旅7 旅の途中ですがコラボの時間です

=====[アレス(ゲスト)視点]=====


草原や火山、湖に砂浜…自然のものが揃っていて、美しい光景が広がる島…
この島に大きく聳え立つ古城…それこそ大富豪の豪邸程の古城…しかし内部は最先端をいく豪華な設備が施されている古城…
そんな古城…魔王城の一室で、俺は魔王…いや、友人のヴェンと一時の別れの挨拶をしていた…

「アレス…もう行ってしまうのか…」
「ああ…彼女達の為にもな…」
「そうか…また何かあったら呼ぶからな…」
「ああ、その時は必ず…」

今回は俺に会いたいからと『彼女達』が言ったからここに来た。
だからまた旅に出るのは少し悪いと思ってしまう事もある。

だが俺は彼女達の…魔物娘達の為にも、旅を続けなければならない。
まだ危険に晒されている彼女達の為にもだ。

「では、いつも通り元居た場所に送れば良いのだな?」
「ああ、頼む」


俺はヴェンが呪文を唱え始めると同時に後ろに振り返り…


「皆も元気で…」

『うん♪』
『おう!』
『どうかご無事で…』
『待ってるから…』
『絶対帰ってきてね…』

「ああ、俺はまた無事に…絶対帰ってくる!!」


後ろにいる『彼女達』…俺の妻達にも挨拶をした。


そして俺の身体が光り始めた…転送が始まったのだ。
このまま光が強くなって、俺の果てしない旅がまた始まるのだろう。

「……」



…まだこの転送の感覚が慣れないから覚悟を決めていると……



「お父さ〜ん」
「ん?」

部屋の扉の外、廊下から微かに声が聞こえた。
見てみると…青い女の子がこちらに結構なスピードで向かってきていた。
あの子は…妻の一人、スライムのスラミーにどこか似ている女の子は…

「あら〜ライム!おきたの〜?」

まだ寝ているからと、唯一この場に居なかった俺とスラミーの娘、ライムだった。
どうやらギリギリで起きたらしく、俺に挨拶しに来たのだろう。

「お父さ〜あっ!?うにゅ!?」
「うおっ!?」

ライムはすぐ目の前まで来たのだが、部屋の入口が滑りやすくなっていたのか滑ってしまい、何故かバウンドする形で転んでしまった。
しかも結構なスピードで来ていた為かそのまま俺のほうに飛んできた。

なんとか抱きかかえる形で飛んできたライムをキャッチ出来たので大惨事にはならなk……

「いかん!早く離れるんだ!!」
「…えっ……」

ここで俺の身体の光が一段と強くなり、大きく弾けた。

俺がここで最後に見たものは、もの凄く慌てた顔をして何かを言っているヴェンの姿と、何故か俺と同じように身体が光っている、俺に密着しているライムの姿だった。


………


……






「あれ〜、ライムは〜?」
「いかん!非常に不味い事態になった!!」
「不味いって…何がですか魔王様?」
「ライムがアレスに密着しすぎたせいで一緒に転送されてしまったが、あの転送は本来一人用だ。誤作動を起こしてどこかわからない場所に飛ばされている可能性が高い…」
「えっ!?」
「アレス!聞こえるかアレス!!…駄目だ、通信が繋がらない…」
「そんな…じゃあアレスとライムはどこへ!?」
「わからない…もしかしたらこの世界とは別の世界に転送されている可能性もある…それが魔力の無い世界とかだったら最悪だ…」
「そ、そんな……魔王様…なんとかならないのですか!?」
「…いや、なんとかなる、ならないじゃない…なんとかしよう!皆、手伝ってくれ!!」
『はいっ!!』



「ダーリン……ライム……」
「元気出して〜スラミーちゃん。きっと二人とも無事帰ってくるよ〜」
「うん…ありがと〜プリンちゃん」


=======[サマリ視点]=======



「「御世話になりました!」」
「じゃあ気をつけてね〜♪」
「うん!楽しかったよアクチお姉ちゃん!!またね〜!!」

現在8時。
私達は昨日テトラストの領主様でアメリちゃんのお姉さん、アクチさんの家に泊めてもらった。
アクチさんもその旦那さんも本当に優しくていい人だった。
本当に二人とも幸せそうで、互いの良い所をずっと言い合ったりしていたぐらい仲が良い。

……夜、ほんの少しだけ喘ぎ声っぽいものが聞こえたのは互いに愛し合っている証拠としておく。
気になってあまり眠れなかった…なんてことは私はなかった。ユウロは少し眠そうだが。

そして私達は朝ご飯を御馳走してもらい、今から隣の親魔物領『ラノナス』に旅立つところだ。

「あ、そうだ!皆に聞いておいてほしい事があるの」
「なんですか?」

見送りをしてくれているアクチさんはそう言うと、先程までの笑顔が消えて真剣な顔になっていた。

「あなた達が今から向かうラノナスなんだけど…最近ちょっと物騒な事が起きているらしいのよ…」
「物騒な事…ですか?」

その空気に、私達も真剣
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