「魔界抜けちゃったね」
「ああそうだな。それであの遠くにちらっと見えるのが森の手前にある町か」
「あーあの町かー。結構大きいんだな」
現在12時。
私達はミリアさん達と別れた後、ずっと歩きつづけた。
その間に数人の魔物とすれ違ったりしたが、ユウロがおもち帰りされるなんてハプニングが起こる事も無く無事に魔界を抜ける事が出来た。
魔界を抜けた証拠に、頭上には太陽が燦々と輝いている。
「あーあ魔界ぬけちゃったね…大丈夫フラン?」
「一応ね…まあこの日がさがあるからまだ大丈夫だけどね…」
魔界にいた間は問題無かったが、魔界を抜けたのでフランちゃんは黒い日傘で日光を遮っている。
それでも少しは力が抜けてしまうようだ…と言っても歩けない程ではないが。
「うーん…魔界ならおうちに住んでるだれかがいてもおかしくなかったんだけどな〜……」
「でもいなかったからまだ旅をつづけられるし、あたしとしてはどっちでもいいかな」
「そう言ってたおれられたらアメリがイヤなの……」
「うん……ごめんね……」
「でも…たしかにフランと旅が出来てたのしいよ」
「うん。たのしい!」
だがそれを心配するアメリちゃん。
やはり親友には倒れてほしくないのだろう…だからこの旅には連れて行かなかったとも言ってたしね……
魔王城に住んでる人、早く見つかるといいけど……それはそれでフランちゃんとお別れだから少し寂しいな……
「まあそれは前決めた通りでいいとして、これからどうする?先にご飯食べるか、あの町まで我慢するか」
とりあえずフランちゃんの事は今あれこれ考えてもどうしようもないので置いといて、時間も時間だしお昼にするか皆に聞いてみる。
あの町に到着するまで見た感じでは1時間とちょっとあれば到着するが、朝も遅くは無かったのでおなか空いてると言えば空いてるからどうしようか悩んでいるのだ。
「そうだな…アタイはどっちでもいいけど……」
「俺もどっちでもいいぜ。腹減ったと言えば減ったけどな」
「あたしは…おなか空いてきました」
「アメリも……まだ大丈夫だけどおなか空いてきた……」
「そっか……」
聞いてみたところ……大人組はまだちょっとは持ちそうだが、子供組が危なそうだ。
「それじゃあお昼ご飯にしよっか。アメリちゃん『テント』だしてね」
「うん!」
という事で町に行く前にお昼ご飯にする事にした。
そろそろ食料の残っている量が危なくなってきているが、お昼ご飯の分はいくらなんでもあるし、それにあの町で食料を買えばいいだろう。
だから……今から何作ろうかなぁ……
…………
………
……
…
「着いたね」
「だな。ここでしっかり準備してから森に行こう」
現在15時ちょっと前。
お昼ご飯を食べ終えた私達は、予定通りに町に辿り着いた。
見た感じ人と魔物の割合は半分ずつってとこかな……ただエルフやフェアリーがいるのがちょっと気になる。
もしかしたら森から町に移り住んだのかもしれない…そうすると、その森にはエルフやフェアリーが生息しているという事になるわけで……
「これは本当にきっちりと準備しておかないといろいろと怖いね……」
「そうだね……」
魔物が多い森…それは人間の男、つまりユウロにとっていろんな意味で危険な場所。
だからといって私達魔物が安全かと言えば…そうでもないだろう。
だからしっかりと準備をしてから森へ向かわなければ。
「それじゃあまずは食料の確保だね。ラスティで買った分はまだあると言っても、その前に買った分がほぼ無くなってるから買い足しておかないと」
「そうだな…それから森の地図とかあったら買っておこうぜ。迷子になればなるほど危険は増すからな」
「アタイはどんな魔物がいるか楽しみだけど…そうは言ってられないか」
なのでまず私達は食料を買いに行く事にした。
「それで店は…この付近には無さそうだな」
「それじゃあまずは適当に町の中を歩こうか」
と言っても……食料品売り場がどこにあるかパッと見ではわからないので、まずはお店自体を探す事にした。
……………………
「さてと…とりあえず野菜や果物を買わないとな……」
「サマリ、これ……」
「……スズ、お肉もいいけど野菜も見てね」
「……わかったよ……」
適当に歩く事数十分。私達は様々な物を売っている市場に着いた。
まずは一番少ない野菜を買う事にしようとしたのだが…スズが嫌そうにしている。
野菜が嫌いだからって食べないと身体壊すから無理矢理食べさせているが…私がワーシープである事を差し引いたって野菜おいしいのに。
「いらっしゃい。何をお求めですか?」
「そうだなぁ……ピーマンと人参これだけとキャベツとレタスそれぞれ3玉、あとタマネギも袋詰めされてるやつ3袋買っておこ
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