「死んだと思っていてやっと会えた娘が一人で実力者と戦っていると聞いたから心配になり急いで駆けつけたらなんと娘はその男と性行為をしていた。しかも男が娘に性的暴行を加えているならば男の方を遠慮なくバッサリ斬れるが残念ながら逆でなんと娘がその男を強姦していた挙句私の存在に気付かぬままやれ愛してるだのやれイクだの言い続けてやっとこさ終わったと思ったら結婚するとか言い始めたのだが私はいったいどうすればいいのだ!?」
「知らんがな」
「魔物ってそんなもんだと思います」
「アタシもそんなだしいいんじゃないかな」
「おめでとスズ!」
「認めん!!私は絶対に認めんぞ!!」
現在13時。
ドデカルアとの戦いも終わり、皆ぐっすりと朝寝坊した後、私達は後処理やこれからの予定を決める為にもルヘキサ自警団本部に集まっていた。
「いい加減認めろよ父ちゃん!!」
「誰が認めるか!!たしかにチモンは私より強いし、頭も良い奴だからそこいらのヘナチョコよりかは幾分かはマシだが……」
「じゃあいいじゃないか!」
「それとこれとは別だ!!」
とりあえず今は場が荒れている。
原因はそう、スズとチモンが何故か相思相愛になっているところをイヨシさんが認めておらず親子喧嘩をしているからだ。
しかも私達まで巻き込んでくるから堪ったものじゃない……
「まあまあ落ち着いて下さいよ……」
「無理だ!!大体娘が生きてたと思ったらすぐさま男と性交していたとか平然としていられるか!!」
「なんだよ!アタイがどうしようがアタイの自由だろ!?」
まあイヨシさんが言っている事もわからなくは無い。
折角再会できた娘が数日足らずで他の男の下に行ってしまう……父親としては認めがたいのだろう。
「こんな……こんな男に桜を幸せにする事なんか出来るか!!」
「幸せにしてみますよ!!」
「ぬぅ……口先だけならなんとでも言えるわ!!」
チモンさんもこんな調子で言われ続けているので苦笑いしっぱなしだ。
本人曰く、スズとは相性も良いし可愛いし、何よりアツい戦いが出来たのもあってウシオニの血の効果も重ね合わさり好きになったとの事だ。
スズ本人も満更でもなさそうなのでいいと思うが……イヨシさんがずっとこの調子なので困り顔をしている。
「まあイヨシさんの事はひとまず置いといて……スズはこれからどうするの?お父さんも記憶も夫も手に入ったわけだけど……」
「ああ、その事ね……」
まあこの問題の解決は時間が掛かりそうなので、私はとりあえずイヨシさんの標的がチモンさんにいった事で話しかけられるようになったスズに、この先も一緒に旅をするのか聞いてみた。
「まあ……旅は好きだからしたいけど……とりあえずはこのルヘキサでアタイは父ちゃんやチモンと一緒に暮らす事にするよ」
「そっか…………」
予想は出来ていたけど、やはりここでイヨシさんやチモンさんと一緒に暮らす事にするようだ。
つまり……スズとはここでお別れだ……
「スズとは長かったから寂しくなるな」
「まあね……記憶が無かったアタイを旅に誘ってくれてありがとうな皆……アタイ楽しかったよ」
「私も、スズと一緒にした旅は凄く面白かった……偶然だったけど、スズに遇えて良かったよ!」
ツバキ達と別れてからずっと一緒だったスズ……もう居るのが普通みたいな感じだったので、居なくなるのはかなり寂しい……
「まあ今すぐ出発じゃないんでしょ?」
「うん。カリンの荷物があるからそう長居はしないけど、まだ数日はルヘキサにいるつもりだよ」
「そうか……じゃあその時まではよろしくな!」
「ああ、よろしく!」
とは言ってもまだまだ戦いの後処理などで用はあるのですぐ出発はしないけどね。
だからそれまでにいっぱいスズとお話をしよう……今までの旅の思い出も、時間が無くてあまり聞けてなかったサクラとしての記憶のお話も。
「えースズお姉ちゃんここでお別れなのー!?アメリさみしいな……」
「まあそれはアタイも……お、アメリ終わったのか?」
「うん!いた人たちはみんな魔物にしてあげたよ!!」
と、話が纏まったところでアメリちゃんがやってきた。
アメリちゃんはブランチを食べた後からずっと実験を受けていた人達を魔物に変えていたのだ。
おそらくこれでルヘキサ側の人達は全員魔物になったはずだ……しかし、ドデカルア側はやはり悩んでいるようで、未だに3人しか来ていない。
まあ魔物になるかは相当悩むもんな……自分も反魔物領出身で、魔物になるかならないかを自分で決めるという点では似たような状況になってたからその気持ちは痛いほどわかる。
「なんやアメリちゃん、聞いた話やと魔物化する時めっちゃ魔力使うからすぐお腹空かせるって聞いたんやけど……そんな事無さそうやな」
「うん!このネックレ
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