「本当にいいんだね、サマリお姉ちゃん?」
「うん…もう決めた!」
現在10時。
昨日、私は魔物になる決心をした。
一応皆に言ってから魔物になろうと思い、アメリちゃんに言った後にプロメとツバキにも話しに行った。
だけど町に買い出しに行っていたツバキをなかなか見つけられず…その為話すのが遅くなってしまい、アメリちゃんが眠くなってしまったので次の日の朝にする事になった。
そして私は人間としての最後の食事を終え、アメリちゃんと一緒に少し広い部屋に連れて来られ、大きなベッドの上にアメリちゃんと一緒に寝かせられた。
アメリちゃんと一緒に寝ているだけならいつもと変わらないが、今からは後戻りができないもの…私を魔物化するために一緒に寝かせられたのだ。
どうやら魔物化する際余計な力を抜いていたほうが良いらしく、こうして一緒に寝ている形になったんだけど…
…たしか人間を魔物化する際、サキュバスってエッチな事をするのが多いって前に聞いたな…
…まさかアメリちゃんとエッチな事しろって言わないよね?アメリちゃんまだ8歳だよ?
「ねえサマリお姉ちゃん…」
「ひゃい!?」
「……なに今のこえ?」
「え!?あ、ごめん、考え事をしているときに急に話しかけられたからビックリしちゃって…」
「ふーん…」
アメリちゃんが何か用があるらしく私に話しかけてきた。
アメリちゃんとエッチな事しろって言われるかもって考えてたときにいきなり話しかけられたからビックリして変な声がでてしまった。
「まあいいや…で、サマリお姉ちゃん…なんでアメリに魔物にしてもらうってきめたの?」
アメリちゃんがそう真剣に聞いてきたので…
「えっとね…魔物になること自体を決めたのは…やっぱり私、皆と一緒に自分の足で旅をしたいから…それが出来る可能性に掛けたんだよ。アメリちゃんに頼んだのは…やっぱりプロメよりも長く一緒に居るからかな…」
私が魔物化を決心した理由と、アメリちゃんに頼んだ理由を言ったら…
「…へへっ///」
アメリちゃんは嬉しそうに微笑んだ。
魔物になるかならないかの決心がつかなかった私は、これまでの旅で出会った人物…特に一緒に旅をしている皆の顔を思い浮かべる事にした。
普段は頼りなく、どこか不思議なところがあるけれど、いざというときは頼りになるユウロ…
短気で突っ走る癖があるけど、自分の旦那さんの事を愛しており、一番年上だから相談もしやすいプロメ…
さわやかなジパング人で、たまに寂しい顔をする、大切な人の事を気にするツバキ…
そして、いつも可愛い笑顔で、無邪気で、明るくて、優しくて…そして妹の様なアメリちゃん…
皆の顔を浮かべたら…皆の笑顔を浮かべたら…私はやっぱり…旅を続けたいと思った。
様々な土地を、様々な人や魔物を、自分の足で行って、自分の目で見てみたいと思った。
自分の足で、様々な人と一緒に、世界を見て周りたいと思った。
それは…幼い頃からの自分の夢だから…人間をやめてでも…旅を続けたいと思った。
だから…私は魔物になる事を…決心した。
自分の足で…皆と笑顔で旅が出来る可能性に…掛ける事にしたのだ。
この決断に恐怖や後悔が無いかというと、正直ありまくりだ。
魔物になったら、反魔物領にある家には二度と帰れないだろう。両親も魔物になった私と会ってくれるかわからない。
それでも、私は自分の夢の為に、皆と一緒に旅をするために前に進まなければならない。
「準備が整いました。こちらが精補給剤です。アメリさんがサマリさんの魔物化をする際、少々子供にはきついかもしれませんが、魔力が足りなそうでしたらこちらを使ってください」
「ありがとーユニコーンのお姉ちゃん。アメリ我慢して飲むよ」
「それと、サマリさんが魔物になった際、急激に精が欲しくなる場合もあります。もしお連れの人やそこらへんの人を襲いたくない場合もこちらをお飲み下さい」
「わかりました。二人とも何か過去にあるらしくってそのことは釘を刺されているので…飲む事にします」
アメリちゃんが精補給剤なるものをものすっごくキツそうに飲み…これで全ての準備が整った。
これから私は、アメリちゃんの手で魔物に変えられるのだ。
「うぅ…おいしくない…でも、元気いっぱい!」
「ははは…大丈夫アメリちゃん?」
「うん。サマリお姉ちゃんこそこわくない?人間さんをやめるのがこわいって言ってたし…」
「え…」
正直怖い。
今すぐここから逃げ出したい。
でも…
「大丈夫。人間だろうが魔物だろうが、私は私、サマリはサマリだから!!」
逃げたくないから…自分にも言い聞かせるように、アメリちゃんにこう答えた。
「わかった。じゃあサマリお姉ちゃん、いちばんだいじなこ
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