もなく不可もなく、といったところだ。
不可が無いからいいよね、うん。・・・もっと練習しよう・・・。こんなんじゃダメだ。男の俺が練習しても意味ないかもしれないけど。
「ヴェルさんのご飯も美味しいです♪」
「ありがと、ワルフ」
お世辞でも、美味しいって言ってもらえると嬉しいなぁ。
でも、幸せそうに尻尾をパタパタやっていたので、案外本音かもしれなかった。
「ただいま。ご飯忘れててごめんね」
「おかえりなさい」
「お帰り、母さん。どこいってたの?」
「ちょっとね。ご飯食べ終わったら、ちょっと二人で広場に来ておくれ」
「ん、わかった」
なんだろう、いったい・・・。
二人でって言うのが気になる・・・。
けど、行かないわけにはいかないよな・・・。
「どうする、ワルフ?」
「私は・・・行きます。いかにゃきゃいけません・・・わぅ・・・」
ワーウルフにはあるまじき噛み方したね、今・・・。
可愛いからいいけど。
なでなで。
続く・・・
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