…
……
…………
……………………
「サマリお姉ちゃん!!」
「………はっ!!」
現在……何時だろうか?
アメリちゃんの叫び声が聞こえて、私は目を覚ました。
…ってここはどこだろうか?
たしか私はディナマを潰しに行って…リーダー格の男に攻撃され気絶し崖に落ちていくアメリちゃんを護るために崖に飛び出して…そのまま落ちて…気絶して……
で、今私の目の前に広がるのは白い……天井?
「あ!!サマリお姉ちゃんが目をさました!!」
あ、アメリちゃんが私の顔を覗き込んできた。
見た感じ身体は問題なさそうだ…良かった。
でも相変わらず可愛い顔はほんの少し目元が腫れている…泣いていたのかな?
「本当かアメリちゃん!?サマリ!意識はしっかりしてるか!?」
今度はユウロがアメリちゃんとは逆方向から現れた。
その表情は安堵と共にかなり疲れが見える…もしかして私何日か気絶したままでユウロが看護してくれていたのかな?
ってことはここは病院…かな?そういえば私ベッドみたいなものに寝ている気がするし…
「サマリ…良かったよ…無茶はしないでくれよ…」
さらにユウロの隣にツバキが現れた。
ちょっと厳しい事を言っているが、その表情はユウロと同じようなものだ…
心配させちゃったな…あやまらないと…
ガラガラガラガラ…バンッ!!
「サマリが起きたってホントか!?……おお!良かった!!心配したぞ!!」
急に勢いよく扉が開くような音とプロメの声がして…すぐにアメリちゃんの隣にプロメが現れた。
私が目を覚まして嬉しいのか、疲れこそ見えるもののその表情は笑顔だ。
そういえばネオムさんはどうなったんだろう…まあひとまずそれは置いといて…
「皆…なんか心配や迷惑をかけちゃったみたいだね…ごめんね…」
皆そろったし…私は起き上がって…謝ることにした。
「何言ってるんだ!サマリが生きて目を覚ましただけで良かったよ!」
「そうそう、気にする必要は無いよ。これは名誉の負傷なんだから!」
「誰もサマリを責めようだなんて思っていないさ!」
「よがっだ〜サマリお姉ぢゃ〜ん!!アメリをだずげでぐれでありがど〜!!」
「アメリちゃん落ち着いて!!ほら泣きやんで!皆もありがとうね…」
皆優しく…私を許してくれた。
アメリちゃんに至っては大泣きしながら私の胸に飛び込んできた。
「ちょっと皆さん!!お気持ちはわかりますがここは病院です!他の患者様に迷惑がかかるので静かにして下さい!!」
「あ、すいません…」
と、皆が私の無事を喜んでいたら入口から看護師さんと思われる人…じゃなくて魔物が注意してきた。
下半身が白い馬のようだからケンタウロスだと思うけど…ケンタウロスに角なんて生えていたっけなぁ?
「サマリさん、意識はきちんとありますか?」
「あ、はい。えーと、看護師さんですか?あとここはやっぱり病院ですか?」
「はい。私は看護師兼医師で、見ての通り『ユニコーン』です。ここはラノナスにある一番大きな病院ですよ」
看護師さんが軽く自己紹介をしてくれた。
ユニコーン?ケンタウロスじゃないのか?
いや、そういえば聞いたことがあるような気がする…ケンタウロスの亜種で治癒の魔術が強力な魔物だっけ。
…ああ、だから看護師兼医師か。
「では、身体で調子が悪いところはありますか?」
そう看護師さんに言われてから、私は気がついたことがあった。
「…私って今、足ついてますか?」
「……」
両足の感覚が…全くないのだ。
「…足は2本とも付いてはいますよ」
「…ついて『は』いる…って…ことは…」
たしかに、私の足があるのかベッドのシーツが少し足の形に浮いている。
だから、足は付いてはいるのだろう。
付いてはいるが…
「私の…足は…動かなくなっている…ということ…です…か?」
『え!?』
「……」
「……ごめんなさい…」
やっぱり…か…
「ちょ…ちょっと待てよ…看護師さん、アンタ確かほとんどの怪我を治癒したって…」
「ええ…ですが…サマリさんの足は粉砕骨折、しかも神経はズタズタで…私の治癒能力でも治らない可能性があって…頑張ってみましたが…」
「それで治らなかったのか…なんて事だ!そんなのあんまりじゃないか!」
打ちどころが悪すぎたのか…落ちた時から…足だけは感覚が全くなかったもんな…
「じゃあサマリお姉ちゃんはもう足がうごかないの!?」
「なんとかならないのですか!?」
「おい!どうなんだよ!?」
「そ、それは…」
「いいよ皆!」
皆が必死に看護師さんに言いよっているのを見て、私は申し訳ない気持ちと一緒に
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