シャアアアアア……
「はぁ〜凄いなぁ…やっぱリリムは違うのかねぇ…」
「う〜ん…プロメお姉ちゃんもすごいとおもうんだ…」
「ね?やっぱりこの『テント』凄いのよ」
現在20時。
アメリちゃんの攻撃で体力が無くなったプロメが這ってでもラノナス、ひいては盗賊団ディナマのアジトまで行こうとしたのを止めて、今日はアメリちゃんの例の『テント』で休むことにした私達。
今は夜ご飯も食べ終わったので、女の子だけでシャワーを浴びているところだ。
ちなみに、ユウロとツバキはお皿洗いをやってもらっている。あっちはあっちで男の子同士のお話をしているのであろう。
「いやさ、普通こういうテントって3人も同時にシャワールームに入れないと思うんだけど」
「…まだ4人は入れそうだよね。詰めればさらに2人はいけるかな?」
「う〜ん…」
まあ初めてなので男の子のほうも私達と同じくこの『テント』がいかに凄いかの話になっているだろうけど。
シャアアアアア……
「いやぁ…改めて見るとプロメも身体綺麗だよね…」
「ん?そうか?自分で気にしたことないや」
「気にしたことなくてこの綺麗さか…魔物がうらやましい…」
今は女の子だけ、しかもシャワーを浴びているのでもちろん全員裸だ。
なのでこの機会にプロメの裸体をじっくりと見ることにした。もちろん変な意味は無い。
やはり魔物であるからか肌の質はとても良く、女性特有の丸みを帯びた、それでいてほど良い筋肉がついており引き締まっている所は引き締まっている体型である。
それにお昼にユウロやアメリちゃんから攻撃されていたのにもかかわらずプロメの身体に痣などは見当たらない。魔物が丈夫であるのと回復力も高いのだろう。目立った傷なども見当たらない。
ワーウルフ特有の耳や尻尾もその身体によく似会って、美しさを惹きたてている。男が惚れるのもわかる気がする。更に手足は狼のようになっているが、それほど怖いという印象はさっきと違い無い。おそらく今はその爪の攻撃対象になっていないからだろう。
あと、デカ乳淫魔共(ベリリさんとアクチさん)よりは小柄の胸をしているが、それでもプロメの胸は私よりは一回り大きい。
「ほぉ…魔物がうらやましいと…だったらアタシが噛んでやろうか?サマリなら別に良いぞ?」
「えっ!?いや…」
「ダメだよプロメお姉ちゃん!!」
おっと、うらやましいなんて言ったらプロメから魔物化のお誘いをされてしまった。
ワーウルフに噛まれたりして身体に傷を負ったら私もワーウルフになっちゃうんだよね…
まだ魔物になる気は無いから断ろうとしたらアメリちゃんが止めてくれた。
やっぱりアメリちゃんはわかってくれて…
「サマリお姉ちゃんを魔物にするのはアメリがやるの!!」
「おーそうだったのか!それは悪かった!」
「……」
…わかってなかった。まさかの自分が魔物にする発言かい。
「ちょっと二人ともいつ私が魔物になりたいって言ったのよ!?」
「あ、そういえばサマリお姉ちゃんは魔物になりたくないんだっけ…」
「え!?そうなのか!?なんで?」
「なんでって…」
そりゃあ明確な理由はないけどさ…
「と、とにかくなりたくないの!」
「ふーん…ま、いいや。本人の意思を無視するのはアタシは嫌いだからな」
「アメリもがまんする!」
ほっ……
どうやら無理やり魔物にすることはなさそうだ。
シャアアアアア……
「でもさ…私も考えるんだ…」
「ん?何を?」
「これから先旅を続けるなら…魔物になったほうがいいのかなって…」
「ほぉ…なんでそう考えるんだ?」
なんか人生相談みたいになってきたが気にせず続けることにする。
「だってさ…今からディナマを潰してプロメの旦那さん…えっと…」
「ネオムだ」
「そうそう、ネオムさんを助けに行くよね?」
「そうだが、それがどうかしたか?」
さっきからずっと悩んでいた事…
「私ってなんの役にも立たないよね…力は無いし、武器も魔法も使えないから…」
私が、今からの盗賊退治では…ただのお荷物でしかない事…
確認の意味を込めて、私はプロメに聞いてみた。
「はぁ……何を言い出すかと思えば……それで力をつけるために魔物になったほうが良いかもって思ったのか?」
「うん…だって、私まだ旅に出てから1カ月も経ってないけど、もうすでに死にかけたし…」
「ふーん…」
プロメは私の話を真剣に聞いてくれている。
「それに、このままじゃ死にかけずに本当に死んじゃうこともあるかもしれない…」
「それは…」
「例えそうならなくても、ユウロやアメリちゃん、今ならプロメやツバキにも迷惑を掛けることになっちゃうし…」
誰かの迷惑にはなりたくない。
そう言った時だった。
「はぁ……そんなことないって
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