「あれ……ここどこだろう?」
「どこだろうって……迷ったのですか?」
「そうみたい……」
現在11時。
私達は1週間と少し前にヘクターンを出発してから、ペンタティアを目指して旅をしていたのだが……
「やっぱあそこできちんと地図を見ておくべきだったな」
「だね……なんとなくの方角で決めちゃったのが間違いか……」
向かう途中で、思いっきり迷子になっていた。
地図を見ても今自分達がどこにいるのかさっぱりわからないでいた。
「そろそろどこかの街にいかないと食糧が足りなくなってくるんですよね?」
「そうそう……中継地点としてる町までもつと思ったんだけど、ここのところ雨ばかりでペースが落ちてたからね……今日は曇りだからまだ進みやすいね」
「今日久しぶりに雨じゃないもんね〜。何日ぶりだっけ?」
「4日か5日ぶりじゃねえか?3日前は本当にヤバくて結局『テント』から出るのやめたぐらいだからな……というか本当に『テント』吹き飛んだりしてなくて良かったな」
「一応どんなに強くても風でとばされたりしないようになってるってテントもらったときに言われた」
「へぇ……相変わらず不思議なものだな……」
町に辿り着く前に食糧が無くなりそうだからと、そこに行くまでの間にある街を目指していた……看板が途中で無くなったのでとりあえず目指す方角に続く道を歩いてきたつもりだったが、あらためて地図を見ると何故か分岐した道は記されておらず、結果私達は今どこら辺に居るのかさっぱり見当がつかなくなっていた。
周りを見ても森とまで行かなくても木ばかりだし、目印になるものは何もない。
「それでどうするのですか?」
「う〜ん……下手に動くと余計迷子になっちゃうかもしれないけど……かといってこのままジッとしてるわけにはいかないし……」
このまま適当に進んでもどこかの町に辿り着くとは限らない。
かといって誰かが通るのをここで待つのも得策かといえば……決してそんな事はなかった。
もし誰も通らなかったら非常にまずいし、通ったのが切羽詰まった独身の魔物とかだったらユウロが攫われてしまう可能性もある。
「ん〜……あ、そうだ。セレンちゃんちょっと飛んでみて」
「え?ああ……上空から町を探すのですね。たしかにそのほうがよさげですね」
「そうそう。大体の方角さえ分かればそこを目指して歩けばいいだけだからね」
だからどうしようかと悩みながらなんとなくアメリちゃんを見ていたら、ある事を思い出した。
それは……ディナマのアジトを探す時に、アメリちゃんに飛んでもらって上空から探した事だった。
それと同じように上空からなら町も探しやすいのでは……そう思った私は、普段から飛んでる事があるセレンちゃんに頼んでみたのだった。
スーッと飛びあがり空から周辺を調べるセレンちゃん……途中から一点だけを目を凝らして見てから、ゆっくりと降りてきた。
「あっちの方角に街らしきものはありましたね。ただどう行けばいいかはわかりませんでした」
「うーん……とりあえずあっちのほうに行くしかないか……」
「そうだねー。セレンお姉ちゃん、街までどれぐらいかかりそう?」
「んー……目測だけど数時間は掛かるかなってところですね……」
「えー。じゃあとちゅうでお昼ごはんにしよっ!」
「もちろんそのつもりだけど、まずは歩こうな」
どうやら少し遠くに街が見えたらしい。
という事で、私達はその街があるという方向に向かって歩き始めた……
…………
………
……
…
「つかないねー」
「そうだね……本当に方向あってるのかな……」
「いささか不安になってきました……」
現在14時。
途中でお昼ご飯として私特製サンドイッチを食べつつも、私達は街に向かって歩いていたのだが……中々着かなかった。
時々セレンちゃんが高く飛んで確認してるけど……あまり近付いている様子はないというか、方角が飛ぶ度に変わっているようだ。
太陽さえ出ていたら方角がわかったのだが……方位磁針をカリンに預けたまま別れちゃったのも痛いな……
「まあ今すぐ着かないと死ぬなんて状況じゃねえし、最悪食糧が無くなるまでに着けばいいだろ?」
「そうだけど……もってあと2食分、節約しながらでも3食分かな」
「えーごはん食べられなくなるのはやだなぁ……」
「アメリは最悪ユウロから精を貰えばやっていけるでしょ?リリムなんですからその歳でも問題無く絶頂させられるでしょうし」
「あ、そうか」
「あ、そうかじゃねえよ!!俺は誰とも、特にアメリちゃんには絶対しないからな!!」
「冗談ですよまったく……」
「まったくはこっちの台詞だよまったく……」
馬鹿なやり取りを出来るほどの余裕はあるけど、それも今のうちだろう。
今日中に着かないなんて事はないと思いたいが……そ
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