「ここが武白かー…」
「まあ普通の村やな…」
「あの大きな山の上にお姉ちゃんがいるんだね!」
現在10時。
私達は宵ノ宮を出発した後、ややゆっくりとしたペースで歩いて数日…アメリちゃんのお姉さんが住んでいる山の麓の村『武白』に辿り着いた。
まあ武白自体は普通の村のようだし、特に用も無いからアメリちゃんのお姉さんの情報を聞き次第すぐに山登りに行こうと思う。
「さてと…山道にはどうやって入ればいいのかな?」
「そこで畑仕事をしているおじいさんに聞いてみようか…おーいすみませーん!!」
「はいはいどなたですk…おや妖怪さんかね」
なのでとりあえず山を登るにはどこに行けばいいかとか、これからどうすればいいのかを近くに居る人に聞いてみる事にした。
「しかもウシオニのお譲さんとは…珍しいねぇ…」
「おじいさんはアタイを見ても…怖がらないのか?」
「お譲さんは優しそうな眼をしてるからねぇ…今から暴れるっていうなら怖がるかもしれないけど、そんな事無いじゃろ?」
「ああ…ありがとうおじいさん!!」
「スズ……嬉しいのはわかるけどちゃんと聞こうよ…」
「あ、そうだった…なあおじいさん、あそこの山に登りたいんだがどう行けばいい?」
普通に受け入れられて喜んでいるスズには悪いが、早くアメリちゃんのお姉さんに会ってみたい気持ちもあるので質問するように促した。
「ああ…武白山に登るにはこの道を真っ直ぐ行き止まりまで行った後左に曲がって4つ目のわき道…たぶん他よりも広いからわかるじゃろう…そのわき道を右に曲がれば麓に辿り着くぞ」
「そうですか…ありがとうございます!」
山の…おじいさんが言うには武白山の登り方もわかった事だし、早速出発しようとしたら…
「ところでお前さん達…何故あの山を登ろうとするのじゃ?」
おじいさんに止められてしまい、質問された。
「アメリのお姉ちゃんがあの山の上にいるってきいたから会いに行くんだ!」
「ん?お姉ちゃん…ああ、お譲ちゃんはもしかしてメーデさんの妹さんか?」
『メーデ?』
アメリちゃんが元気よく目的を答えたらおじいさんがそう言ってきたのだが…メーデさんって誰だ?アメリちゃんのお姉さんの名前か?
「おや?メーデさんの事じゃ無いのかい?」
「んー…アメリ会ったことないお姉ちゃんに会うために旅してるからわかんない…ねえおじいちゃん…そのメーデってお姉ちゃん、アメリとにてる?」
「おお、そっくりだとも!その蝙蝠のような純白の翼や同じように純白な尻尾や髪なんかメーデさんそっくりだし、顔つきも似ておる」
「ホント!?じゃあアメリのお姉ちゃんだ!!メーデお姉ちゃんって言うんだー!!」
おじいさんが言ったメーデさんの特徴はどう考えてもリリムのものだ。
という事は、メーデさんはアメリちゃんのお姉さんで間違いないだろう。
「へぇ…じゃあ早速そのメーデさんに会いに行こうよ!」
「うん!おじいちゃんありがとー!ばいばーい!!」
「おお、元気でなー!メーデさんによろしく言っておくれー!!」
という事で、早速私達は武白山を登り、メーデさんに会いに行く事にした。
…………
「…あ、しまった!さっきの子達に言い忘れておった…」
「あの山には『大百足』がおるから気をつけて登らんと駄目なのじゃが…」
「まあ半数が妖怪じゃったし、メーデさんの妹さんもおるから大丈夫だとは思うが…」
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「ふぅ…結構キツイな…」
「そうか?これ位の山道なら問題ないと思うけど…」
「魔物と人間じゃあ体力の基礎が違うんだよ」
現在12時。
私達は順調に武白山を登っていた。
「でもカリンは楽々と歩いてるけど?」
「ま、ウチはユウロと鍛え方が違うっちゅうことやな!」
「本当にそれだけか?まあいいけど…」
「ハイキングはたのしいな〜♪」
たしかにユウロの言うとおり急な坂道ではあるが、ある程度舗装されているのだからそこまでキツくはない。
アメリちゃんだってにこやかな可愛い顔で楽々と歩いている程だ。
「それじゃあ休憩でもする?ちょうどお昼の時間だし、そこに座るのにちょうどいい岩もあるし」
「賛成!昼飯はともかく俺疲れたからちょっと休憩したい」
「まあええで。それなら昼ご飯にしようか。今日のはきっと満足するで!」
ただユウロは疲れているようだったので休憩する事にした。
まあ私が人間のままだったらユウロより先に疲れていただろうし、限界まで歩いてもう動けないなんて事になったら余計時間掛かるのでこのタイミングがちょうどいいだろう。
という事で私達は、今朝私とカリンが作っておいたお弁当を食べることにした。
「じゃあお弁当だすよー」
「わあ〜!おいしそ〜!!」
今日のお弁当は大量のおにぎ
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