「ん〜〜〜シャキーン!!サマリ完・全・復・活!!」
………
「よし、じゃあ退院の準備するか〜」
「よかったねサマリお姉ちゃん!」
………
もうちょっと反応してほしかったな…「なんじゃそりゃ!?サマリらしくないぞ!」とか「サマリお姉ちゃんおおげさ〜」とか言ってほしかったな……
…って私は何やってるんだか…どうやら入院中の寂しさと熱でおかしくなってしまったようだ。
テトラストに到着してから4日経った。その間私はずっと病院のベッドの中で過ごしていた。
女勇者(ホルミって名前だったかな?)に川に落とされてびしょ濡れになったせいで風邪をひいてしまっただけでなく、かなりの高熱にうなされていたのだ。
その間アメリちゃんは一応ずっと私のそばにいてくれたけど、私の風邪がうつるといけないし、それに私の負担になるといけないからって夕方から次の日の朝に掛けては私は一人ぼっちで寂しかった。
ちなみにユウロは旅費を稼ぐと言ってこの病院の裏方のほうを手伝っていたようだ。だからお昼などの休憩時間と宿に行く直前くらいにしか会えてなかったのだ。
まあたまに看護師さんが話し相手になってくれたからまだいいけど…魔物なだけあって会話や行動にちょくちょく下ネタ挿むから恥ずかしくなるんだよね…
なんだよ、「喉が痛いなら下のお口で会話しましょうか」って……断ったしジョークだったらしいけどナニする気だったんだ?
「ユウロお兄ちゃん!こっちはおわったよ!」
「そうか。おーし、これで準備は整ったぞ〜」
「じゃあ行こ!サマリお姉ちゃん!」
「うん!」
ただ、私が入院してアメリちゃんとユウロが二人っきりでいる時間が多かったためか、二人の仲がいつの間にかかなり良くなっていた。
普通に楽しそうにお話しているだけでなくて手を繋いで歩いていたので、二人の壁はほぼ無くなったと見て良いだろう。
結果的には私が入院して良かったのかな?ちょっと寂しいけど。
あ、そういえば……
「アメリちゃんのお姉さんがこの街のどこにいるか調べた?」
「ううん。サマリお姉ちゃんのことが心配だったから…」
どうやらアメリちゃんのお姉さんはこの街にいるようだけど、場所まではわからないらしい。
じゃあ聞いてみるか。
「それではお大事に。今度は気をつけてくださいね」
「あのー看護師さん、ちょっと良いですか?」
「はい、何でしょうか?」
「この街にアメリちゃんと同じリリムが居るらしいのですがどこに居るかわかりますか?」
ずっと私に係りっきりだった兎の耳が頭から生えている、下半身が白くもふもふした看護師さん(アメリちゃんが言うにはワーラビットって魔物らしい)にアメリちゃんのお姉さんについて何か知ってないかを聞いてみた。
「わかるもなにも、このテトラストの領主様はそのリリム、アクチ様ですよ!」
「えっ!?そうなんですか!?」
そしたら真っ赤な瞳が満遍なく見えるほど目を見開かせながら興奮気味に教えてくれた。
「はい。もしかして領主様にお会いに?」
「ええ、アメリちゃんはお姉さん達に会う為に旅をしているんですよ」
「あら、そうなんですか。でしたらこの街の中心に行くといいですよ。そこに領主様のお屋敷がありますから」
「そうですか!ありがとうございます!」
アメリちゃんのお姉さんがまさかこのテトラストの領主だとは…会うのに許可とかいるかなぁ…
「アメリちゃんのお姉さん、この街の領主様で街の中心に居るんだって!」
「きこえてたよ!早くアクチお姉ちゃんに会いにいこ!」
「リリムか……どんな人(?)だろうか……ちょっと怖いな……」
でもまあアメリちゃんも早く会いたがっていることだし(ユウロはちょっと怖がっているけど)、とりあえず街の中心にあるお屋敷に向かいますk……
ぐうぅぅぅぅ……
「「……」」
「もうやだ……///」
ぐうぅぅぅぅ……
「どうしてアメリこんなにおなかすくんだろ…///」
……まずはお昼ご飯を食べに行きますか。
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「ごちそうさま!!」
「うまかったな!」
「この味私にもできるかなぁ…」
病み上がりで私が料理する気にもなれなかったし、二人はいろいろとテトラストの飲食店を食べ歩いてたみたいだけど私はずっと病院食しか食べてなかった(まあおいしかったけど)から、私達は目の前の噴水がある広場の様子が見えるオシャレなカフェでお昼ご飯を食べることにした。
私はそこで新鮮な野菜と程良い厚さのベーコンが挟まれたサンドイッチを食べた…とても美味しかった。
出来ればこの味の再現をしてみたいものだが…新鮮な野菜ってのは旅しているとなかなか難しいんだよね。
「アメリおなかいっぱい!!」
「って言いなが
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