「我々はルヘキサの者だ!!貴様らが誘拐した民を取り返しにやってきた!!大人しく返すのならこちらもすんなりと引き返すが、そうでないのならば力ずくでも見つけて取り返すぞ!!」
俺はトロンさんとは違い正面のチームなのだが、遠くからハッキリとトロンさんの声が聞こえた。
正面の門の向こう側にいる教団兵達もその声に驚いて少しざわめき始めた……これくらいの事で動揺するようなら、ここにいるのは皆雑魚という事かな。
「司教でも勇者でもいいが誰か返事をしろ!あと10分でしないのならば返さないとみて強引な手段をとらs」
ドオォォォンッ!!
「うおっと!?」
「どうしました団長!!」
「なに、相手が大砲を我々に打ち込んできただけだ。誰一人傷付いていないから安心しろ!!」
トロンさんが喋っている最中に大きな爆発音が聞こえてきた。
煙が上がっているのでもしやと思ったが、やはり相手が大砲をトロンさんに向けて放ったらしい。
ただトロンさん曰く無傷らしいので安心だ……あっちはたしかホルミや脇田が居たかな?
しかし、トロンさんに向けて大砲なんか撃ってきたという事は……
「これは、宣戦布告と取っていいんだよな?」
「そうだ!我々は貴様ら無法者共に屈する事は無い!!」
やはりそのまま誘拐した人達を返してはくれないらしい。
教団のおえらいさんらしき人が窓から身を乗り出してトロンさんが居るほうに叫んできた……あれ、魔術かなんかで狙い撃ち出来ないかな?
「わかった……では皆の者!乗り込んで捕えられ人体実験されている者達を救出するぞ!!」
「おおおおおっ!!」
「行くのだ兵士達よ!魔物や人を裏切った愚か者どもを根絶やしにするのだ!!」
「うおおおおおおおっ!!」
なんて思ってたら、決戦の開始のようだ。
それぞれが雄叫びを上げ、士気を高め始め……そして……
「皆行くぞ!!門を突破しろ!!」
「うおおおおおおおおおおおおおっ!!」
「奴らを中に入れるな!!何としても守り通せ!!」
戦闘が始まった!!
「こんな門一発で吹き飛ばしてやる!」
「うおらああああっ!!」
「ぶっ飛べ!!」
スズとプロメ、それに自警団のリザードマンが正面の鉄格子の門に向かって突進した。
パワー自慢な魔物が力任せに門を押したため……
「うおらあっ!!」
「わっ!?正面、門がいとも容易く破られました!!」
「慌てるな!数ではこちらが勝っているんだ、落ち着いて対処しろ!!」
頑丈そうな門も簡単に開き、俺達の前を邪魔するものは教団兵だけになった。
「おっしゃあっ!行くぞ!!」
「させるkもけっ!?」
「邪魔だどけっ!!」
先陣切ってプロメが兵隊の中に突っ込んでいき、何時ぞやのように素早い動きで兵士の間を掻い潜りながら顔や腹部を殴ったり蹴ったり、時には引っ掻きまわしたりしている。
それはさながら小さな竜巻のようで、プロメに殴られたりした兵士達は宙を舞っている……相変わらず凄いものだ。
「さて……アタイの血を浴びたいのかい?」
「ひっ……ま、魔術部隊、あのウシオニをこうgもぷっ!!」
「なんてな!あんたらの攻撃を喰らうつもりもないし、ウシオニに変えるつもりも無いね!!」
スズはスズで大勢に囲まれても特に気にする事無く相手を殴り飛ばしたり、糸で雁字搦めにして動けないようにしている。
やはりウシオニの血は怖いのか、なかなか相手もスズに剣などの接近武器で攻撃をしようとはしていない。
というか血で脅すとは凄い事を考え付いたな……あれじゃあうかつに剣で斬る事は出来ない。
「や、やはり裏切ったのかイヨシ!!」
「エルビ様の言う通りだったのか……」
「ふん、娘のおかげで自分の愚かさに気付けたからな……それに私は娘の味方だ!!」
「なんだtぐぅ!?」
猪善さんもつい先日までは同僚だった者をなんの躊躇も無しでばっさばっさと切り倒している……といっても峰打ちだが。
でもやっぱり相手は戸惑っているようで、何も出来ないまま峰打ちされて沈んでいる。
「わあっ!?虫が、虫が大量に身体に纏わりついて……!!」
「何言って……わあっ!?さっきまでいなかったのになんdぷぎゃっ!!」
「どうやウチの幻術は?効果テキメンやろ!」
カリンの周りを囲っている兵士達が行きなり何も居ないのにもかかわらず身体から何かを払う動作をし始めた。
どうやら花梨が幻術で虫が大量に纏わりつく様子を見せているらしい……毛虫やGとかなら想像するだけで少し気持ち悪くなるな……
とまあそんな感じで相手を惑わし、無防備になった兵士達を次々と棍棒で殴り倒しているカリン……十分に戦えている。
「余所見は禁物だおらあっ!」
「おっと……忠告ありがとよ!」
他の皆の様子を見ていたらガタイの良い奴が俺に向かって銅の剣を振
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