「ん…んん〜……ふぁっふ……」
現在7時。ちょうど目が覚めたところだ。
私の傍にはもちろんアメリちゃんが寝ている。魔物化した時のあれを除けば久々にアメリちゃんと一緒に寝た事になる。
久々だからか、それともワーシープになった私に抱かれながら寝ているからかいつも以上に気持ちよさそうに寝ている…起こさないようにしないとね。
私は昨日退院したので今日は町長さんの家の二階に泊めてもらった。
私が入院していた間、基本的にはネオムさんと一緒に居るプロメ以外はここに泊めてもらっていたらしい。ディナマを退治したお礼だとか。
そのお礼で私の治療費などもタダとなっている…一応昨日感謝しておいたけどまだし足りないな…
「おはようございます!」
「おっ!おはようさん!ワーシープが一番早起きとは面白いねえ!」
アメリちゃんや皆を起こさないように私はそっとベッドから抜けだし、一階に下りた。
キッチンのほうからいい匂いがしたので向かってみたら、町長の奥さんのドワーフさんが朝ご飯を作っていた。
なので私は挨拶と感謝の言葉を言う事にした。
「ははは……いやあ、いろいろとありがとうございます。おかげで助かりました!」
「なーに、気にすんな!こっちも襲って来ないとはいえディナマには困っていたから助かったよ!ありがとうな!」
そう言ってくれるのは嬉しいが、私は大した事やってないし、アメリちゃんを助けるためとはいえ勝手に大怪我しただけだから私に感謝されても……
いや、折角感謝してもらっているしそう考えるのはやめよう。
「いえいえ…なんでしたらお礼として刈り取った私の毛をあげましょうか?」
「お、本当か!?くれるって言うなら欲しいねぇ…ワーシープの毛って結構高価だからな!」
「あ、やっぱりですか…まあ私達には必要無いですし、お礼としてあげます。好きなだけ持っていってください」
…やっぱりワーシープの毛って高価だったんだ…
アメリちゃんの『テント』にあるベッドに使われているのがワーシープの毛だってアメリちゃんから聞いた時からなんとなくそう思ったんだよね…たしかにあのベッド寝心地いいんだよな…
ってことは私…狙われる?まあ刈り取った瞬間その男の人は私に犯される事になるだろうけど。
「ありがとな!そろそろ朝食ができるから他の皆を起こしてきな!ちょっと話しておきたい事もあるしな…」
「わかりました!」
私は2階に戻り皆を起こす事にした。
…………
………
……
…
『ごちそうさまでした!!』
「このスープ凄く美味しかったです!!作り方とか教えてもらってもいいですか!?」
「おう、いいぜ!でもその前に聞いてほしい事がある…」
私達は奥さんが作ってくれたスープで朝ご飯をすませた。
とても美味しかったので作り方を聞こうとしたが何か話があるらしい…真剣な顔をし始めた。
「どうかしたのですか?」
「いやな…今朝早くに入った情報なんだが…お前らがやっつけたディナマの連中が…深夜に大量に病院に運ばれたらしいんだ…全員重傷を負った状態でな…」
「えっ!?本当ですか!?いったい何が…」
私達は重症までは負わせていない。つまり、昨日誰かが重傷を負わせたのだろう。
たしかにあまり強くはなかったけど…それでもあんなに大勢の人を…複数人がやったのだろうか…
でも…いったい何のために?
「そういえば彼等と居た魔物達は?」
「ああ…どうやら連中とヤっている途中で全員急に眠くなって寝てしまっていたらしい。で、目を覚ましたら気に入った男達が皆死ぬ直前だったから慌ててこの町の病院まで駆け込んだらしい…」
「そうですか…魔物は無傷なんですか?」
「ああ、無傷だ…だからわけがわからないんだ…連中の中の誰かの意識が戻るのを待つしかないそうだ」
魔物達も傷付いてたり殺されたりしていたのなら勇者の仕業だろう。
だが、魔物には一切手をつけずに男ばかりを傷付けている…教団の勇者にしては少し変だ…
これは…気をつけたほうが良いかな…
「わかりました…とりあえず東には行かない様にした方がよさそうだね…」
「ん?お前達もう出発するのか?」
「はい、今日のお昼には出発しようと思いまして…」
今日の10時頃にネオムさんが退院する。
私達はとりあえずプロメにこれからどうするかを聞いてから出発しようと思っている。
私達はこの町に住んでいる『エキドナ』って蛇の魔物のお母さんから聞いた情報である場所に向かう事にしたのだが、プロメやネオムさんはそこに一緒に行くのか、それとも…
「そうか…じゃあ今からさっきのスープの作り方を教えてやるよ!」
「ありがとうございます!!あとお弁当も作りたいのでキッチンをお借りしてよろしいですか?」
「もちろん!」
とりあえずディナマの話は置いと
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