中編!


========[四日目]========



「ふぁ〜ふぅ…おはようございます…」
「おはよう咲希ちゃん。良く眠れた?」
「はい…もうそれはぐっすりと…」
「そう…それは良かったわ」
「崎本先生もよく眠れましたか?」
「え、ええ…まあ…」

もう慣れてきたこの部屋での起床。
私は自分から自然に先生に挨拶をした。
それと同時に、昨夜は先生は同じタイミングで寝なかったなあ…と思い、私は先生によく眠れたかどうかを聞いてみたのだが…何故か言い淀んでいた。

「あれ?まさか寝て…」
「寝たわよ?たしかにちょっと夜更かししてしまったけどね…」
「そうですか…ん?」

もしかしてあまり寝てないのでは…と思って聞き出そうとする前に即否定されてしまった。
ならいいやと思って、いつも通りに朝ご飯が置かれてないかな〜と思って扉の方を見た時に、おかしな事に気付いた。

「カーペット…無くなってないですか?」

ご飯は置かれていたのだが…普段は机の下に敷かれていたカーペットが何故か今は無くなっていたのだ。
もしかしたら犯人が私達が寝た後に入ってきて持って行ったのかも…と思ってそう言ったのだが…

「えっ、あ、そ、それは…」
「ん?どうかしましたか?」

…何故か先生がうろたえ始めたのだ。
どうかしたのだろうか?と思いながらなんとなく視線を別の場所に移したら…

「…あ、干してあった」
「あ、あはは…」

なんとお風呂に少し濡れたカーペットが干されていた。

「実は…え〜っと…そうだ…昨日寝る前に水を飲もうとして…溢してしまって…」
「ああ…それでついでに洗って干しておいたのですね」
「えっと…そうそう!そうなのよ!!」

どうやら先生が昨日私が寝た後に水を溢してしまったようだ。
そんなドジには見えないのでおそらく寝惚けて手を滑らせてしまったのだろう。
それを知られたく無かったからさっきから言い淀んでいたのかな…

「まあそれくらいのミスは誰にでもありますって。気を落とさずに朝ご飯にしましょうよ」
「え、ええ…そうね…そうしましょうか…」

とりあえずそのミスは気にしてない事を伝えつつ、朝ご飯を食べ始める事にした。



………



……







「……ひ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ま〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜……」
「そうね…」

朝ご飯を食べ終えると…やる事が無くなってしまった…
ここ最近は受験勉強ばかりで忙しかったのもあって、こうも暇だと逆に何かやっていたいと思えてしまう。

「何か暇を潰せるものありますかねぇ…エロ本以外で」
「……」

暇潰しになるものが何かないかを先生に聞いたら、昨日崎本先生が読んでいた本を渡そうとしてきたので即座に断った。
断った時に少しだけ先生が残念そうな表情をしたのは気のせいだと思いたい。

「そうね…でも他に暇を潰せそうな物は…」
「まあ…玩具の類もなさそうですしね」

この部屋には生活に必要最小限の物はあるのだが、暇潰しが出来そうな物はほとんど無い。
やらしい18禁本を除いたら…それこそ今やっているようにクッションをポスポス叩いたりと意味の無い事をするぐらいしか出来ない。
監禁して放置するぐらいならせめて普通の小説ぐらい置いといてほしかった…が、無い物をねだっても仕方ない。

「あとは…しりとりでもする?」
「二人でしりとりか…まあ他にやる事無いですしやりましょうか」
「じゃあ咲希ちゃんから『り』始まりで…あ、『きゃ』とかで終わったら小さい文字…この場合は『や』からで、長音で終わった場合はそのひとつ前の文字からね」
「わかりました」

なので、先生の提案で私達はしりとりをする事になった。
二人でやるので楽しいかはわからないが、暇なままよりは数十倍、エロ本を読むよりは数倍マシなのでやる事にする。

「では…林檎」「胡麻」「マント」「鳥」「リス」「すいか」「カリュブディス」「スキュラ」「ラミア」「アークインプ」「プール」「ルール」「ルート」「陶器」「機器」「妃」「奇跡」「キツツキ」「切先」「禁忌」「汽笛」「キンタマ」



「マンティス」「スライム」「百足」「電話」「ワーシープ」「プラグ」「グリズリー」「リリム」「鞭」「乳首」

……

「ビール」「ルビー」「ビー玉」「まんこ」

………

「コカトリス」「スイ…じゃなくて炭」「ミミック」「草」「竿」「オナニー」


…………


「……あの〜崎本先生?」
「何?咲希ちゃんもうギブアップ?」
「いえ…なんでさっきから精神攻撃を仕掛けてくるんですか?」
「えっ?何の話?」
「……いえ…なんでもありません」

何故さっきから下ネタを挟んでくるのか聞いて、注意しようとしたのだけど…普通にしりとりしているだけで特に何とも思っていないらしい。
もしかしなくても先生がサキュバスだ
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